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オズのモジャボロ

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第十幕その七

「私も衣替えとかはしないわ」
「オズの国ではですね」
「着替えることはあっても」
「衣替えはないわ」
 する必要がないからです、だからしないのです。
「私もね」
「とはいってもスキーとかを出来る場所はあるよ」
 モジャボロはそうした場所はあると言うのでした。
「ウィンタースポーツを楽しめる場所はね」
「あっ、そうした場所もあるんですね」
「スキーとかが出来る場所も」
「そう、あるよ」
 ちゃんとです、あるというのです。
「そうした場所もね」
「やっぱり山ですよね」
 ナターシャがその場所のことを尋ねます。
「そうですよね」
「そうだよ、山とその麓の凍っている湖だよ」
「そうした場所で」
「うん、冬のスポーツも楽しめるよ」
 ちゃんと、というのです。
「オズの国でもね」
「そうなんですね」
「ナターシャはひょっとしてスケートは」
「遊ぶことは遊びますけれど」
 それでもだとです、ナターシャはドロシーに答えました。
「それでも」
「選手ではないんだね」
「そこまではいかないです」 
 そうだというのです。
「私は」
「そうなんだね、けれどスケートは好きだね」
「はい、好きです」
「それなら楽しむといいよ」
 オズの国でスケートも、というのです。
「スキーとかもね」
「スキーですねえ」
 カルロスはスキーと聞いてでした、そして言うことはといいますと。
「僕はどうしてもね」
「カルロスはブラジル人だからね」
「これまでは」
「うん、雪も見たことがなかったよ」
 こうジョージと神宝に答えるのでした。
「だからスキーもね」
「日本だと楽しめるよね、スキーも」
「そうしたスポーツも」
「そうそう、だから嬉しいよ」
 日本に留学出来てというのです。
「しかもオズの国でも出来るなんてね」
「嬉しいんだね」
「この国でもスキーを楽しめることが」
「面白いよね、雪って」
 雪にもこう言うのでした。
「白くて冷たくて触ったら消えて」
「しかも積もる」
「そのことがだね」
「街を白く化粧してね」
「ブラジルではないから」
「余計になんだ」
「そうなんだ、ブラジルは暑い国だからね」
 雪は降らないのです、だからこそカルロスは雪を見てとても嬉しくなるのです。
「それでこの国でも見られるんだね」
「しかもスキーも出来る」
「面白いよね」
「全くだよ、今度来た時はね」
 その時はだと言ったカルロスでした。
「スキーも楽しみたいね」
「その時は山に案内するわ」
 ドロシーがカルロスににこりと笑ってお話しました。
「湖にもね」
「はい、楽しみにしています」
「オズの国は楽しいところばかりだから」
「そうした場所もあるんですね」
「そうよ。とても一回では全部回りきれないわよ」
 オズの国を楽しもうと思えばです、一度や二度来る位ではないのです。 
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