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アラガミになった訳だが……どうしよう

作者:アルビス
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原作が始まった訳だが……どうしよう
  30話

「あっちゃ〜これはちょっと困ったな」
アリサから少し痛んだ装甲を受け取り、必要な素材を調べていたイザナミが俺にだけ聞こえるようにそう呟いた。恐らく、アリサには聞かせたくない内容なのだろう。
一体何があったんだ?
「必要な素材を見て貰えれば分かるよ」
そう言ってイザナミがゴッドイーターの各部屋に設置された、データベースの閲覧及び神機の管理、メールの送受信などが可能な端末の画面を見せる。
そこにあった整備に必要な素材は二種類のアラガミの素材だった。片方はザイゴート、これは別段問題もないのだが、もう一種類が問題なのだ。
アリサのトラウマであるアラガミ、ヴァジュラの素材が必要とされている。これが非常に厄介だ。
確かにしばらくしてから、アリサはヴァジュラに対するトラウマをとりあえずは解消するが、それは原作でのイベントで起こったことだ。それを俺たちが克服させる訳にはいかない。
だが、必要な素材を手に入れるにはヴァジュラを狩らなければならない。俺たちの持つヴァジュラのオラクル細胞を提供しようにも、既に体に取り込んでしまっているので似ているようで全く違う性質の物になってしまっているので、それも無理だ。
となると、ヴァジュラのいる任務をアリサに隠して、俺とイザナミのどちらかがアリサを連れてザイゴートを狩り、その間にもう片方がヴァジュラをアリサに気付かれない内に狩るという事になるのだろう。それもアリサに気付かれないように、咆哮一つさせぬまま無音の内に狩るという割と面倒な条件付きだ。
「そうだね……じゃあ、マキナが仕留めてよ。私の腕じゃ、捕まえた時に声上げられそうだし、マキナのパンチだったら一発でしょ?」
それもそうだな、ただ加減が難しいんだよ。全力でやれば素材が回収できないレベルでヴァジュラが飛び散るだろうし、手を抜きすぎると動けなくはなっても断末魔程度ならば上げれるからな。
まぁ、その辺りが俺の仕事だと言ってしまえばそこまでだが、面倒な事には変わりない。
「そうだよ、ちょっと位は頑張ってよね、マキナおじさん?」
やめろ、お前におじさん呼ばわりされるのは気持ち悪い。大体、お前の方が生きている年数だけで言えば俺より上だろ。
「そりゃね、でも理性を持ったのはマキナと会ってからだから、19って言っても間違いじゃないんだよ?」
お前のような19歳が居てたまるか。
「酷いなーまぁウロヴォロスだった時間を含めたらマキナより少し上だよ」
……ん?自分で言ったので聞くのは妙だが、俺より年上っておかしくないか?アラガミが出て来たのは2050年じゃないのか?
「動きだしたのはね、その前からいるにはいたんだよ。ただ殆ど寝てたけどね」
あ、ウロヴォロスがアラガミ出現前から存在したってのは本当だったのか?このデータベースにもそんな説があるって載ってるが、本人からの体験談があるってことは確実なんだな。
「山と間違えられたりしてたまに登られたり、苔が生えたり……改めて思い出すとよく起きなかったね、私」
知らん、俺に振るな。じゃあ、なんでアラガミが出てくる前は暴れなかったんだ?暴れない理由なんて特にないだろ?
おい、何故そこでジト目でこっちを見る?何かおかしな事を言ったか?
「マキナは偏食場パルスを認識出来ないから分からないだろうけど、偏食場パルスってアラガミの声みたいなのなんだよ。だから、外ってとてもじゃないけど寝てられない位、他のアラガミの偏食場パルスで煩いんだよ。マキナに分かりやすく言えば、繁華街の真ん中で寝れるかって言えば分かるかな?」
なるほど、そりゃ無理だ。




