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Re:SYMPHONIA

作者:紅雨
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大海原を越えて



          Re:SYMPHONIA


         #4 大海原を越えて




旧トリエット遺跡 入口

遺跡の外へ出ると、コーネリアが倒れる

アクセル「コーネリア! 大丈夫か!?」

コーネリア「へ・・・いき・・・」

スザク「ちっとも平気そうじゃないよ! 顔色が真っ青だもん! どうしよう。ボクが調
子に乗って羽を出し入れさせたから・・・」

アクセル「それは関係ないと思うけど」

リリーナ「バカな事を言ってないの!ほら、唇が紫色になってるわ。急いで町の医者に診せないと・・・」

リオン「待て、動かすな」

アクセル「なんでだよ」

リオン「先程の天使の話を思い出せ。天使への変化には試練が伴うのだ。医者に診せるよ
    り、ここで安静にしたほうがいい」

コーネリア「うん・・・だいじょぶ・・・ホントに少し休めば平気・・・迷惑かけてごめ
んね、みんな・・・」

アクセル「バーカ。いちいち謝るな 仕方ないだろ。急に天使って奴になっちまったんだから」

コーネリア「・・・まあいいや。 よし、日が暮れる前に野営の準備だ」

一行はキャンプをはり、明日を待つ。

リオン「お前のエクスフィアは不思議な色をしているな」

アクセル「確かに、あんたやみんなのとは ちょっと違うみたいだな」

アクセルのエクスフィアはミスリルのように虹色に輝いている。

アクセル「そういえば、あんたはどうしてエクスフィアを持っているんだ?」

リオン「ディザイアンから奪い取った。もともとエクスフィアは奴らが自分で使うために
    牧場の人間に作らせていると聞く」

アクセル「だからマーブルばーちゃんもエクスフィアを持ってたのか・・・」

リオン「・・・私からも聞いていいか?」

アクセル「あ、ああ。何だ?」

リオン「どういう経緯でドワーフに育てられたのだ?」

アクセル「森で母さんとノイシュと一緒に行き倒れてたところを親父に拾われたんだ
     もっとも、実際はディザイアンに襲われたってことみたいだけどさ」

リオン「・・・なるほどな。その話を聞く限りでは父親も生きてはいまいな」

アクセル「多分、な」

リオン「ディザイアンは両親の仇、か。 お前の人生はことごとく奴らによって歪められているのだな」

アクセル「え?」

リオン「両親を殺され、村を追われた」

アクセル「村のことは俺の責任だよ。結局あいつらを呼び込むきっかけを作ったんだから」

リオン「・・・目をそむくことはできない、か」

アクセル「亡くなった人のためにも 俺自身のためにも 逃げ出せない」

リオン「・・・そうか。ならばこの先どんなことがあっても その決心を忘れない事だ」

アクセル「・・・っていうか、なんで俺はあんたにこんな話をしてるんだ?」

アクセルは初めてリオンとじっくり話をした。アクセルにとって、リオンは何故か他人の気がしなかった。
アクセルは、コーネリアに誕生日プレゼントを渡す

アクセル「そうだ。これ、遅くなったけど誕生日のプレゼント・・・」

そう言って差し出した物は、先の戦闘が原因か、壊れていた。

コーネリア「・・・壊れちゃってるね」

