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妖精の義兄妹の絆

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光と闇

オオオオ…

ワース樹海の一角では巨大な爆煙が立ち込めている。
「リオン…。」
「そ、そんな…、リオン様が…。」
リオンはレーサーの命懸けの攻撃からグレイを守るため身をていしてレーサーに当たっていき、
爆発の中へと姿を消したのだ。
「あいつが死ぬはずねえっ!!!探すぞ!!!!来い!!!!」
グレイは氷の階段を作り爆煙のもとへとかけ降りる。
(「なぜ…リオン様が…。なぜ…。








誰のせい?」)














一方その頃、リオンとシェリーと別れたジュラは近くに潜む敵を感知する。
「そこにいるのはわかっている。出てこい!!」
そのとき、

ぐにゃん

「!!!」
突然ジュラの足元の地面が柔らかくなり自由を奪う。
「さすが聖十の魔導士。」
ジュラは自由を奪われながらも相手に反撃をする。

ギュア グゥン

しかし、

びちゃ

ジュラの魔法はホットアイの魔法の前で柔らかくなり無力化させられた。
「私は土を柔らかくする魔法、そしてあなたは土を硬くする魔法。さて?強いのはどっちデスカ?」
「無論、魔法の優劣にあらず。強い理念を持つ者が勝つ。」
「違いますネ。勝つのはいつの時代も金持ちデスネ。」
ジュラとホットアイの対決は開始された。













そして、こちらはワース樹海入口

ガサガサ

茂みから物音がする。ルーシィとヒビキはそれを聞き逃さなかった。

だばーっ

「「着いたー!!!!」」
茂みの奥からやって来たのはハッピーとシャルル、エマを抱えたナツとウェンディを抱えたタクヤだった。
「ナツ!!!!」
「どうなってんだ!?急に頭の中にここまでの地図が…。」
ナツはヒビキに質問する。
「それより早くウェンディちゃんを。」
「そうだ!!」
タクヤはウェンディを静かに寝かしウェンディを呼び掛ける。
「ウェンディ!!!おいウェンディ!!!」
そして、ウェンディは静かに目をさます。
「ひっ。」

ずざざさ…

「!!!」
ウェンディはなにかに怯えるように後ずさりする。
「ごめんなさい…私…。」
「!?」
ルーシィはウェンディの原動に違和感を感じた。
「ウェンディ、俺だ!!タクヤだ!!!わかるか!!」
「え…、お兄ちゃん…?」
「…よかった。どうやらどこも異常はないようだな。」
タクヤは心の底から安心した。そして、ナツがウェンディに頼み込む。
「エルザが毒ヘビにやられたんだ!!!助けてくれ!!!頼む!!!」
「毒?」
ウェンディは毒で倒れているエルザに目をやる。もう体の半分が毒に犯されている。
「六魔将軍と戦うにはエルザさんの力が必要なんだ。」
「お願い…、エルザを助けて!!!」
「ウェンディ…。」
「も、もちろんです!!!はいっ!!!やります!!!」
ウェンディは快くエルザの解毒を了承した。
「よかったぁ~。」
「ですねぇ~。」
ハッピーとエマはまだだれながら言った。
「いつまでのびてんのよ、だらしない!!」

ぱぁぁぁ

ウェンディはさっそくエルザの解毒に取り掛かる。
エルザの体に浮き上がっていた毒がみるみる消えていく。
(「ジェラールがエルザさんにひどい事したなんて…そんな事…。」)
ウェンディは心の中でそう自分に言い聞かせた。











ワース樹海最奥部

ザッ ザッ

ここにジェラールは足を運んだ。その後を追っていたコブラも岩影に隠れながら様子を見る。
(「それにしてもこいつ…心の声が聴こえねぇ。心の声さえ聴こえれば後をつける必要もねぇのに。」)
そのとき、ジェラールは足を止めた。
(「止まった。」)
ジェラールは静かに目の前の大樹を見上げる。その大樹にはいたるところを鎖で繋がれおり神々しく光っている。
(「なんだここは…!!?樹海にこんな場所が。」)
コブラはその大樹を前にして心を震わせた。
(「まさか、ブレインの言った通り、ここにニルヴァーナが…。」)
コブラは大きな期待を胸に秘め、ジェラールを監視する。

パォ

ジェラールが大樹に魔力を当てた。

ゴッ

突然大樹に繋がれていた鎖が次々に砕け、光に包まれた。
(「おぉっ!!!」)

