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艦隊これくしょん!平和な鎮守府の日常?

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提督、中将と話をする

「提督、オ茶ヲッ持ッテキタ」
「あっご苦労様ヲッちゃん」
「これがお前の報告書にあったヲ級、通称ヲッちゃんか」

ヲッちゃんと長門が部屋にやって来て、ヲッちゃんはお客さんに居る事に気づき直ぐにお茶を入れた。勿論お茶請けもバッチリ完備済み。ヲッちゃん、一度秘書艦になった時は一番仕事の効率が良い霧島に次ぐ優秀さを見せた。気配りなどを総合したら秘書艦の素質は同率1位かもしれない。

「ヲッ?ヲッ~」
「まさかこうして深海棲艦を抱き上げる事が出来るとはな」

まるでまだ幼い娘を抱き上げている父を髣髴とさせる光景だ、正樹中将はヲッちゃんを抱きあげている。ヲッちゃんも嫌がってはおらず寧ろ少し楽しんでるように見える。

「ふう、こんな相手と戦っていると思うと考え方が変わってしまうな。共存も出来そうな気してならないぞ」
「私もそう思いますよ、ヲッちゃんがこの鎮守府の仲間の一員になって2ヶ月。深海棲艦とも戦わずに済む出来るようになるんじゃないかって思い始めまして」
「俺達の立場ならそれを推進する事も出来るかもな、第一線で戦っている人間の意見は強い」

ええ、頷き茶を啜る大佐。非常に美味い、ヲッちゃんはこの鎮守府の仲間になる為に色んな事を一生懸命にやっている事は知っていた。解らない事を色々長門から聞き自分から秘書艦をやりたいと言い出たり、入渠管理を手伝ったり、戦いに出たり、サプライズでヲッちゃんが食堂に立ってその料理が好評だった事もあった。彼女は立派な自分達の仲間だ。正樹も大佐の真剣な顔を見てそれを理解して笑った。

「そうだ中将、貴方確か大将への昇進話が来てるって話じゃないですか」
「何だもう噂になってるのか」
「大将になられるんですか!?おめでとう御座います!」
「おめでとう御座います」

大和と長門はその場で中将に敬礼する、正樹はやめてくれと少し照れながら言う。ヲッちゃんは良く解らないのか首をかしげ、長門の服を引っ張る。

「ネェネェ、大将ニナルッテ凄イノ?」
「ああとっても凄いぞ。中将でも十分すぎるぐらいすごいのに大将っていうのはとても凄い」
「オッ~オメデトウゴザイマス」
「ははは、有難うな。だが俺はこの話を蹴ろうと思ってる」
「ですよね~」

正樹のまさかの発言にヲッちゃんを含めた艦娘全員が仰天の声を上げる。大佐はやっぱりかと笑っているが。

「ど、どうしてですか!?折角昇進できるというのに!?」
「もったいないです!受けるべきです!」
「凄イ事ナンデショ?」
「そうだな、だが自由にやるのにこれ以上の地位はいらんからな。私は中将で十分だ」

なんと特別な理由などは一切無く、今で十分自由にやれているからこれ以上の地位は要らないというのだ。

「あっはっはっはっは!!!中将は変わらないなぁ、昔からそうだ!言っても無駄だよ大和、長門さんにヲッちゃん、この人はね、剣さえあれば艦を生身で沈めちゃう化け物なんだから」
「「えっ………」」
「アッモシカシテレ級トカガ言ッテタ赤腕ノ提督ッテ中将ナノ?」
「んっ?まあな、だがもう剣を振ってないなぁ。もう艦娘達に任せっぱなしだ」

赤腕の正樹、昔は刀を片手に艦をぶった切っていた化け物軍人。だが今は刀自体を持たなくなったのでその腕前が発揮される事はなくなってしまった。

「あっそうだ、忘れる所だった。お前、もうあそこには来ないのか?」
「ウッ……もうその話はやめてくださいよ正樹先生。私にとってあれはもうトラウマなんですから」
「アノ話?」
「実はこいつ准将になる機会が何度も合ったんだがその度に、こいつのファンの奴と変態提督共に女装させられそうになって昇進したがらないんだ」
「「えっそんな理由で昇進しないの!?」」
「そんな理由っていうな!女装だぞ女装!!私は男だ!こんな容姿はしてるが男だ!!男としての尊厳は守り続けるんだ!」

まさか昇進したがらない理由が二人揃ってなんとも微妙なものだと何とも言いようが無い。

「でもなぁ、一時の恥で高い地位が手に入るなら安くないか?」
「安くないです!私のプライドとか色んなものが消え失せます!だから私は大佐のままで良いんです!」
「まあ私も人の事は言えんがな、准将ぐらいにはなっても良いと思うぞ?正直お前は大佐で納まりきれる器じゃないだろ。少将が最低ラインぐらいだろ?戦略シミュレーションで無敗を誇ってたろお前」

大和と長門はそれを聞いて大佐の方を見た、大佐は自分の昔のことをあまり話さない。特に提督養大学校時代の事は一切喋ろうとしない。彼女らにとっては今始めて自分達の提督の過去を知ったようなものなのだ。

「最高ランクの特SSS級の戦略シュミレーションの初代突破者がそんな地位で居て良いとは思われん。私が抑えてはいるが上層部もお前を遊ばせて良いと思っていない。最悪、お前は強制的に何処かに飛ばされるぞ」
「………それでも私は大佐のままがいいです」
「どんだけ女装したくないんだお前……」
「女装するぐらいだったら深海棲艦の群れに一人で泳いで突破する方が良いですよ!!」

あ~解った解った!っと五月蝿そうに話を切る中将と、子供のように頬を膨らませて顔を真っ赤にして怒る大佐。そんな光景に思わず笑みが出てしまう艦3人娘であった。 
 

 
後書き
中将と大佐は提督養成大学校の教官と生徒の関係 
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