アクセル「いつ壊れたんだろう・・・ごめんな、作り直すよ」

コーネリア「うん、ごめんね。何度も手間をかけさせちゃって」

アクセル「それよりお前、全然食ってねーな。まだ具合悪いか?」

コーネリア「ううん。もう平気。ただ何か食欲がわかなくて」

アクセル「食わねぇと、体もたねぇぞ?」

コーネリア「・・・うん。そだね。 けほっ、けほっ」

リリーナ「アクセル、無理をさせてはダメよ」

スザク「コーネリアはアクセルより全然繊細なんだから」

アクセル「ほっとけ! 悪かったな、コーネリア」

コーネリア「だいじょぶだよ~。ホントにごめんね」

リリーナ「コーネリアも、だいぶ落ち着いてきたみたいね」

アクセル「・・・ああ。天使になるのも大変なんだな」

リリーナ「そうね。生体組織まで変わってしまうのかしら」

アクセル「せーたいそしき?」

リリーナ「ああ・・・ようするに、違う生き物になるのかしらということね」

アクセル「コーネリアはコーネリアだろ」

リリーナ「・・・ええ、そうね。あなたはいつも真理を口にするわ」

アクセル「ま、まーな!」

スザク「本能だけで生きてるからね」

スザクはいつも一言多い。アクセルはそう思ったが口にはしなかった。

スザク「ねえ、このマーボーカレーどうだった?」

アクセル「うーん、一味足りなかったな」

スザク「うわっ、意外にグルメなんだ。そうなんだよね。材料が足らなくてさー」

スザクは料理が上手い。というか、家事全般が出来る。というのも、姉であるリリーナは家事全般がてんでダメだからだ。 特に料理は酷いものだという・・・
アクセル「意外は余計だ!」

スザク「じゃあ、思いがけず」

アクセル「同じだっつーの!」

スザク「キルマフルーツがあればパーフェクトだったんだけどさ」

アクセル「あれ?もしかしてこれ、お前が作ったの?」

スザク「あったりまえでしょ」

アクセル「先生かと思ってた」

リリーナ「あら、今度私の手料理を食べてくれるの?」

スザク「長生きしたかったら、やめたほうがいいよ」

リリーナ「何ですって・・・?」

スザク「(ホントなのに・・・)」

コーネリア「私、ちょっと散歩してくるね」

アクセル「俺も行こうか?」

コーネリア「ううん、だいじょぶ。一人で行けるよ」

コーネリアは、一人で海辺まで行った。

スザク「やーい、ふられてやんのー」

アクセル「うるせ!」

海岸

コーネリア「ウッ・・・けほっ・・・ 私・・・どうしちゃったの・・・?」

しかし、体の異変をコーネリアは誰にも知らせる事はなかった。
そして、朝になり、一行は次の封印を目指し旅立つ。

アクセル「先生、次の目的地は?」

リリーナ「パルマコスタを目指すべきね。この大陸では、これ以上の手がかりは得られな    
     いと思うわ」

スザク「世界最大の都だよ! マーテル教会の聖堂もあるし、学校もある。きっと何か手がかりが見つかるよ」

リオン「だが、パルマコスタを目指すならオサ山道を越えなければならない。
    それほど険しい山道ではないが、準備して行くにこしたことはないぞ」

        ―Extra 5   オサ山道―

オサ山道は緑豊かな山道で、小動物も多い場所だが、最近はモンスターも棲みつき始めた
という。岩肌は石英色で、ところどころでむき出しになっている。樹にはサクランボが多
く生っている。
アクセルたちがここに足を踏み入れ、山道越えを始めようとした時、誰かの声がした。

