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ハイスクールD×D~舞い踊りし剣舞姫~

作者:レゾナ
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第六話

兵藤一誠の剣の技術は確かに高い。

しかしそれよりも剣術に秀でた人物が長い歴史上にもたくさんいる。

その中の一人が「絶剣」を極めたと言われている人物だ。

絶剣と言われても何の事?と思う人間はたくさんいるであろう。

それも仕方のない事だ。この絶剣は誰にも継承されていないからである。

そして時代を越えて絶剣を振るうのが兵藤一誠である。

そして……一誠に絶剣を教えた人物こそ、絶剣を極めた者……《闇の精霊王》レン・アッシュドールことカゼハヤ・カミトである。

そんな人物がただの堕天使幹部であるコカビエルに負けるだろうか?

「がああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

むろん、否である。

「ば、バカな!?俺が貴様のような人間に負けるなど!?」

「それが貴様の驕りさ……」

今のコカビエルは満身創痍だ。

背中の翼はボロボロでもはや飛んでいられる事も出来なくなっていた。

対して一誠は……カミトは無傷である。

(くっ……やっぱりこの体で絶剣技は無理があったか……)

カミトが使ったのは絶剣技。かつて名も知られないカミトの師匠が編み出した剣技。

しかし絶剣技は体に多大な負担が掛かる。

それは一誠の体を使っているカミトも同様である。

「レスティア、まだいけるか?」

-誰にものを言っているの、カミト?-

「そうだったな……」

カミトはそう言うと走り出す。そのスピードはまさに疾風と呼べる程の早さだった。

カミトはそのままの早さでコカビエルに連続攻撃を加えていく。

しかしそこはコカビエル。何とか光の槍で凌いでいくがそれもすぐに意味はなくなった。

「がっ!?な、なんだ!?この早さは!?」

コカビエルでさえも見つけられないスピード……常人には出せる筈もないスピードである。

「絶剣技、初ノ型────〈紫電(しでん)〉」

そのスピードを活かしてカミトは突きを喰らわせる。

絶剣技、初ノ型紫電とは簡単に言えば突き。これだけである。しかし突きというものはスピードによりその威力は変わる。

つまり……このスピードでだせば相当なダメージを負わせる事が出来る。

紫電により……コカビエルの翼の一枚が完全に消えてしまった。

「がああぁぁぁぁぁぁ!!!?俺の、俺の羽がああぁぁぁぁぁぁぁ!!!??」

「その程度で喚いてるんじゃねぇよ……俺の生きてた時代ならこんなので狼狽えるなんてなかったんだけどな……」

カミトの最後の言葉は誰の耳にも届いていない。

しかしレスティアやエスト……元素精霊界(アストラル・ゼロ)に住んでいた住人全員にはしっかりと聞こえていた。

そしてこの言葉の真意も皆知っている。

-貴方は一人じゃないわ、カミト。私もいるし皆もいる……それにイッセーもいるでしょう?-

「ああ、そうだな……」

「くっ……さすがは英雄だな……これは死んだ神や魔王共のように楽しめそうだよ……」

「楽しむもなにも……満身創痍の癖に何を言っているんだ……?」

カミトはそう言うがこの言葉に反応したのはカミトだけではない。

「………………どういう事?」

リアス・グレモリーがどういう事かとコカビエルに頼む。

「フハハハ、フハハハハハハハハハ!!そうだったな!そうだった!お前達下々まであれの真相は語られなかったな! なら、ついでだ、教えてやるよ。先の三つ巴戦争で、四大魔王だけじゃなく、神も死んだのさ!しかし兵藤一誠よ、お前は知っていると思っていたのだが……?」

「「「「「えっ!!??」」」」」

その場にいる皆を一誠を見つめる。

「い、イッセー……嘘だよな?神が……主が死んでいるなんて……」

「…………本当だ、グレートレッドとオーフィスは神が死ぬ瞬間を看取ったって言ってたし……間違いない」

「っ!?そ、それじゃあ……なら、神の愛はいったいどこに……」

ゼノヴィアは呆然としながら膝をつく。

それと同時に二振りの聖剣……破壊の聖剣(エクスカリバーデストラクション)とデュランダルもゼノヴィアの手からするりと落ちる。

「神の愛なんて存在していない。神がいないのだから当たり前だ。それでもミカエルは良くやっている。神の代わりをして人、天使をまとめ上げているのだからな…誰かが起こそうとしなければ戦争は起きないだろう……だがそんな世界に何の楽しみがある!戦争のない世界など、愚の骨頂!だから言ってやろう!神などいない、お前たちが信じていたものなんてただ偶像だ!!」

「……黙れ」

カミトは神速の早さでコカビエルの顔を斬りつける。

「がああぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!?か、顔が……!?」

「貴様の言葉に耳を貸している暇はない……これで、終わらせる……!」

そしてカミトは剣を構える。その構えは大きな構えだ。

「絶剣技、破ノ型────烈華螺旋剣舞・十八連!」

絶剣技の中でも対精霊用の技。その威力の前には……コカビエルを倒すなど造作もない。

「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!?????」

コカビエルは悲鳴を上げながら倒れていく。その体には四肢は既になくコカビエルは息も絶え絶えだった。

そしてその時

「へぇ?おもしろそうな事になってるね……」

そんな、透き通るような声が聞こえてきた。

そして……

パリィィーーーン!!!

