| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

幸せの箱探し

作者:紅雨
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

3章 【真実】

 「ここは…どこだ……」

 気が付くと僕は、見たこともない街の中にいた。

 「確か電車の中で『幸せの箱』を開けて……そうだ。その後、吸い込まれたんだ。

 ということは、ここは『幸せの箱』の中なのか?」

 「その通り。」

 いつの間にか目の前に、あの女がいた。

 「おい、ここはどこなんだ!あの箱を開けたら世界一の幸せ者になるんじゃなかったのか!!!」

 「フフッ、フハハハハハ!」

 女の霊は狂ったように笑い始め、そして続けて言った。

 「まさか、本当に信じていたのか?そんな箱があるなんて!」

 「……あの話が嘘だったのは分かった。もう一つ、ここはどこだ。」

 「ここは箱の中に私が作った小さな世界だ。」

 僕は女の霊と喋りながら、頭の中で整理していた。すると女の霊は言った。

 「のんびりしていていいのかなぁ?」

 「どういうことだ。」

 「この箱にはお前の魂だけを封じ込めた。つまり今、お前の肉体は私が操っている。

 勿論、急がないとお前は何もかも失うことになる。部下、友人、そして妻。全てだ!」

 「ふざけるな!早くここから出せ!」

 「出たいなら私とゲームしよう。もし私に勝ったら出してもいい。」

 「何をするんだ?」

 「なぁに、ただのかくれんぼさ。」

 「……まさかこの街を使って、お前が隠れるのか?」

 「鋭いな。そうだ。ルールは簡単。お前は、この街のどこかにいる私を見つけて、

 このナイフで私を刺せ。そうすればお前の勝ちだ。」

 そう言って女の霊は、僕にナイフを手渡した。するといつの間にか女の霊は消え、

 どこからか、声が聞こえてきた。

 〈10秒後にスタートだ。〉

 僕は早くあいつを見つけて元の世界に戻らなければならない。そして女の霊がカウントダウンをとる。

 〈10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…0…ゲームスタートだ!〉

 僕は走り出した。元の世界に戻るために……。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