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オズのモジャボロ

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第四幕その八

「物凄い寒さなのよ、特に冬は」
「だから太らないと大変なの」
「太らないとかえってなのね」
「そうよ、ロシアではね」
「その国それぞれなんだね」 
 カルロスはすき焼きの麸を食べています、お醤油とお砂糖をたっぷりと吸ったそれをです。
「太らないと駄目だったりするんだね」
「そうよ。ただやっぱりロシアでも太り過ぎはね」
「駄目なんだ」
「身体によくないから」
 このことはアメリカと同じです、ロシアもまた。
「だからね」
「そうなんだね」
「お腹が膝まである位太ってたら」
 それこそだというのです。
「よくないわよ」
「太っている方が寒くなくても」
「そう、大変だから」
 だからだというのです。
「よくないわよ」
「何でも過ぎるとよくないよ」
 ここでモジャボロが皆にこうお話しました。
「身体にもね」
「太り過ぎもですね」
「よくないんですね」
「そうだよ、皆も気をつけてね」
 太り過ぎることだけでなくその他のこともだというのです。
「皆もね」
「はい、わかりました」
「食べてよく運動することですね」
「そうだよ、オズの国では食べても皆身体を動かすからね」
 だからだというのです。
「そこまで太らないよ」
「お腹が膝まである位には」
「太らないんですね」
「そうだよ、食べてよく動く」
 モジャボロはにこにことした笑顔で五人にお話します。
「このことが大事だよ」
「ですね、じゃあ」
「僕達は今は」
「そう、よく歩くんだよ」
 この旅においてだというのです。
「そうしようね」
「わかりました、それじゃあ」
「今も」
「うん、たっぷり食べたら歩こうね」
 こう言います、モジャボロはすき焼きを食べつつ言うのでした。
 そしてそのすき焼きを食べてです、こうも言いました。
「いやあ、それにしても何時食べても美味しいね」
「そうですよね、すき焼きは」
 日本人の恵梨香が笑顔でモジャボロの言葉に応えます。
「凄くいい食べものです」
「全くだよ、僕は糸蒟蒻も好きだよ」
「それもですか」
「お肉だけでなくてね」
 それもだというのです。
「好きだよ」
「そうなんですね」
「うん、卵と一緒に食べるのがいいね」
「蒟蒻はカロリーがないんですよ」
「つまり幾ら食べても太らないんだね」
「はい、全く」
「それはいいね、美味しくて幾ら食べても太らないことは」
 モジャボロは恵梨香のお話を聞いてさらに笑顔になりました。
「最高のことだよ」
「それと茸もです」
「カロリーが低かったね」
「はい、とても」
「そう思うと太り過ぎにならない様に美味しく食べることもね」
 それもだというのです。
「出来るんだね」
「そうよね。けれど私達もアメリカから出てかなり経つから」
 もうドロシー達がアメリカからオズの国に入って結構経ちます、それもかなりです。 
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