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東方変形葉

作者:月の部屋
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変化と不変の入り乱れ
  東方変形葉16話「ふーじんろく ―後編―」

 
前書き
―数日前―
藍「紫様、そろそろ例の計画を立てましょう。」
紫「そうね。あのちびっこ吸血鬼は喰らいついてくれるでしょう。まあ魔理沙はおまけで。霊夢は月に行くのに重要な役割があるから、必ず乗ることになるわね。これで囮は向かわせることができる。それで月のリーダーがそっちに行っている間に、、私たちは千年前の雪辱を晴らしに行くわよ。」
藍「はい。ぎゃふんといわしてあげましょう。」
紫(まあ、私たちも囮なわけだけど、敵を騙すにはまず味方を騙せ。藍には申し訳ないけど話さないでおきましょう。それよりも、幽々子を月へ向かわせて、裕海はどうさせるか。あの子の能力を使わない手はない。だが・・・!そうだ!!いいこと思いついちゃった!さすが私、ゆかりん!)
 

 
「でっかい湖ね。それより、この気持ち悪い柱の山が一番気になるんだけど・・・。まあいいわ。裕海、ここの神様を呼んでちょうだい。」
数えきれないほどの柱がある。え?なんだって?呼ぶ?
「何故俺が・・・?まあいいや。お~い、ここの神様、出てきてくれないか~?」
「我を呼ぶのは何処の人ぞ。あら、麓の巫女じゃないの。隣の少年は誰だか知らないけど。何か用かしら?」
雑に呼んだらちゃんと来てくれた。
「あなたが私の神社を乗っ取ろうとしている悪い神様ね。」
「はえ?いや、そういうつもりはないけど・・・。私はあなたの神社を助けたいだけよ。」
「余計なお世話よ。私だって参拝客がたくさん来るといいなとは思っているけど。」
「神社は巫女のためにあるわけではないわ。神社は神が宿る場所。そろそろ、本気で神社の意味を考え直しなさい!」

奇祭 「目処梃子乱舞」

「裕海、本殿のほうに誰かいるような気がするわ。見てきて。」
「終始雑な扱いだね。まあそういうことなら見てくるよ。」
「あっ待ちなさい!この先は・・・」
「あなたの敵は私よ!!」



本殿の中。いたって普通である。だがなにか気配がする。
「そこの人間!私と遊びなさい!」
「・・・・・・誰?」
「この神社の本当の祭神、洩矢諏訪子よ。さあ!いま麓の巫女が神奈子と遊んでるから、私たちも遊ぶのよ!」
「ふ~ん?まあいいや。じゃあ始めようか。」
「私の弾幕祭りの始まりよ!!」

開宴 「二拝二拍一拝」

光線にも似た、少し細くて短い弾幕が連続で出てきて腕のようになり、動きを制限される。そして制限された空間で飛んできた弾幕をかわさなければいけない。正直いって、このスペカは簡単だ。こちらの体力がなくなる前に決めてしまいたいところだ。だが焦りは禁物。様子を見ないことには何とも言えない。とりあえずスペカ宣言するのはもう少し後にしよう。
「あれ、当たらないな~。ならこれでどうだ!」

土着神 「手長足長さま」

さっきの腕がもうひとセット追加され、同心円状に弾幕を放ってくる。これは反則なんじゃないかと思ったが、よく見ればかわせるようになっている。しかし、そのかわし方はちょっぴり危険だ。なのでこちらもスペカを使わせてもらう。

異変「異次元空間の大量発生」

無数のスキマが開き、そこから高速の弾が出てくる。腕ではない方の弾幕を消し、あの・・・名前聞いてないや。あの帽子をかぶった少女の目掛けて撃つ。
「うわっ危ないわね。なかなかできるね。お祭りはここからよ!」

神具 「洩矢の鉄の輪」

同心円状の弾幕が一定の大きさで飛んでくる。これならいけると思ったが、なんと、驚いたことに避けて飛んで行った弾幕がまたこっちにやってきたのだ。そしてそれを避けるとまたやってくる。そんなのがいくつも飛んでくる。なんとシンプルで、厄介なスペカなんだろう。

神変「空間の歪み」

“空間の変化”であっちこっちの空間を歪ませる。俺が弾幕を撃つと、どこから飛んでくるかわからない。四方八方から飛んでくる。最終的には相手の背後あたりに弾幕の壁ができるようになっている。
「ふふふ、お祭りはこうでなくっちゃ。」

源符 「厭い川の翡翠」

川の端が俺を包んだ。と思ったら、その川の端が崩れてきた。即刻脱出するも、また包んできた。いくら空間を歪まそうともきりがない。相手の弾数が、ややこしい割に少ないので、歪まして攻撃というだけでは通じなかった。ならば、これで!