?「待て!」

そこに現れたのは黒髪で青い忍装束を身に纏う女忍者だった。

アクセル「・・・何だ?」

コーネリア「アクセルのお友だち?」

アクセル「さあ・・・」

?「・・・この中にマナの神子はいるか?」

コーネリア「あ、それ私です」
?「! 覚悟!!」

謎の女忍者はクナイを握ってコーネリアに斬りかかろうとした。・・・が、何故あるのか分
からない落とし穴に忍者はかかり、そのまま奈落の底へ落ちていった・・・。

全員「・・・あ」    リオン「・・・」

コーネリア「ど、どうしよう・・・」

リリーナ「気にすることはないわ。 ここで相手が落ちなければ、あなたが殺されていた
のかもしれないのだから」

コーネリア「だけど・・・」

アクセル「・・・まあ、ちょっと可哀想ではあったな・・・」

コーネリア「あの人、死んじゃったりしてないかなぁ?」

スザク「仮にあの人の体重が45kgとして、この穴が・・・10mだとすると重力加速度
    を9.8として計算しても死ぬような衝撃じゃないよ」

アクセル「??? じゅーりょくかそくどぉ?? よくわかんねぇけど、生きてるんだな?」

スザク「多分ね」

アクセル「しかしまー、運の悪い奴だなー。落とし穴の真上にいたなんてさ」

リリーナ「落とし穴ではなくてよ。山道管理用の隠し通路ね」

リオン「そろそろ行くぞ」

アクセル「おい、あの女の正体を突き止めなくていいのかよ」

リオン「どうせまた向こうから来るだろう。ここは狭いし足場もよくない。 場所を
    移した方が賢明だ」

アクセルたちは女忍者を無視して山道を越える。オサ山道は決して険しい道のりではないので簡単に越えることができる。
山道を越え、ようやく出口にさしかかったところで、再び先程の女忍者が現れた。

?「・・・ま、待て!」  すでに息切れをしている

アクセル「・・・すげー、追いついてきた(汗)」

コーネリア「あー、よかった」

?「う、動くな!」

リリーナ「・・・賢明な判断ね」

?「・・・さっきは油断したが、今度はそうはいかない・・・覚悟!!」

女忍者は札を取り出し、和風の魔物を召喚した。

?「式神・紅風! おいで!!」

式神は赤い獣のような姿で、背中には陰陽の9式が書かれた丸い金属盤が浮いている。
そして女忍者は起爆札を投げつける。どうやら彼女は魔符使いのようだ。

アクセル「まずは式神を片付けよう! 龍尾裂斬(りゅうびれつざん)!!」 上に斬り上げ、即座に下に斬り下す二段攻撃

スザク「ライトニング!」  微弱ながらも雷撃を式神にぶつける

?「紅風をやらしゃしないよ! 炸力(さくりき)符(ふ)!!」  起爆札を四方にまき散らす

リオン「隙だらけだ。 瞬迅(しゅんじん)剣(けん)」 忍者肩をを背後から貫く

コーネリア「ご、ごめんなさい! エンジェルフェザー!」 ピンクの粒子の羽から
                            尖った光線が飛ぶ

?「くあっ!」
女忍者が倒れると式神も消えた。どうやら式神は発動者の身体状況で消滅するらしい。

?「・・・くっ、覚えていろ! 次は必ずお前たちを殺す!」

そう言い残し忍者は煙幕でその場から消えた

アクセル「どうして俺たちが狙われるんだ」

リオン「・・・いつの世にも救いを拒否する者がいる」

スザク「ディザイアンの一員なのかも」

リオン「さあな。 いずれにせよ我々は常に狙われている・・・それだけのことだ」

リリーナ「・・・あの服」

アクセル「? どうしたんだ、先生」

リリーナ「・・・いえ 何でもなくてよ。行きましょう」

アクセル「そうだな。とりあえず、船を出してくれそうな所を探そうぜ」

一行はオサ山道を抜けて、どんどん南下する

アクセル「さっきの女、何だったんだろうな」

コーネリア「また会えるといいね」

アクセル「何言ってんだ! あいつはコーネリアのこと殺そうとしたんだぜ?」

コーネリア「お友達になったら訳を聞かないとね」

アクセル「そういう問題じゃないだろ? 大体、どうやって友達になるんだよ」

コーネリア「どうしよう」

アクセル「どうしようって・・・・俺に言われても・・・」

コーネリア「今度会う時までに考えておいてね」

アクセル「・・・俺が考えるのか・・・?」

コーネリアは本気で言っている。つまるところ、天然なのである。

     ―Town 3  小さな漁港 イズールド―

イズールドは娯楽施設もスポーツ施設もコンビニもない、正真正銘の田舎である。イズールドは漁業が盛んで、シルヴァラントの魚介類の65%のシェアを誇る漁業都市である。
若者はこの町から出て行き、老人が多いこの町では、街並みの景観も木造建築に自然いっぱいの落ち着く町。