ズァァァ

(「ついに見つけた!!!!オレたちの未来…。」)
コブラは自分の未来を確信したのだった。

















「終わりました。エルザさんの体から毒は消えました。」
「「で!?」」
そして、
「ん。」
エルザはもう心配はないようだ。
「おっしゃー!!!」
ナツとルーシィ、ハッピーは嬉しさを露にする。
「ルーシィ、ハイタッチだーっ!!!」
「よかった~。」
ナツとルーシィが元気よくハイタッチをする。
「シャルル~!!」
「一回だけよ!」
ハッピーとシャルルも続けてハイタッチする。
「よくやったな、ウェンディ。」
「…うん。」
「ウェンディ。」
ナツはウェンディに手を差しのべた。
「!」
そしてハイタッチをする。
「ありがとな。」
「……しばらくは目を覚まさないかもですけど、もう大丈夫ですよ。」
ウェンディはすこし顔をそらしナツに説明する。
「すごいね…、本当に顔色がよくなっている。これが天空魔法。」
ヒビキはエルザの顔にあとすこしで唇が近づくほどに接近して観察する。
「近すぎ。」
ルーシィは鋭くツッコム。
「いいこと?これ以上天空魔法をウェンディに使わせないでちょうだい。」
シャルルはここにいるみんなに釘を指しておく。
「見ての通りこの魔法はウェンディの魔力をたくさん使う。」
「私の事はいいの。それより私…。」
「ウェンディ?」
ウェンディは何か言いたげだったが口を濁す。
「後はエルザさんが目覚めたら反撃の時だね。」
「うん!!!打倒六魔将軍!!!!」
「おーーっ!!!!ニルヴァーナは渡さないぞぉ!!!!」
全員が気合いを入れ直した直後、

カッ

突然眩しい光がみんなを包んだ。
「何!?」
「黒い光の柱…。」
「まさか…。」
その黒い光の柱は周りから黒いつたのようなものを纏わせる。
「あれは…、」











(「ニルヴァーナ!!!!!」)
ワース樹海最奥部、コブラが歓喜に包まれそう思った。
(「手に入れた!!!!オレたちのものだ!!!!」)

オオオオオオ

散り散りになった者たちもニルヴァーナ起動の瞬間を目撃した。
「父上…。」
「ま、間違いない…。」
ブレインは声を震わせそう言った。
「おめでとうございます。ボクはギルドの魔導士どもを殲滅してきましょう、真夜中までに。父上はあの光へ。」
「ウム…。」
そう言い残しブレインとミッドナイトは洞窟を後にした。













「ニルヴァーナなのか…!?」
「まさか、六魔将軍に先を越された!?」
「あの光、











ジェラールがいる!!!!」
「ジェラール!?」
そして、ナツは全速力で黒い光の柱に向かった。
「お、おい!!」
「ナツ!!!!ジェラールってどういう事!!?」
ナツはルーシィの問いかけにも答えずただ走っていた。
「私の、私のせいだ…。」
「会わせる訳にはいかねぇんだ、エルザには!!!!あいつはオレが




潰す!!!!」









「あの光なんだろう。」
ワース樹海某所、イブはレンに黒い光の柱に指を指しそう言う。
「見ろよ。あの不気味な“黒い木”から何かが流れ出てる。あの光に吸いよせられているんだ。」
レンは近くにある黒い木を見てイブに言った。
「どういう事なんだろう。」
「まさか、あの光の場所にニルヴァーナがあるのか!!?」
「だとしたら誰かがもう見つけたってこと!!?」
レンとイブに少なからずの焦りが感じられる。
「連合軍か…、六魔将軍か…。ヒビキ!!どうなっている!?応答しろ!!!」

ピッ

「ヒビキ!!!」
いくら念話でヒビキを呼び掛けても応答しない。
「この魔力が念話を妨害してるんだ!!」
「くそ!!!」
レンに苛立ちがつのる。ここでイブが一つの提案を言う。
「僕は引き続きウェンディちゃんの救出に向かう!!」
「わかった!!オレはあの光に向かってみる。気をつけろよ。」
こうして二人は別行動をとることにしたのだった。










「くそっ!!何がどうなってんだ。」
ここは先程まで森が広がっていたが、レーサーの爆弾ラクリマのせいで見るも無惨な光景へと変貌していた。
(「リオン様は誰のせいで…。」)
「リオーン!!!返事しやがれー!!!リオーーン。」
(「こいつか…。」)










「あれは一体…。」
「ニルヴァーナ、デスネ。」
ここではジュラとホットアイの戦いが繰り広げられていた。
「安心してくださいネ。まだ本体は起動していない。あれは封印が解かれただけ。
しかし、お金のニオイがプンプンするデスネ…んふふ。」
ホットアイは不気味な笑みをこぼす。
(「こんな奴と戦ってる場合ではないか…。いや、しかし任務は六魔将軍討伐!!戦うか…ニルヴァーナを止めるか…。」)
ジュラは二つの優先事項を決め悩んでいた。
「金、金、これで私たちは金持ちに…、!」
突如ホットアイに異変が起きた。
「お、おお…お、お。おぉおぉおおお。」
「な、何だ今度は…!?」
うめき声をあげているホットアイを見てジュラは困惑するのだった。