天変「局地的大彗星豪雨」

当たると超痛い極太光線を放つ。すぐに弾幕は消し飛ぶ。相手はかなり苦戦しているようだ。

蛙狩 「蛙は口ゆえ蛇に呑まるる」

光線を撃ち終えた、少しの間に渦を描きながら、蛇が体を巻くように弾幕が配置される。そして、まるで線香花火のようにはじける。撃ち終わったのを狙われたのは盲点だった。どんなに光線を放っても、撃ち終わった後に配置されてはきりがない。

神変「建御雷命のお怒り」

何本もの細い光線が弾幕を消しながら相手を取り囲み、動きを制限する。高密度弾幕を放って相手の動きを見る。
「華が開いてきたねえ。さあ!終盤よ!」

土着神 「七つの石と七つの木」

七本の細い光線が俺の細い光線を消していく。実は、俺の光線には致命的な弱点があって、光線ならば何でもいいということだ。なぜそうなったか。体力温存のためだ。地味に動きを制限されたところに大きめの弾幕が飛んでくる。少し厄介な交差弾だ。ならばこちらは。

「イリュージョンフルーツ~千変万化~」

弾幕を展開する。一部の弾幕が高速で細いホーミング弾となり、相手に飛んでいく。うまく避けないと誘われて、避けられなくなる。
「おや、派手に来るね。こっちも派手に行くわよ!」

土着神 「ケロちゃん風雨に負けず」

大きめの弾幕が傘のようになり、その傘の中をシャワーのように弾幕が無数にとんてくる。なかなか面倒なものだ。

天変「ミーティアマジック」

このスペカは、さっきのと言うほど変わらないが、少しレベルが上がっている。細い弾幕は威力が強く、弾幕であればどんどん消していってくれる。

土着神 「宝永四年の赤蛙」

相手の分身のようなものが、こっちに勢いよく向かってきた。紅い弾の綱を張りながら。そして、縄の端っこからまた線香花火のようにはじけていく。相手は無敵モードに入っていたので、耐久スペカとわかった。かなり面倒なスペカだから、消してしまおう。

天変「エクリッスィソラーレ」

エクリッスィソラーレとは、日食のこと。つまり、太陽が浸食されている状態だ。なので、月がリードしているので月を模した白い弾幕がメインだ。それの補足で、少なめだが太陽を模した赤い弾幕が飛んでいく。

「諏訪大戦 ~ 土着神話 vs 中央神話」

六本ぐらいの綱が伸びて、崩れていく。そして、かなり大きめの弾幕が飛んでくる。攻撃用スペカとは何か違う、まるで何かを訴えかけるような感じだ。とか思っていたら、その速さがどんどん早くなっていって、避けづらくなってきた。

天変「エクリッスィルナーレ」

エクリッスィルナーレとは、月食のこと。月食とは、地球が太陽と月の間に入り、地球の影が月にかかることである。つまり、夜でありながら太陽の光の面影を浮かばせるこの現象。さっきのとは逆で、太陽を模した赤い弾幕がメインで、月を模した弾幕がその補足。
「さあ!ラストだよ!」

祟符 「ミシャグジさま」

相手は交差弾を撃ちまくる。シンプルで、美しい。ならばこっちも美しさでは負けない!

「太陽と月の浸食が終わる時」

これは、浸食から解放された2つの天体、太陽と月の復活を意味している。さっきはどちらかが弱めだったが、今度はどちらもメインの時の弾幕の量を放っている。それが絶妙に美しく見えるわけだ。相手は力が尽きたのか、ふらついて倒れたため、スキマをあけて救助した。



「あはは、まさか一王国築いたこの私が人間に負けてしまうなんて。」
「え?王国?」
王国って何?
「あ、いや、こっちの話。いつか話してあげるけど、今は神奈子とあの巫女の勝負を見に行こうよ。」
「ああ、そうだな。あ、立てる?」
「むり~、おぶって。」
よっこいせっと。・・・スカートの丈、短すぎないか?さっきからちらちら見えてるんだけど。何がって?何かは言わないけど。うん、白い何か。
「そういえば名前を聞いていなかったな。」
「ああ、そういえばそうだったね。私は洩矢諏訪子、ここの本当の神だよ。」
「俺は葉川裕海。さ、いこっか。」
「うん。」



勝負はすでに終わっていた。で、後ろにしめ縄が付いている人と、緑色の巫女と、霊夢が神社の前でお茶を飲んでくつろいでいた。
「あら、おそかったじゃない。その様子だと、勝ったみたいね。」
「ああ、まあね。」
まあ、結構危なかったけど。
「あ、諏訪子様。どうしたんですか?」
「なんだい諏訪子、そんなだらしない格好は。人間におぶってもらって。」
「勝負に負けて、力が出ないのよ。あと、神奈子だって服装と髪が乱れてるよ。」
「さて、そろそろ帰るかな。紫が、終わったら即永遠亭って言ってたからね。」
スキマを開く。永遠亭につないでいるはずだ。
「仕方ないわね。」
「また来てくださいね。私も巫女として妖怪退治の勉強をしないといけませんから。」
「早苗はまだまだ未熟だからねえ。」
「まあ、その間は私らが守ってやらんとね。」
スキマを開き、永遠亭につなげる。
「じゃああんたたち、もう悪さするんじゃないわよ。」
「・・・悪さはしてないんだが・・・。」