アクセル「それにしてもコーネリアに羽が生えるなんてな~」

コーネリア「うん、私もびっくりだよ~」

スザク「ねぇねぇ、次の封印ではどうなるのかな?」

コーネリア「え?」

スザク「次は・・・頭の上の天使の輪かな?それとも体が光るとか?」

コーネリア「・・・」  悲しそうな表情でうつむく

スザク「さすがに角や牙が生えたりはしないよね。なんたって天使だもんね」

アクセル「おい、スザク・・・」

リリーナ「さあさあ、お子さまは早く寝なさい」

アクセル「コーネリア・・・」

コーネリア「やっぱり、変かな。羽なんて・・・」
アクセル「そんなことない!! たとえ天使になったってコーネリアは・・・コーネリアのままさ」

コーネリア「・・・ありがとう、アクセル」

リリーナ「さっきのあれは・・・」  リリーナが悩んでいる

リオン「どうしたのだ?」

リリーナ「いえ・・・さっきの刺客の着ている服、ちょっと独特ではなかった?」

先程の女忍者の着ていた忍装束のことのようだ

リオン「ふむ。あまり見かけないものだな」

アクセル「わかった!ドワーフの衣装じゃねーか? 俺の服も親父が作ってくれたんだ。
     なぁなぁ、ちょっと似てないか?」

スザク「どこが似てるんだよ!」

リオン「・・・ドワーフに育てられるとこうなるのか・・・」

一行は漁船に頼んで船を出してもらう

漁師「出航してもいいが・・・魔物が出ても責任はとらないからな」

アクセル「これでやっと次の封印に行けるんだな」

コーネリア「そだね~」

リリーナ「・・・やっぱり船旅なのね・・・」

リリーナは何故か顔色が悪かった。

スザク「海だ、海だ~!」

アクセル「こら、暴れるな!狭いんだから落ちたらどうするんだ!」

漁師「狭くて悪かったな!!」

アクセル「・・・すみません」

コーネリア「・・・お、落ちちゃうよ~」

アクセルにとって海は初めて見るものだった。果てしなき大海原にアクセルは感慨深いも
のを感じていた。
気持ちのいい潮風に当たっているうちにパルマコスタに到着する。

      ―Town 4  港町 パルマコスタ―

パルマコスタはシルヴァラント一の栄華都市で、産業・観光・教育機関・娯楽施設などが
盛んである。運河も整備されており、他の地方からの物資の流れ着く玄関である。都会に
憧れ移住してくる若者も多い、まさにシルヴァラントの顔なのだ。
一行は封印の情報を得るべく街を探索する。曲がり角でコーネリアは人とぶつかる。

スザク「・・・またやってる」

ガシャン!! ワインのボトルが割れた。

女性「いったーい!何するのよ!!」

コーネリア「あ、すみません」

女性「あー!さっきもらったパルマコスタワインが!」

連れの男「おいおいねーちゃん。こいつは大切なワインなんだぜ? それを割っちまうなんて、どう落とし前をつけてくれるんだ?」

コーネリア「じゃあ今すぐ代わりのワインを買ってきますね」

連れの男「・・・代わりのワインだと?お前、なめた口聞くとただじゃおかないぜ?
     そんなもので俺の怒りが収まるとでも思ってんのかぁ?」
連れの男は何かと突っかかってくる。

アクセル「バカは因縁のつけ方も品がねぇよなぁ」

連れの男「何だと小僧!俺たちを誰だと思ってやがる!」

アクセル「知らねぇよ」

連れの男「・・・この!」

帽子の人「待ちな。早いトコこの街から離れたいんだ。余計な騒ぎを起こすんじゃないよ」

女性「そうですわ。ワインだけ弁償してもらいましょうよ」

連れの男「ちっ、運のいい奴め。さっさと代わりのワインを買ってきな」

アクセル「買うことねーぞ、コーネリア!」

コーネリア「ううん。私がぶつかったんだから弁償しないと・・・」

アクセル「ちぇっ、わかったよ」

一行はワインを手に入れるために店に入る。するとなにやら店員とディザイアンが口論を
している。

ショコラ「ふざけないで! そんな安い値段で売れるもんですか!」

ディザイアン「こんなチンケな店の品物に金を恵んでもらえるだけでもありがたいと思わ
ないのか?」

ショコラ「薄汚いディザイアンが偉そうに! こっちはあんた達みたいなのに水一本だっ  
     て売りたくないのよ!」

カカオ「ショコラ、やめて!」

ショコラ「だってお母さん! こいつら、おばあちゃんを連れてった悪魔なんだよ!?」
ディザイアン「いい度胸だな、娘! そんな態度でいるとこの街やお前自身がどうなって  
       も知らないぞ」

