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落ちこぼれの皮をかぶった諜報員

作者:木偶の坊
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 第2話 勇人「ちょっとだけ本気出す」

 
前書き
石川 雄一 (いしかわ ゆういち)

性別   男

学年・組 1年A組

学科   強襲科 Dランク

勇人と同じく一般中学から武偵高に入学した。勇人とは中学の頃からの付き合い。小学の時に柔道・空手を習っており、近接格闘はライカ程ではないが強い方である。射撃の腕前は良い。使用する銃はコルト・パイソン  

 
昼休み――

「結局寝れなかったな……。まあ、眠気も覚めてきたし別にいいかな」
さて、5限目からは各学科で訓練をするか、クエストをこなすかのどっちかだが……

「うーん。今日はクエストにでも行こうかな」
「おーい勇人、ちょいと俺と模擬戦してくれないか?」
雄一が模擬戦の誘いをしてきた。
「雄一、僕は戦闘が苦手なことは知っているだろう? 弱い者いじめはよくないと思うよ」
「人聞きの悪い事言うなよ! 周りから誤解されるだろう! ライカに勝つために、少しでも経験を積まないといけないんだ! そしたらお前も強くなって一石二鳥だろう?」
「ゲームみたいに経験積むだけで強くなれるなら誰も苦労しないと思うんだけど……」
「まあまあ細かい事は気にしないで! さあ行こうか。いざぁ……」

近接格闘訓練所に強制連行され、雄一と近接格闘の訓練をした。
結果は言わずとも分かるだろう。
互いに構えた直後、雄一が地を蹴り一気に間合いを詰めてきて僕は右手首を掴まれ、一気に引き寄せられた。そして、そこに柔道の大外刈のように足を掛けられダウンを取られてしまった。しかも、その際に背中を強打してしまった。


「痛ぇ……。 手加減ぐらいしてくれてもいいじゃないか……それにしても痛いな……今日はもう帰ってゆっくりしよう。 見たいテレビ番組もあるし」



寮に向かって帰っている途中……

「今日は人がとても少ないな……どうしたんだろう?」
そう疑問に思っていたら――
「や、やめてください! 離して!!」
「うるさい!! いいから早く乗れ!!」
黒髪の中学生ぐらいの女の子が黒スーツをきた男2人に無理やり車に乗せられていた。
そして、車はもうスピードで走っていった。

「……………………」

「ええええええええええ!? 公衆の面前で堂々と誘拐したああああああ!?」
と、とりあえず通報し――。
(いや待て。あれはどこからどう見ても身代金目当ての誘拐だ。下手に通報したら面倒なことになりかねない……ここは警察や武偵が動く前に早急に人質の救出、そして男たちの拘束、その後に警察に知らせよう)

「やれやれ、背中が痛くて本調子じゃないのに……」

(まずは奴らがどこへ向かったかだな……。まあこういう時は街から少し離れた倉庫とかが1番ピンと来るかな。車が走って行った方向から考えたらレインボーブリッジだろう。あそこの近くにある倉庫なら人を隠すには十分すぎる程、大きい倉庫があったはずだ。確実にそこだな。僕の勘がそう告げている)
「となると……まずはいかに早く、辿り着くかが重要だな。せめて自転車でもあればいいんだけど……まあ、そう都合よくあるわけないか……よし、こうなったら……」
「Heyタクシ‐!!」



ふう、ここだな……。
タクシーの運転手さんが「何も言うな。分かっている」といい猛スピードでここまで飛ばしてくれた。おまけに「金は要らん。早く行ってやれ」とお代をチャラにしてくれた。
つーか誘拐されるところを見てたんなら助けろよ……。そう思い、倉庫に入った。


中に入ると3人の男が女の子を囲っている。
(なんだよ、3人もいるのかよ……面倒くさいな……)
「い、嫌!! お家に帰してください!!」
「うるせー! 黙ってろ! 殺すぞ!! このくそが!!」
「!?……(お姉ちゃん……助けて……)」
「これでうまくいけば当分、金には困らないな!」
「ああ! これでしばらくは遊んで暮らせるぞ!」
やれやれ、もう楽しい未来を想像しているのか……。んじゃ、そろそろ行きますかね……。


