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オズのモジャボロ

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第四幕その五

「その人が音を立てても」
「それでもだよ。僕達もお客さんが来てくれると嬉しいよ」
「そうですか」
「そうだよ、ではね」
「はい、それではですね」
「君達はこれからどうするのかな」 
 カルロス達にこのことを尋ねるのでした。
「招待状を持って回っているそうだけれど」
「今度はパンの国かキッチンランドに行くつもりだよ」
 モジャボロが笑顔で長の人にお話しました。
「両方の国にも行くつもりだよ」
「ああ、そうなんだね」
「うん、けれどどっちの国もちょっと難しいからね」
「パンの国の人は食べたら駄目だよ」
 長の人は一行がパンの国に行くと聞いて五人にこのことを注意しました。
「絶対にね」
「はい、そのことはもうドロシーさん達に教えてもらいました」
「それだけは気をつけてくれって」
「あの国のものは食べてはいけないんですよね」
「人達も」
「気持ちはわかるけれどね」
 とても美味しそうなパンだからです、パンは食べるものです。それで食べるなと言われるとどうしても辛いものがあります。
 長の人もそのことはわかっています、けれどそれでもだというのでs。
「そのことはね」
「わかりました」
「絶対に食べません」
「うん、それじゃあね」
 こうお話してでした、そのうえで。
 一行はコンガラパズルの人達とお別れをして一度来た道を戻りました。そのうえで黄色い煉瓦の道を進んででした。
 パンの国の近くに来ました、そしてその前で。
 モジャボロは皆にです、こう言いました。
「ではね」
「はい、今からですね」
「食べるんですね」
「テーブル掛けがあるから」
 そこから食べものを出せるからというのです。
「たっぷり出してたっぷり食べよう」
「そうしてお腹一杯になって」
「それからですね」
「うん、中に入ろう」
 パンの国の中にというのです。
「そうしようね」
「わかりました、じゃあとにかくですね」
「何も入らない位お腹一杯にして」
「それからですね」
「パンの国に入るんですね」
「そうするんですよね」
「そうしようね、では食べよう」
 五人に言ってでした、早速。
 モジャボロはテーブル掛けを出して拡げてきました、五人はそこにです。
 めいめい好きな食べものを出そうとしました、ですがここで。
 ドロシーがです、こう言ってきました。
「ちょっと待って」
「ちょっと?」
「ちょっとっていいますと」
「ええ、それぞれが好きなものを頼むより」
 それよりもというのです。
「ここは皆が好きなものをお腹一杯食べない?」
「皆がですか」
「好きなものをですか」
「しかもお腹一杯食べられるものをね」
 こう皆に提案するのでした。
「例えばお鍋とかね」
「お鍋ですか」
「そうしたものをですか」
「そう、それでどうかしら」
「それはいいですけれど」
 ナターシャがドロシーに尋ねます。
「具体的にはどんなお鍋ですか?」
「そうね、シチューでもいいし」
 これもお鍋に入れて言うドロシーでした。 
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