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美しき異形達

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第十六話 黒蘭の力その九

 智和がだ、その黒蘭と再び話をすることに決まった薊にこう言ったのだった。
「開陽黒蘭さんだね」
「ああ、そうだよ」
「その娘なら僕も知ってるよ」
「どういう娘なんだい?」
「薊さんの話した通り新体操部の娘でね」
「学年は?」
「二年生だよ」
 そして、というのだ。
「二年G組、お姉さんはね」
「ああ、その人はどういう人だよ」
「名前は開陽鈴蘭」
 ここでその姉の名前がわかった。
「二年H組、剣道部にいる娘だね」
「剣道部か」
「そう、そして君達と同じ二年生だよ」
「姉妹で同じ学年ってことは」
 どういうことか、薊は腕を組み考える顔になって述べた。
「双子か」
「その通りだよ」
「そういえば北斗七星でミザールとアルコツは双子でしたね」
 桜もここで言う。
「黒蘭さんのアルコルはミザールの横にあります」
「そう、まさに双子星だね」
「その星のまま、ですね」
 桜は智和の言葉を聞きつつ考える顔で述べていった。
「お二人は」
「そうなるね」
「そしてお二人で、ですか」
「既に戦いに入っていたんだね」
「私達より前かしら」
 菊も考える顔で言う。
「力に目覚めたのは」
「何か結構実戦経験あるっぽかったな」
 薊は黒蘭との会話を思い出しつつ菊に答えた。
「どうにも」
「そうなのね」
「ああ、そんな感じだったよ」
「じゃあ私達よりも」
「そうかもな」
 こう言うのだった。
「その辺りは確かにはわからないけれどな」
「そうなのね」
「まあとにかくな」
「黒蘭ちゃんに会ってからね」
 向日葵がまた言う。
「それからね」
「そうだな、まずはまた話してみるか」
「じゃあ今日にでも」
 裕香もこう薊に言う。
「あの娘と会うのね」
「出来れば姉さんの方にもな」
 彼女にも、というのだ。
「そうしたいな」
「それがいいと思うよ、同じ二年生だしね」
「こっちも都合がいいな、けれどな」
「けれどっていうと?」
「これで全員揃ったな」
 こう智和に言うのだった、今度は。
「北斗七星がな」
「うん、双子星も含めてね」
「これで全員か」
「そうなったね、確かに」
「八人か」
 また言う薊だった。
「何か思ったより早く全員わかったな」
「そうね、けれどまさか全員二年生で」
 裕香は薊のその言葉に応えて言った。
「八条学園にいるなんて」
「偶然にしては出来過ぎているわね」
 菖蒲もここでこう言うのだった。 
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