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転ばないように…気をつけよう…

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プロローグかもしれない何か

 
前書き
はじめまして札幌塩ラーメンです。
初心者ですがよろしくお願いいたします。 

 
ミッドチルダ郊外。
一軒の住宅の広くもなく狭くもないさまざまなはく製や標本や図鑑が散らばっている部屋にて二人の少年が向かい合っていた。
片の少年は時空管理局と呼ばれる公的機関の服装を。
片の少年は少し前まで作業をしていたのか農業用の服を着ている。
何とも見た目だけならシュールではあるがいたって真面目な話である。

「ユーリ・エイグルメル。君に新たに依頼をすることがある」

ユーリと呼ばれた農業服の少年は木製の椅子に深く腰かけて眉を軽くしかめる。

「………一応聞かせてもらいたい…クロノ・ハラオウン執務官」

クロノと呼ばれた制服姿の少年は肘を机の上に置き両手を組んでユーリとその後ろにあるイノシシのはく製を見て、切り出した。

「とあるロストロギアを護送中に船が何者かに襲撃され大規模な次元震が起きた。アースラでパトロール中に発覚したことだ」

ユーリは若干の驚きを見せ続きを促す。

「そのロストロギアは第97管理外世界『地球』に総て落ちて行ったらしい。ロストロギアの名は………ジュエルシード」
「ジュエル………シード…??そして…地球…か…」

クロノが淡々と話す内容にユーリは若干の影を顔に落とす。
そんなユーリを見てクロノは数秒間目を閉じて顔をあげて告げる。

「そこで君に依頼したい。僕を含むアースラスタッフとともにこの事件の解決にあたってほしい。そうだな…数日くらいなら地球での自由は与えられるかもしれない」

クロノの言葉を聞き切った直後にユーリとクロノは同時に勢いよく立ち上がる。
ユーリはクロノの肩に手を置き笑顔で言う。

「さっきまでまじめにやったけど俺たちにそんなの必要なくね?」

クロノは肩に置かれているユーリの手を払って呆れたように告げる。

「これでも一応艦長…母さんに『公的に連れてくるように』って言われてるんだ。面倒な手続きはしたくないだろ?」

ユーリは口をとがらせてまるで「ぶーぶー!!」と効果音がつきそうな駄々っ子の勢いで文句を言う。

「だからって収穫終わってさあ食べようって時に押し掛けてきて昼飯まで食っていってそれでその話はないだろう!?」
「むぅ…確かにそれもそうだな…あらかじめ連絡を入れておくべきだった。すまない」

クロノは痛いところをつかれたような顔をして謝罪を入れる。
そして話しを戻す。

「今回の事件…僕個人としてはジュエルシードを狙った犯人はなにか大量の魔力を必要としているのだろう。理由もあるはずだ。でも、僕はそのやり方に納得をしない。平和とかは後回しで、まずはその人物を正したい。だから…ユーリ、管理局員としてではない、僕個人に、協力してくれないか?」

クロノの瞳は決意を湛えユーリを映す。
ユーリはクロノの両肩に手を置き高らかに宣言した。

「あったりまえだろ!俺はお前の相棒だ!手伝わなきゃな!で…まずはアースラに行くのか?」

クロノは軽く笑みをこぼし拳を突き出す。

「ああ。僕が案内をしよう。頼りにしてるよ、相棒」
「ああ、まかせろ。俺がいたら万事解決だ!」

ユーリも拳を突き出し二人でぶつけあう。
そして二人で笑いあった。






ユーリ・エイグルメル。
後に管理局最強の部隊を率いた者、最強コンビの一角とも言われる存在。
そんな彼は…転生者でもある。
この物語は…彼の歴史でもある。







「あ、その前にクレープ食ってきていいか?」
「なんで君は変なところで締まらないんだ………?」



















もうひとつのプロローグ




日が沈み夜となり騒がしかった人の声も静まってしまった闇の中。
ここ海鳴の森の中で一人の子供が落下してきた。

「うぅ…いててて………いったい何があったの………?」

見た目麗しい美少女のような『少年』。
彼は立ち上がり周りを見渡す。

「ここ………どこなの……?」

そう呟く彼に答える者はいなかった。

<レン、ここは俺たちの世界じゃない。おそらく地球だろう>

いや、者はいなかったが、『物』はいた。
彼の赤い腕輪より聞こえる機械がかった男性の声。
この声が答えていた。
この声にレンと呼ばれた少年は驚愕をする。

「地球!?リンドウ!どういうことなの!?」
<落ち着けレン。ついでにいうと、俺たちはパラレルワールドに来てしまったらしい>
「パラレルワールド!?なんで…そんな…」

レンはリンドウと呼ばれた声に対して詰め寄り、
リンドウはたしなめて更なる事実を告げ、
その事実に…レンはさらなる驚愕をした。

<今周りの空間を計測したんだがな…?いろいろと歪みが生じてる。おそらく次元震だろう。其れが俺たちの世界と何らかの事象がおこって俺たちが飛ばされたんだ>

リンドウの説明はかなり適当にしたものではあるがやはりレンには理解ができない。
レンの頭に『?』がくっきり浮かぶほどである。

<あ~~とにかくだな…俺たちは何もない。だからこの先考えるOK?>
「そうだね…コンクリートとか金属とかガラスとか食べればいいけど…普通のご飯がいいなぁ…」

リンドウのいうとおりレンは身の着のままでほかには何にもない。
このままではらちが明かないと判断したレンは街の明かりに向かって歩き出す。
しかしその時レンの脳裏にはある記憶がよみがえり、立ち止った。

<…レン?…どうしたんだ…?>
「ぁ…ううん。なんでも…ないよ」

彼の瞳に映るは昔の記憶。
その内容を語るものは…いない。
レンは歩き出し、リンドウはどこか悲しい雰囲気を醸し出しながら何も言わなかった。
街の明かりはすぐそばまで見えていた。 
 

 
後書き
読んでいただきありがとうございました。 
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