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絶滅黒髪少女

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第二章

「やっぱり」
「そうだよね、そういうことだから」
「付き合う相手はそれか」
「うん、黒髪ロングヘアだよ」
 また智樹に言った。
「僕は王道を目指すよ」
「そうか、頑張れよ」
 智樹は言い切った僕に友として返してくれた。
「俺は結構そういうのはこだわらないけれどね」
「胸か?」
「そうだよ、胸が大きい娘だよ」
 智樹は巨乳派だ、それでこう僕に返したのだ。
「髪はその後だよ」
「そうか、胸か」
「御前は胸はいいんだな」
「やっぱり僕は髪型だな」
 これに尽きた。
「だからそれにこだわるよ」
「そうか、じゃあお互いにな」
「好みの彼女ゲットしような」
 こう笑顔で話した、そして僕はその黒髪ロングヘアの女の子を探した。とはいっても智樹の言う通りにだった。
 黒髪ロングヘアの娘は確かに減っていた、しかもそこで性格がよくて僕と付き合ってもいい娘となるとだ。余計にだった。
 いなかった、それでクラスの女の子の一人、茶髪でショートヘアの西上舞子に笑ってこう言われた。
「あんた夢を追いかけてるでしょ」
「わかるんだね、それが」
「わかるわよ、いつも黒髪でね」
「ロングヘアのね」
「そうした娘探してるからね」
「性格がよくないとね」
 これも絶対だった。
「しかも僕が告白してだよ」
「はい、って言ってくれる人ね」
「そういう人になるとね」
「いないっていうのね」
「いないね、そもそもうちの学校ってね」
 何故かだ、これが。
「黒髪率少ないよね」
「女の子は全校生徒の半分だけれどね」
「それでもいないよね」
「皆脱色したり染めたりね」
 そうしてだった、本当に皆。
「そうしてるからね」
「そうだよね、だからね」
「黒髪の割合が少なくてね」
「尚且つストレートのロングヘアになると」
 これがだった。
「何人もいなくて」
「それでもう皆彼氏持ちよ」
「いきなり校内アウトで」
 それで校外に目を向けてもだった。
「校外に出てもね」
「黒髪ロングヘアの娘がいても」
「あんたでいいっていう人がいないのね」
「僕って外見とか性格駄目かな」
「そんなに悪くないんじゃない?」
 舞子は笑って僕に返してくれた。
「正直なところ」
「そうなんだ」
「まあ普通ね」
 外見も性格も、というのだ。
「ちょっとそうした変に一途なところがあるけれど」
「並はかえってもてないのかな」
「そういう訳でもないわよ、だからね」
「黒髪ロングヘアにこだわると」
「それはいないわよ」
 そもそも黒髪ロングヘアの娘が少ないからだ。
「当然の結果よ」
「ううん、けれど僕はね」
「まあ髪型はね」
 それはとだ、ここで僕にこんなことを言った舞子だった。
「流行だから」
「流行ねえ」
「ほら、松田聖子さんが人気だった時はね」
「松田聖子さんの髪型になったらしいね、皆」
「そう、だからね」
「若し黒のロングヘアが流行になったら」
「一気にそうなるわよ」 
 黒髪のロングヘアが主流になるというのだ。
「まあそうなることを期待することね」
「そうなればいいね」
「そこはどうなるかわからないわよ」
「流行だけは何が流行るかわからないからね」
 何でこんなものが流行るのかわからない時もある、だから僕は舞子に対してこう言葉を返したのだ。
「だからね」
「そうよ、若しかするとよ」
「黒髪ロングヘアが流行る」
「そうなればあんたに彼女が出来るかもね」
「そうなればいいね、いや僕を受け入れてくれる性格のいい娘ならね」
 正直これでいいところもある、けれどどうしてもだった。
「それでもなんだよ」
「黒のロングヘアは絶対なのね」
「そうなんだよね、本当に」
「そうなったらやっぱり流行頼みね」
「そういうことだよね」
 こう話す僕達だった、僕は本当に黒髪のロングヘアが流行になって欲しいとさえ思った。そして舞子にこうも言われた。 
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