「はーい、おじさんたち、くだらないことを妄想してないでおとなしくお縄につきましょうね~」
「な!? テメぇ何者だ! 糞ガキ!」
「な~に、ただのおちこぼれの武偵さ」
「(武偵高の制服……)」
「ちっ! おい! こいつを殺してとっととずらかるぞ!! もたもたしてたら警察が来る!」
「僕を殺すって? 怖い事を言いますね……。確かに、僕は落ちこぼれだけど…………生命を賭けた戦いなら話は別だ!!」
そう言い、勇人はナイフを構える。

「ヒーローごっこも程々にしろや! この糞ガキが!!」
そう言いながら男は刃物を出して向かってくる。
「遅え」
男が刃物で突いてきたが、勇人は軽く体を左へ反らし回避する。そして、左手で男の顎に掌底を打ち込む。
「がっ!?」
男はそのまま倒れた。確実に顎が外れているだろう。

「なっ!? テメぇ、よくもやりやがったな!」
「へっ、お約束の反応ありがとよ!」
2人目の男がナイフを構え、向かってくる。
(こいつら単細胞だな……銃使えよ……まあ、使ってくれない方が楽できるけどね!!)

勇人は常時携帯している投げナイフを男の足に向かって投擲する。
「があああっ!?」
投げたナイフは男の膝蓋腱へ見事に入った。たまらず、男は転倒する。そして勇人は跳躍し、男の腹部に全体重をかけてキックを入れ、男は声を出す暇もなく意識を手放す。

「さて、次はあんたがこうなる番だよ」
「やるな……。だが、まだ甘い……」
「!?」
「!?」
「こいつがどうなってもいいのか!!」
男は銃を取り出し、女の子の頭に銃口を当てる。
(うわ~出ましたよ。よくあるパターン。しかも銃持ってるし……)

「ハハハッ!! どうだ! いいか、そのまま動くなよ……。安心しろ、お前が黙って殺されればこの子にはなんにも手出しはしない」
「わ、私の事はいいから逃げてください!!」
「余計なことをほざくな!!」

(勇敢な子だな。さぞ、家族や友達の事を大事にしているんだろう……それなら、尚更助けないとな……)

「分かった。おとなしく撃たれますよ。」
ナイフをしまい、両手を上げる。
「ほう……。いい度胸だな。なら、お望み通りぶち殺してやるよ!」
「だ、だめです!! 私の事はいいから早く……お願い……」

(チャンスは一瞬、一か八か、銃弾を避けた直後に奴の手にナイフを投げて、怯んだところを一気に攻めて銃と人質を奪う!)
勇人は一か八かの賭けに出る……。

「あばよ! 落ちこぼれの能無し武偵!」
「やめてー!!!」
男が引き金を引くと同時に――否、それよりも一瞬早く――
(今だ!!)
勇人は動いた。
「な!?」
「え!?」
「くらいな!! くそ野郎!」
男の銃を持った手に目掛けて投げナイフを投擲した。
「ぐっ!! しまった!!」
男は銃を落とした。そして――
「計画通り!!」
勇人は地面を思いっきり蹴り、一気に男に接近して男の顔面に渾身のパンチを放ち、男を殴り倒した。

「大丈夫かい?」
「は、はい……」
勇人は銃を拾い女の子を抱き上げ、すぐにバックステップをして男から距離を取った。
「糞ガキが!! なめたことしやがって!」
男は立ち上がりながらナイフを懐から出し、勇人に向かっていった。
「ちい!! 僕は家に帰ってテレビを見るんだよ! 邪魔すんな!!」
勇人もナイフを構え直し、男と対峙する。