そして、場所を戻しワース樹海入口
「ナツくんを追うんだ。」
「ナツ…ジェラールとか言ってなかった?」
ルーシィはナツの一言が頭に引っ掛かった。
「説明は後!!それより今はナツを…、」
「あーーーっ!!!!」
「わっ!!?どうしたんだよシャルル。」
突然の大声にタクヤはびっくりする。それはみんなも同様だった。
「エルザがいない!!!」
「はぁっ!!?」
いつの間にかエルザの姿はどこにもなかった。
「あ、ああ…。」
「なんなのよ、あの女!!ウェンディに一言の礼もなしに!!!」
シャルルはエルザに対して怒りを露にする。
「まぁまぁ、落ち着いてください。」
エマがシャルルの怒りを沈める。
「エルザ…もしかして、ジェラールって名前聞いて…。」
「どうしよう、私のせいだ…。
私がジェラールを治したせいで……ニルヴァーナ見つかっちゃってエルザさんや…ナツさんや…。」
「お前のせいじゃな、」

ドン!!

タクヤの目の前でウェンディがヒビキによって吹き飛ばされた。
「ちょっ…。」
「あんたいきなり何すんのよ!!!!」
「なんで!!!!」
そして、
「てめー!!!!」
タクヤはヒビキの胸ぐらをつかみ怒鳴り散らかす。
「返答次第じゃお前から沈めんぞ!!!!」
ヒビキは黙秘を続けている。









だっ

樹海の中を黒い光の柱めがけて走っているナツ。
「ジェラール…。」

ザン

「いたぞ!!妖精の尻尾だーっ!!!」
「よくもレーサーさんを!!!」
ナツの目の前に大勢の闇ギルドが待ち構えていた。
「レーサー直属ギルド尾白鷲“ハルピュイア”の力見せてやる!!!」
「オオオ!!!」
「やっちまえーっ!!!」
尾白鷲がナツに先制攻撃を仕掛けてきた。
「邪魔だ。」
ナツはポツリと呟くのと同時に拳に炎を纏う。

ズガガ

「どけェ!!!!」
ナツの一撃で尾白鷲は全員吹き飛ばされた。今のナツにとって尾白鷲は眼中にないようだ。
「あいつはエルザに近づかせねぇ、近づかせねぇぞー!!!!」
ナツはさらにスピードを上げて黒い光の柱に向かった。









たったった

こちらは先程まで入口にいた、
タクヤ、ウェンディ、エマ、シャルル、ルーシィ、ハッピー、ヒビキがナツを追って樹海の中に入った。
「驚かしてごめんね。でも、気絶させただけだから。」
ヒビキはそう言ってウェンディを担いでいるタクヤに謝罪した。
「なんでそんなことする必要があったんだよ!!?てか、なんで走ってんだ!!?」
「ナツくんとエルザさんを追うんだよ。僕たちも光に向かおう。」
「待て!!ちゃんと理由を言いやがれ!!!」
タクヤがヒビキを問い詰める。
「そうよ。納得できないわね。確かにウェンディはすぐぐずるけどそんな荒っぽいやり方。」
「ウェンディは女の子なんですよ。」
「そうだよ。」
タクヤに続いてシャルル、エマ、ハッピーもヒビキを問い詰める。
「…仕方なかったんだよ。本当の事を言うと…、僕はニルヴァーナという魔法を知っている。」
「!!!」
ルーシィがその事実に驚いた。いや、ヒビキ以外全員がそのことに驚く。
「ただその性質上誰にも言えなかった。この魔法は意識してしまうと危険だからなんだ。
たがら、一也さんもレンもイブも知らない、僕だけがマスターから聞かされている。」
「どういう事?」
ルーシィが質問する。
「これはとても恐ろしい魔法なんだ。






