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万華鏡

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第八十二話 近付く卒業その八

「それでかなりましになるの」
「甜茶って効くのね」
「ええ、かなり効くから」
 効果はてきめん、そうだというのだ。
「体質によるけれどね」
「それじゃあね」
「そう、花粉症になったらね」
「その時は飲ませてもらうわね」
「丁渡お父さんが軽い花粉症だから」
 それで、というのだ。
「甜茶もあるから」
「あっ、そうだったの」
「何かあったら飲んでね」
「そうさせてもらうわね」
 家でもこうした話をした、そしてだった。
 琴乃は卒業式のライブまで体調管理にも気をつけることにした。部活に励むのと一緒にそうしたのである。
 その中でもプラネッツの五人で一緒に遊ぶ、しかしその前にだった。
 三学期の期末テストの時期が来ていた、それで。
 五人で学校の図書館に集まって勉強もした、里香が各教科の教科書を出してそのうえで四人に対して話した。
「テストで重要なところね」
「全教科のなの」
「そこを書いてくれたのね」
「赤ペンでね」
 日本史の教科書を開くとだt、そのページにだった。
 実際にある単語の部分に赤ペンで丸がしてあった、里香はそこを指し示してそのうえで琴乃と彩夏に答えた。
「こうした感じで書いてるから」
「そこが出るのね」
「そうなのね」
「そう、絶対に出るから」
 その赤ペンで丸をしたところは、というのだ。
「絶対にね」
「そういえばね」
「出そうよね」
 琴乃と彩夏もその赤丸のところを見て述べた。
「そこは確かに出るわね」
「まあ全体的にね」
 一つのポイント、赤丸の部分に限らずというのだ。
「覚えておくといいけれど」
「重点は、よね」
「そこよね」
「そう、ここよ」
 まさにというのだ。
「日本史はこことかだから」
「わかったわ、じゃあね」
「そこ覚えるわね」
 二人は里香の言葉に頷いてだった、自分達の教科書にもマーク自分達がまだしていない単語のところにした。
 そして美優もだ、里香にこう言った。
「あたしは数学のBがさ」
「それね」
「ちょっと文章題がわからないんだけれど」
「どの文章題なの?」
「これなんだけれどさ」
 こう言ってだ、数学の問題集を開いてそのページを出した。
「このページの下の」
「それね」
「これがわからないんだけど」
「そこはね」 
 里香は自分の数学のノートを出した、そのうえで美優にそのノートも見せながらそのうえで説明したのだった。
「こうすればいいの」
「ああ、そうか」
「こう、公式はこう利用してね」
「成程なあ、そうすればいいんだな」
「そうなの」
「美優ちゃん、英語の発音だけれど」
 景子は英語の単語の発音について尋ねた。
「どういうの?」
「こうなの」
 里香はそれも教えた、今の勉強は彼女が中心だった。琴乃はその里香に笑顔で言った。
「いや、やっぱり里香ちゃんがいてくれるとね」
「違うわよね」
 彩夏が琴乃に答える。
「色々教えてくれるから」
「全教科で優秀だからね」
「本当に頼りになるわ」
「そうよね」
「そうなの?」
 だが里香本人はというとだ、二人にきょとんとした顔で答えた。 
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