ショコラ「やられるもんですか! ドア総督がいる限りあんたたちになんて屈しないんだから」

ディザイアン「こいつ!」  

ディザイアン2「よせ! 今年の間引き量を超えてしまう。これ以上はマグニスさまの許可が必要だ」

ディザイアン「・・・ちっ」

ディザイアン「マグニスさまの御意向次第では命の保証はできないぞ」

ディザイアンは威張り散らしながら店を出て行く。

ショコラ「じゃあお母さん。私、仕事に行ってくるね」

カカオ「気を付けてね。 お客さん、ごめんなさい。驚かれたでしょう」

コーネリアはこの店でパルマコスタワインを調達する

スザク「パルマコスタの人たちって勇敢だよね」

アクセル「ああ、頑張ってディザイアンに立ち向かおうとしてるからな」

スザク「ホント、イセリアの人たちにも見せてやりたいよ」

コーネリア「総督府のドアっていう人が上手く街をまとめているみたいだね」

リリーナ「まずは、そのドアって人に話を聞いてみましょう」

アクセル「・・・ワインを渡してからな」

一行は先程のチンピラにワインを渡す
アクセル「・・・ほらよ」

連れの男「おう、なかなかいい子じゃねーか。これに懲りて、二度と人さまに迷惑かける
んじゃねーぞ?」

コーネリア「はい、気を付けます」

帽子の人「ほら、行くよ」

女性「それにしても、ドア総督って大したことありませんのね~。ホイホイ家宝をくれるなんてチョロいですわ~」

連れの男「あとはアレ(・・)をガラクタを集めてるっていうハコネシア峠のジジイに売っぱらう」

女性「さっ、行くよ!」

アクセル「・・・なんか、ムカつくぜ。あいつら」

気を取り直してドア総督のいる建物へと向かう。すると道中の広場にドアがいた。

子ども「ドアさま! 父ちゃん・・・牧場に連れてかれたまま帰ってこないよ。俺、いい
子にしてたのに・・・」

ドア「もう少しだけ我慢してくれ。約束しただろう?私が必ず、牧場に連れて行かれたみんなを助けると」

子ども「だけど・・・俺、寂しいよ・・・」

キリア「大丈夫。お父さまはこの街のみんなの味方だもん。 私のお母さまは病気で死んじゃったけど、あなたのお父さまは まだ生きているはずだからきっと帰ってくるよ」

子ども「・・・ホント?」

ドア「ああ。みんなディザイアンを倒そうとして、牧場に連れて行かれてしまったんだ。私は必ず救い出すよ」
子ども「・・・うん。俺、父ちゃんが帰ってくるの待ってる」

ドア「いい子だ。 よし、行くよキリア」

アクセル「・・・今の人は」

老人「ドア総督じゃよ。 義勇兵を募ってディザイアンに対抗しておられる素晴らしい方じゃ」

青年「奥さまをご病気で亡くされてからも ああして男手だけで娘のキリアちゃんを育てていらしてね・・・」

老人「ドア総督がいる限り、わしらはディザイアンに屈しないのじゃ! たとえ牧場に
   連れて行かれても いつかはドアさまが助けに来てくださる」

青年「僕たちは信じているからね」

コーネリア「この街の人たちはみんなすごいね」

アクセル「きっとあのドアって人が立派な人なんだな」

大都会パルマコスタをまとめあげるカリスマを持った総督ドア。一体、どんな人物なのか
総督府に行って話を聞く。

ドア「ようこそ旅の方! 我々はマーテルさまの教えのもと旅人を歓迎します。 旅する者に、マーテルさまの慈悲がありますよう。
   ところで旅の方。あなた方はどちらから? やはりマーテルさまのために旅業を?」