光と闇を入れ換える、それがニルヴァーナ。」
「光と、」
「闇を、」
「入れ換える!!?」
ハッピーとシャルル、ルーシィが揃って驚く。
「なんだよそれ?」
「そんな魔法が…。」
タクヤとエマも驚いた。
「しかし、それは最終段階。まず、封印が解かれると黒い光が上がる。まさにあの光だ。」
ヒビキは黒い光の柱を見て続ける。
「黒い光は手始めに光と闇の狭間にいる者を逆の属性にする。強烈な負の感情を持った光の者は、闇に落ちる。」
「それじゃ、ウェンディを気絶させたのは…、」
「それを防ぐためだったのか。」
シャルルとタクヤはヒビキの思惑を理解した。
「“自責の念”は負の感情だからね。あのままじゃ、ウェンディちゃんは闇に落ちていたかもしれない。」
「…。」
「ちょっと待って!!それじゃ、“怒り”は!?ナツもやばいの!!?」
「何とも言えない…、その怒りが誰かの為ならそれは負の感情とも言い切れないし。」
「どうしよう。…意味がわからない。」
ハッピーはヒビキの説明に頭が追い付いていなかった。
「あんたバカでしょ。」
「つまり、ニルヴァーナの封印が解かれた時、正義と悪とで心が動いてる者が性格が変わっちゃうと言うことですよ。」
エマがハッピーに分かりやすく説明した。
「それが僕がこの魔法の事を黙っていた理由、人間は物事の善悪を意識し始めると思いもよらない負の感情を生む。」
ヒビキがさらに続ける。
「あの人さえいなければ、つらい思いは誰のせい?何で自分ばかり…、
それら全てがニルヴァーナによりジャッジされるんだ。」
そして、ヒビキが説明を終えると再びタクヤの方を向いて言った。
「だから、君たちには許してくれとは言わない。
ただ、ウェンディちゃんを救いたかっただけなんだ。それだけはわかってくれ。」
「…許すよ。オレの方こそ何も聞かずに怒鳴って悪かった。」
タクヤもヒビキに謝罪した。
「…ありがとう。」










そして、グレイとシェリーは、

グググ

「ぎぃ、なに、を…。」
グレイは木の怪物により首を絞められていた。
「ぐああああ。」

ドサッ

グレイは気を失い倒れてしまった。
(「仇は討ちました、リオン様…。次は誰です?こいつの仲間?妖精の尻尾ですか?」)
この木の怪物を操っていたのはシェリーだった。シェリーはニルヴァーナにより闇へと落ちてしまったのだ。











一方、ジュラとホットアイのところでも変化が起きた。
「おおおおおっ!!!金!!!金…!!!!金…!!!!」
ホットアイは頭を抱え何かに苦しんでいるように見える。
「な、何だというのだ…。」
そして、
「金ェーーー!!!










…などいりませんデス。」
突如、ホットアイは苦しみが消えたのかなんとも爽やかな顔をしている。
目の前で何が起こっているのかジュラは口を開けたままフリーズしてしまった。
「私、生き別れた弟の為に必死デシタ…。お金があれば見つけ出せると思ってましたデス。
しかし、それはあやまちだと気がついてしまったデスネ。」
「え…?」
「さぁ、争うことはもうやめにするデスヨ。
世の中は愛に満ちています!!!おぉ!!愛!!!なんと甘美で慈悲に溢れる言葉でしょう。」
今度は愛について語り出した。
「この世に愛があるかぎり不可能は無いのデス!!!」
さらに涙を流して熱弁する。
「さぁ、共に私のかつての仲間の暴挙を止めましょう!!!彼らに愛の素晴らしさを教えるのデス!!!」
「えー、と…。」
ジュラは最早頭が回転しなくなっていた。













ドサッ

「ぐっ。」
こちらはウェンディを救出するためレンと別行動をとっていたイブとミッドナイトの戦いが始まっていた。
「狩りの始まりだ。」
ミッドナイトは地に這いつくばっているイブを見下してそう言った。
「な、何だコイツは…、魔法が当たらない…。」
イブは不可解な現象に頭を働かせても分からずその場から逃げることを最優先事項にした。
「へぇ、まだ生きてたんだー。」
「ひっ。うわぁああああっ。」
「ボクはやさしくないんだ。」
樹海にイブの悲鳴が響いた。











場所を戻し、ナツを追っているタクヤたち
「そのニルヴァーナが完全に起動したらあたしたちみんな悪人になっちゃうの?」
「でもさ、それって逆に言うと闇ギルドの奴等はいい人になっちゃうって事でしょ?」
「たしかにその通りですね。」
その質問にヒビキが答えた。
「そういう事も可能だと思う。ただ、ニルヴァーナの恐ろしさはそれを意図的にコントロールできる点なんだ。」
「そんな!!!」
「例えば、ギルドに対してニルヴァーナが使われた場合、仲間同士での躊躇なしの殺し合い…、
他ギルドとの理由なき戦争、そんな事が簡単に起こせる。一刻も早く止めなければ、








光のギルドは全滅するんだ。」







 
 

 
後書き
はい!ということで12話完了デスネ。
早く早くと思ってやってるつもりなんですが1週間を越えることもしばしばありますデスネ、はい。
これからも今まで以上に頑張りますので応援のほどよろしくお願いします! 
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