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オズのモジャボロ

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第三幕その二

「トトも注意してね」
「わかってるよ、ドロシー」
 トトはドロシーの方を見上げて尻尾を振りながら応えました。そうして一行はチョッキンペットの村に入りました。すると。
 赤い軍服の小さな、それこそ皆の足首よりも少し高い位の軍服の人達が出てきました。軍服もズボンも赤で銃を右肩に持っています。
 その身体は横一列に何十人もつながっています、その人達が皆を観てこう言ってきました。
「ようこそドロシー王女」
「モジャボロさんお久しぶりです」
「トトさんもお元気そうですね」
「今日はようこそおいで下さいました」
「皆元気だったかしら」
 ドロシーは膝を屈めてです、そのうえでその小さな紙の兵隊さん達に対して笑顔で応えたのでした。もうすっかり馴染みといった感じです。
「貴方達も」
「はい、いつも通りです」
「楽しく暮らしています」
「ミス=チョッキンペットと共に」
「そうしています」
「そうなのね、ならいいわ」 
 笑顔で応えたドロシーでした、そのドロシーにです。
 兵隊さん達は恵梨香達を見たうえでこう言ったのです。
「この子達はどういった子達でしょうか」
「はじめて見る子達ですが」
「ドロシーさんより少し年下ですね」
「ベッツイさんと同じか一歳位下ですね」
「この子達は私達の新しいお友達よ」
 ドロシーは笑顔で五人を手で指し示しながら兵隊さん達に紹介しました。
「オズの世界以外の世界から来たね」
「ではドロシーさん達と同じですか」
「そうなんですね」
「別の国、世界から来られた」
「そうした人達ですか」
「そうなの、とてもいい子達だからね」
 だからだというのです。
「心配しないでね」
「わかりました、では」
「これから宜しくお願いします」
「ようこそチョッキンペットの村に」
「歓迎いたします」 
 兵隊さん達は五人にあらためて言ってきました、そうして。
 一行をミス=チョッキンペットのところに案内していきます。その中で村の人達が皆を歓迎して出てきました。
「ようこそ」
「はじめまして」
「これからですね」
「仲良くして下さいね」
「ええと、歓迎してくれるのは有り難いけれど」
「そうよね」
 五人共たどたどしい足取りです、その足取りで村の中を進んでいます。その中でナターシャは恵梨香に応えるのでした。
「ちょっとでも早く動いたら」
「それで風が出来てね」
「この村の人達をこかせてしまうから」
「注意しないと」
「うん、注意してね」
 二人の女の子にです、トトも言ってきました。
「そのことは」
「そうよね、トトもね」
「ドロシーさんに言われた通り」
「そうだよ、注意してね」
 モジャボロも言ってきます、見ればモジャボロもそろそろと歩いています。
 そのうえで村の中を進んでいます、その中でカルロスは慎重なお顔でこうしたことを言いました。 
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