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オズのモジャボロ

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第十一幕その十三

「元々ギリキンで生まれてね」
「紫の」
「そう、紫の頭の時もあれば」
「オレンジの時もですか」
「そう、あるよ」 
 今みたいにというのです。
「あとマンチキン、カドリングのカボチャも植えているから」
「じゃあ青や赤の時もあるんですか」
「そうなんだよ、僕はね」
「そうだったんですか」
「勿論緑もあるよ」
 こちらはエメラルドの都です。
「後このオレンジはね」
「そうそう、それはどうしてですか?」
「これもそうした種のカボチャなんだ」
「オズの五色以外の色もあるんですね」
「あるよ、確かにオズの国はそれぞれの国の色があるけれど」
 それでもだというのです。
「他の色があってもいいんだ」
「決まってはいないんですね」
「それぞれの国で好きな色はあるけれどね」
「それでもですか」
「うん、そうだよ」
 そうだというのです。
「オレンジがあってもいいんだ」
「あっ、そういえば」
 ここでなのでした、カルロスはドロシーを見ました。ドロシーは確かにエメラルドの都の王女様ですが。
 それでもです、その服はといいますと。
「ドロシーさんは白いドレスも他の色々な服も着られますね」
「今もよね」
「はい、そうですよね」
「勿論それぞれの色の服も持ってるわよ」
 オズの国のそれぞれの、というのです。
「けれどね」
「それでもですか」
「そう、どんな色の服を着てもいいのよ」
「ただ好きなだけですか」
「そうよ、それぞれの国でね」
 そうなっているというのです。
「ジャックの頭も同じよ」
「そういうことですか」
「そう、法律でこの色でないと駄目っていうのはないのよ」
「わかりました、そうなんですね」
「そうよ、かかしさんも今はウィンキーの国にいるけれどマンチキンの服でしょ」
 かかしとして作られたその時から変わっていないことです。
「そこは決まっていないから」
「オズの国の法律はそうなんですね」
「必要な法律以外はないわよ」
 つまりです、わずらわしい法律はないというのです。
「この国はね」
「それは有り難いですね」
「本当に」
 カルロスだけでなく他の四人も言います。そうした話をしてそのうえで、でした。
 一行はジャックの頭の色のこともわかりました、ウィンキーの国にあっても別に黄色でなくては行けないということもないことに。
 そうしたことを話しながらでした、皆でエメラルドの都にさらに進んでいきます。ですがいよいよエメラルドの都に入るというところで。
 気付けばでした、もう。
 ボタン=ブライトがいません、それでジョージが苦笑いになってそのうえで言いました。
「また、かな」
「うん。また、だね」  
 神宝も苦笑いで応えます。
「迷子になったんだね」
「いなくなったね」
「ははは、いつものことだからね」
 木樵も笑っています、何も心配していないお顔で。
「また会えるよ」
「エメラルドの都で会えます?」
「ちゃんと」
「これが不思議と会えるんだよ」
 ボタン=ブライトの常として、というのです。
「面白いことにね」
「そうですか、ボタン=ブライトだから」
「だからですか」
「心配しなくていいよ」
 全く、というのです。 
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