(あの構えは突き攻撃……いや! フェイントか!)
勇人の予想通り、男は突くフェイントをし、勇人の首に狙いを定めてナイフを右から左へ走らせる。
対する勇人は、上体を反らし回避する。すると男は勇人の動きを予想していたのか、今度は左から右へ、ナイフを振るう。
勇人もただではやられまいと、手に持っているナイフで男のナイフを受け止める。
しかし、そこへ男はすかさず蹴りを入れる。
(!? やばい!! この蹴りくらったらただじゃ済まない!!)
「うおっ! 危なっ!」
勇人はバックステップを取りギリギリで回避した。


「ほう……。やるな……ただのガキじゃないと思ったが、その戦い方、相手を殺すためのものだな。それにさっきから顔に出ている、殺し合いに慣れた顔だ。やっぱり“裏”の出身か?」

(この野郎……さっきの蹴りを放つときに纏っている雰囲気が急に変わった……“裏”を知っているってことは、こいつも“裏”の……厄介だな……)
とっとと決着をつけないとな。テレビが始まっちまう。


「お別れの時間だ! 糞ガキ」
男はそう言い、踏込みと色々なステップを駆使して、勇人に攻撃を仕掛ける。
勇人も巧みに体を反らしたり、ナイフで男の攻撃を防ぎながら僅かな隙を探す。


(くそっ! 埒が明かないな。覚悟を決めて攻めるかしかないか……)
勇人はナイフを逆手に持ち替え、男がナイフで攻撃してきた瞬間、体を反らし、男がナイフを持っている方の手首を掴み、自分の方へ男を引き寄せ、男の腕にナイフを突き立てた。
「ぬう!?」
思いも寄らぬカウンターに男は顔を歪ませ、一瞬の隙を見せた。
そして、勇人はその一瞬の隙を突いて、ナイフを右から左に振るい、男の顔を切りつけた。
「ぐあっ!!」
男は大きく怯み、すかさず勇人はしゃがみ込み、男の膝にナイフを突き刺した。
「があああッ!!」
さすがの男も耐え切れず、膝をつく。そして――
「game over」
勇人はそう口にして回し蹴りを男の顔に放ち、男はそのまま気を失った。




勇人は気絶した男たちを都合よく置いてあった縄で縛って、目覚めても逃げられないようにした。
「大丈夫かい?」
「はい、ありがとうございます! おかげで助かりました!」
「大した怪我もなさそうで安心したよ」
そう言うと、勇人は携帯を取り出し何処かへ電話を掛けた。
「もしもし、警察ですか? 先ほど誘拐があったと通報があったと思いますが誘拐犯を発見し、拘束しました。人質も怪我はありません。場所はレインボーブリッジ近くの1番大きい倉庫です。では、お願いします」
「ふう、これで一件落着……ああ、しまった!!」
「どうかしたんですか!?」
「テレビが始まってしまう!! 早く帰らないと!!」
「え? テレビ?」
そして勇人は、大急ぎで走って行った。


「あ……名前、聞けなかった……」
パトカーがすぐ傍まできて、警官が降りてきた。
「君が誘拐されていた、間宮ののかさんだね?」
「はい」
「ののか!!」
「お、お姉ちゃん!? どうしてここに!?」
「お巡りさんから聞いたの。ののかが誘拐されたって。酷い事されなかった?」
「うん! 大丈夫だよ。武偵高の人が助けてくれたから」
「え? そうなの?」
「うん! とっても強い人だったよ! 銃弾を避けたり、銃を使わないで誘拐犯をすぐにやっつけたんだよ!」
「そうなの!? すごい人が来てくれたんだね!!」
「……(でも、誘拐犯が言ってた“裏”ってなんなんだろう?)」
「ののか? どうしたの?」
「あ、なんでもないよ! ちょっと考え事!」



男子寮
「はあ……疲れた……。あ~背中が痛てえ~。しかも運の悪いことに“裏”の奴にも会っちまったし。ま、そんなことより湿布張ってテレビ見て寝ようっと」
 
 

 
後書き
戦闘描写が難しいですね……。どうやって分かりやすく表現するか、など、いい案が全く思いつきません。戦闘描写がとても上手な方々をよく見かけますけどやっぱり頭の出来なんでしょうか? 
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