アクセル「あ、俺たちはイセリアから来ました。世界再生の旅をしてるんです」

ドア「世界再生・・・?」

スザク「ここにいるコーネリアはマナの神子なんです。ほら、救いの塔も現れたでしょ?」

ドア「そなたが神子だと・・・?」

コーネリア「あ、一応そゆことになってるみたいです」

ニール「・・・ドア総督」

ドア「・・・うむ。神子さまはつい先程我らのもとにお越し下さったわ! この恥知らずめ!! 神子さまの名を語る不届き者! 即刻捕え、教会にひきわたせ!」

警備の者たちがどんどん屋敷に入ってくる。それに驚いたコーネリアは無意識にピンクの
羽を発現させる。

キリア「うわぁ! お父さま、ご覧になった!? あの方、羽が生えました!まるで天使
みたい。きれい~」

ニール「ま、待て! みんな、武器をおさめよ! この方は間違いなくマナの神子さまだ!」

警備兵が武器をおさめ、コーネリアは羽をしまう。

ニール「あなたさまの背中に見えたものは紛れもなく天使の翼! 我らが無礼をお許し下さい 神子さま」

ドアと、秘書のニールは深々と頭を下げる

コーネリア「あ、頭を上げてください! ええっと・・・別にいいんです。みんなにもよ
      く神子じゃないみたいって言われるし」

ドア「すると・・・再生の書を渡したあの神子は偽物だったというのか」

アクセル「・・・ちょっと待て。そういやさっきも神子が来たとかいってたな。再生の書
って何だ?一体どういうことなんだ?」

アクセルが問いただすとニールが答えた

ニール「再生の書は導師スピリチュアの旅の記録です。世界再生について具体的に記されている唯一の資料で、パルマコスタの総督が代々受け継いできた貴重な遺産なのです」

スザク「それだ! それさえあれば封印探しに困らないよ!」

リリーナ「でもその貴重な資料はどこの馬の骨とも分からない『神子』とやらに渡してし
まったというのね・・・呆れたこと」

アクセル「・・・あ、そうか! 変(・)な(・)因縁(・・)を(・)つけて(・・・)きた(・・)あいつら(・・・・)だ!」

ニール「神子さまがこちらに向かったという情報は聞いていたので てっきり彼らがそうだと・・・」

スザク「ばっかじゃないの!? 困ったなー」

ニール「申し訳ございません・・・」

スザク「信じらんないよ。あんたたち、何のためにその目がついてるの? それって飾り?
    これ(・・)だ(・)から(・・)人間(・・)は・・・」

スザクの頭にリリーナの鉄拳がきまる。     スザク「いてっ!」

リリーナ「スザク、いい加減になさい」

アクセル「その再生の書の内容は覚えてねぇのか?」

ドア「残念ながら・・・何しろ天使言語で書かれているので教会の人間でないと読めない
のだ」

コーネリア「あ!そだ! 教会に行ってみようよ もしかしたら祭司さまたちが何か知ってるかも」

リリーナ「そうね。とりあえず行ってみましょう。 みんな、よろしい?」

ニール「申し訳ございません、神子さま」

ドア「・・・」

何かを考えているドアを横目に、一行は教会に向かう
アクセル「それにしてもコーネリアの偽物なんて、とんでもねーな!」

リリーナ「そうね、とんでもないバチあたりだわ」

コーネリア「エヘ、偽物なんて、なんだか有名人みたいだね」

アクセル「お前なー、お前は今、世界中が注目する有名人なんだぞ!」

コーネリア「あ、そうだったね。 なんだか実感ないけど」

アクセル「おいおい、大丈夫かよ?」

コーネリアの天然をフォローしつつ、封印の手がかりがあるかもしれない教会へと向かう。
ディザイアン、謎の女忍者、そしてニセ神子・・・
様々な厄介事を背負いつつ、コーネリアたちは世界再生の旅を続ける。

彼らに、マーテルさまのご加護があらんことを―。

                           To Be Continued
 
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