「あら、意外と早かったわね。じゃ、私は霊夢の稽古をつけるから、あなたは裕海に修行をしてあげて。」
「ええ。」
そこには、紫と永琳がいた。
「じゃあ神社に行くわよ、霊夢」
「あら、ここでやるんじゃないの?」
「ここは単に待ち合わせ場所よ。裕海はここだけど。あと・・・」
「あと?」
「・・・いいえ、とにかく行きましょう。」
「?」



修行は3時間ぐらい続いた。おかげでなにかつかめそうな気がする。
「裕海さん、お茶が入ったわよ。」
鈴仙がお茶を持ってきてくれた。
「ああ、ありがとう。鈴仙は気が利くね。」
「え、えへへ。」
鈴仙は少し照れくさそうに微笑んだ。
「あらあら、鈴仙ったら張り切っちゃって。ふふふ。」
「なっ!?ちょっとてゐ!?」
「今日はこのぐらいにしましょう。せっかくだからここで夕飯を食べていきなさいね。それで・・・」
「?」
「みんなの分を作ってくれないかしら?」
・・・はい?
「・・・なぜ?」
「うどんげはこう見えてすごい疲れてるの。」
「俺もつかれてるよ?」
「そうね、だけど私の元気ハツラツドリンクがあるんだけど、うどんげにはあまり効果がないの。だからあなたに飲ませるの。」
オロ○ミンCみたいなやつ?
「・・・以上。」
「もう、わかったよ。そのかわり食材は勝手に使わせてもらうよ。」
「ええ。」
「あれ?もしかして無数にいる兎たちの分も?」
「ああ、それは大丈夫。人参貯蔵庫があるから、そこから取り出してるのよ。」
てゐが言った。
「ふ、ふ~ん・・・」



「ごちそうさま。じゃあそろそろ帰るね。じゃあまた明日。」
スキマを開いて裕海は帰って行った。
「ええ、明日ね。・・・うどんげ?」
私がおかしいと思ったことをうどんげに話してみる。この子ならわかってると思うから。
「なんでしょうか。」
「あなた、彼のおかしなとこにもう気づいてる?」
「ええ。あえて黙ってましたけど・・・」
やはり。そうさったか。
「ん?どうしたの?裕海が帰ったとたんに神妙な顔をして。」
「あの子、“穢れ”がないわ。」
「はい。彼の波もかなり特殊なものでした。」
「じゃあ、裕海は月人か、亡霊っていうこと?」
てゐが言った。その推測は悪くはない。しかし・・・。
「どちらでもない。月人ならばそのことを私たちを見た瞬間に何かしらの行動をとるでしょう。そして、彼はちゃんと生きている。」
「???てゐちゃんさっぱりわかんない。」
「私にもわからないわ。あの子の能力の影響か、それとも別にあるのか。」
「永琳、夕飯の時ぐらいおこしてよ~。」
輝夜が来た。
「あら、すっかり忘れてました。」
「ええっ!?」



ふう、疲れた。そういえば紫は心を操るほかに修行があるとか言ってたけど、なんだろう。
「ハロー、今日の修行の補足としてあることを教えなければならないわ。」
「空気を読んだかのように現れたな。で、そのあることとは?」
わくわくと、子供らしく聞いてみた。
「結界よ。」
「結界?それならもう俺も張れるぞ?」
実は中途半端だったとか?
「いい?結界とは意外とあらゆることに応用できるの。」
「ああ、そうだな。実際俺も能力を入れ込んだ結界を張ったことがある。」
「だけど、あなたの結界はまだ初歩的なものにすぎないわ。」
「なんと、そうだったのか。」
そうなのか。結界って結構種類あったりするのかな?まあ今はそれはいいや。
「上級の結界は、瞬時に能力を混ぜて、範囲、影響などを素早く設定できて、すぐに出せるものよ。ほいっと。」
紫が扇子を振り下ろすと、そこには紙切れと人形があった。すると、どういうわけか、紙だけがどんどん色が黄色くなっていく。古い本によくあるあれだ。
「“時間と劣化の境界”を混ぜ込んだ結界を紙切れの周りに張ったのよ。よ。その証拠に、そばにある人形は何も起きていない。」
「あ、本当だ。こんなすごいのをできるかなあ。」
「できるわ、あなたなら。じゃあそういうことだからね。練習は自己的にしてくれてかまわないわ。じゃあおやすみ。」
そういってスキマの中に潜る。
「ああ、おやすみ。」
それにしても、紫は何かを企んでいるような気がする。これは気のせいなんだろうか、それとも・・・


続く
 
 

 
後書き
はい16話です!紫はいったい何を企んでいるのでしょうか。ヒントは月です。これでわかる人にはわかるはずです。では! 
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