結界が壊れる音が鳴り響き……カミトは上空を見上げる。

そこには────────────白が、いた。

-白龍皇、か……イッセー、すまん。もう、眠る……-

-わかった。ありがとうございます、カミトさん-

…………人格変換。レン・アッシュドールから兵藤一誠へ…………

こうして兵藤一誠の意識が再び舞い戻ってきた。

一誠SIDE

俺が目を開けると……上空には何にも染められていない綺麗な白が、いた。

「綺麗だ……」

俺は思わずそう呟いてしまう。

「あそこで、守られてる銀髪の子が赤龍帝かな?」

「……ああ、そうだぜ」

神名がなんか……変な笑顔を浮かべている。

怖いんだけど……。

-大丈夫よ、イッセー。私も見られてないのに鳥肌が立ってきたわ-

-イッセー、怖いです。守ってください-

いや、レスティア?お前、今は剣なんだから鳥肌とか出ないんじゃないか?それとエスト、お前が本気を出せばあいつすぐに死ぬと思うぞ?

-見られてるだけで嫌悪感を催すのです-

それじゃ仕方ないな。

「さっきまでここから見ていたけど……すごいね、君は……コカビエルは堕天使の中では上級に位置する堕天使だ。それも大戦を生き抜いた猛者……それをものの数秒で沈めるとは……」

俺は警戒を解くまではいかないもののあいつはコカビエル……つまりは堕天使陣営の人間だという事がわかった。

「私の今回の目的はコカビエルの回収でね……あのはぐれ神父も回収しようと思っていたのだが……逃げられているようだし……まあ、いいわね」

そう言って白龍皇はコカビエルをかつ…ごうとした所で一旦止まる。

「ああ、そうだった。まだこっちの用事が終わってないんだった」

白龍皇はそう言うと俺に近づき……なんと、俺に抱きついてきた。

「「「「「なっ!?」」」」」

クレア達は驚愕したとでも言わんばかりの顔をしている。

というか、俺もビックリだ。一体どうしたんだ?

「なんか、アルビオンがこうしろって……」

白龍皇がそういった瞬間

『ふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんん!!!!!!ドライグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!』

何かが泣いてドライグの名前を叫んだ。

俺はいきなりの事で思わずたじろいでしまう。それはどうやら白龍皇もそうらしく仮面で見えないがおそらくしかめっ面をしているだろう。

『おぉぉい!!?アルビオン!?いきなりどうした!?』

ドライグもいきなりの事で何がなにやらわかっていないようだ。

『だって……だって……今までは出会ったらすぐに戦い戦いで……話をする暇すらなかったから……』

ああ……その……どういう事?

「私に聞かれても……」

白龍皇も戸惑っているらしい。というか私か……それにこの声、女の人かな?

『わかったから!わかったから離れてくれアルビオン!相棒が赤龍帝だとバレてしまうだろうが!』

『あ、そうだよドライグ!なんで赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)から離れてるの?おかげで探すの大変だったんだよ!?』

『俺に言うな!俺にもわけがわからんのだ!それよりも離れろ!』

『ぶぅ~じゃあ、今度また話そうね……?』

『ぐっ……!?ああ、わかったわかったから離れてくれ!』

『わぁい!』

なんか……おかしいぞ……?

「アルビオン、満足……?よかった……そういう事だから、ごめんね……」

そう言うと白龍皇の女の子はコカビエルを今渡こそかついで行こうとする。

「ああ、待ってくれ」

「?何?」

飛んでいこうとする白龍皇の女の子を呼び止める。

「名前、聞かせてくれないか?いつまでもお前とか白龍皇とか嫌だろ?」

白龍皇の女の子は少し考えるとマスクを収納する。そこから見えたのは……月の光に反射する綺麗な銀髪だった。金色の瞳に雪の肌のように綺麗な肌……そこにはまさに絶世の美女がいた。

「私の名前は……ヴァーリ……覚えておいてね」

そう言って白龍皇……ヴァーリは飛び立っていった……。

こうして、コカビエルによる襲撃は幕を閉じた……。 
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