その後、アリサの素材集めの為に教会のある街に来た訳だが……イザナミ、その馬鹿デカイ神機はなんだ?前に使っていた大剣型の倍近いサイズはあるんじゃないか?
「ん?これでも軽くて困ってるんだけどね」
「……イザナミさんって力持ちなんですね」
アリサが引いているが、正直イザナミと関わるにあたってこの程度で驚いてると、こちらの身が持たないぞ?
「じゃあ、アリサちゃんと私はこっち側を探すから、マキナは向こう側をお願いね」
偏食場パルスでヴァジュラの居場所を探ったんだろうか、イザナミは自分達の行く方向とは反対を指してそう言った。アラガミの種類まで特定した上で位置まで分かるその感覚は便利に思えるが、先ほどの騒音問題があるとなると、利点と問題点でどっこいどっこいだな。
「わかった」
「えっ、おじさん一人で探索なんて……あっ、おじさんなら大丈夫でしたね」
一体、アリサの中で俺が一体どんな化け物と思われているのか少し問い詰めたくなったが、化け物という点では実際アラガミなので否定のしようが無いと思い出して、少し凹んだのは心に秘めておこう。
おい、イザナミ笑うな。例え読んだとしても、そこは態度に出すな、頼むから。
「じゃあ、マキナは危なくなったら信号弾でも打ち上げてね」
その棒読みに加えての半笑いで言うな、イザナミよ少し俺の扱いが雑じゃないか?
「おじさんが危なくなるなんて想像できないですよ、イザナミさん」
アリサ、そろそろ泣くぞ?
そんな下らないやり取りをしてからイザナミに指示された場所を探していると、すぐにヴァジュラを発見する事ができた。しかし、妙に周囲を警戒しているようで無音で倒すの少々難しいな。少し待って、ヴァジュラが警戒を解いてから確実に仕留めるとしよう。
しかし、一体何を警戒しているんだ?俺は偏食場パルスを発していない上に、姿も見られていないので俺を警戒しているんじゃないだろう。
……ああ、イザナミが周囲を調べる時に使った偏食場パルスか。あいつの偏食場パルスはヴァジュラどころか、プリティヴィ・マータの群れですら黙らせるような規模らしく、蒼穹の月でユウ達の撤退を手伝ったのもそれを使ってだったらしいしな。
ならばヴァジュラが警戒するのも当然か。さて、警戒が解けるまで待つのはいいんだが、どうやらイザナミ達がザイゴートを見つけたらしく、アリサの神機のものであろう銃声が聞こえてくる。
それをヴァジュラも聞きつけたらしく、イザナミ達の方へ移動し始めた。
全く、どうしてこう俺にとって都合の悪い方へ……ああ、いつものことか。
仕方ない、少々勿体無いが仕方ない。俺は片腕だけ具足に変化させて、パイルバンカー用の杭をセットする。この杭は打ち込んでから対象の内部で爆発させる使い切りなので、その分のオラクル細胞を消費する事になる。
これはディアウス・ピターやらあのレベルの奴らとやり合う為の物だが、仕方ない。ヴァジュラと言えど声を上げさせないように倒すのだ、この位はした方がいいだろう。
本来は具足でブーストをかけたパンチで倒すつもりだったが、力加減やらを調整する時間が惜しいのでバンカーで倒させてもらおう。
ヴァジュラにこちらを向かせる為に神機を投げ、その刃を胴体に突き刺す。あまり深くは刺さらなかったが、ダメージはあったようでこちらに顔を向けて、威嚇の咆哮を放とうとした瞬間、その顔へバンカーを突き刺して間髪置かずに杭を打ち込む。
打ち込まれた段階で既に顔は崩壊、杭が爆発すると共にヴァジュラの体の前半分が爆散した。
少々オーバーキルだが、必要な素材であるヴァジュラの毛とマントは辛うじて残ったので良しとしよう。さて、アリサ達が帰投用の装甲車に戻る前に、必要な素材を剥ぎ取って、車の素材入れに入れておくとしよう。
全く、せっかく美味い料理を食って腹を満たしたのだが、その分のオラクル細胞を使い切らされるなんて、割に合わない仕事だったな。




 
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