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美しき異形達

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第十四話 幻の力その八

「それでもね」
「その振る、突くがか」
「そう、難しのよ」
「奥が深いっていうんだな」
「そこは他の武道と同じよ」
 こう話すのだった。
「剣道でも難しいでしょ」
「ああ、そう言われてるよな」
「それと同じでね」
「強くなるにはその技を極めないといけないってことか」
「これはどの格闘技や武道でも同じでしょ」
「拳法だってな」
 これにしてもだ、薊は自分がしているそのことから話した。
「極めないとな」
「強くならないわよね」
「拳法にしても難しいんだよ」
 こう言うのだった。
「技を極めるっていうかな」
「結局一緒だから」
「そういうことか」
「薙刀もね」
「特別じゃないんだな」
「特別な武道とか格闘技ってあるの?」
 薊の言葉に逆にこう返した菫だった。
「人間がすることだし」
「そう言われるとないか」
「そうでしょ、そういうものよ」
「薙刀だけがそうじゃないんだ」
「そうそう、ただ脛がね」
「そこを攻撃するのがな」
「それは特徴になるわ」
 薙刀のそれだというのだ。
「剣道とかだと脛狙わないから」
「というかその発想自体がないか」
「そう、そこを攻めることはね」
「大きな特徴だよな」
「相手が動こうとしたりしたら」
 その時に、というのだ。
「払う感じで脛を打つのよ」
「あと突撃してくる相手にもだよな」
「そう、さっきの闘いみたいにね」
「脚を払うか」
「これは確かにかなり有効よ」
 菫は真剣な顔で話す。
「こればかり狙うって訳でもないけれど」
「脛ばかりだと読まれるよね」
 ここでこう言ってきたのは菊だった。
「やっぱり」
「そう、有効な攻撃でもそればかりだとね」
「相手に読まれてね」
「意味がないわ」
「他の攻撃も入れるものね」
「私もそこは意識してるの」
 菫は菊にも話した、その薙刀について。
「さもないと負けるから」
「そうよね」
「これだけしてればいいっていう攻撃の仕方はないわ」
 薙刀でも、というのだ。
「面や小手、胴もあるから」
「そうしたところも攻めてこそよね」
「そう、薙刀なの」
 菫は菊にも真面目な顔で話す。
「脛だけじゃないのよ」
「脛は私達にとっては怖い技ね」
 菖蒲はこう菫に言った。
「脚のガードがどうしても弱くなるから」
「そうですね、ですが脚は」
 桜がその菖蒲に言うことはというと。
「フットワークのことを考えましても」
「重要ね」
「はい、テニスでも」
「テニスは特にそうね」
 菖蒲は桜の部活のことを話した。
「激しく動くスポーツだから」
「脚で」
「まさにフットワークのスポーツね」
「かなりハードです」
 優雅で気品のあるスポーツではある、しかしその運動量はかなりのものなのだ。
「真面目にしていると痩せます」
「ダイエットにもいいのね」
「はい、かなり」
 桜はにこやかに笑って菖蒲にテニスのそうしたことも話した。
「私も食べる方ですが」
「テニスをしているからなのね」
「スタイルを維持出来ています」
 そうだというのだ、彼女にしても。 
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