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美しき異形達

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第七話 三人目その十二

「そうなっているんだ」
「しかもとびきり難しい謎ばかりだな」
「そうなっていますね」
「うん、ただね」
「解けない謎はない」
「このことも確かですね」
「この世に絶対に解けない謎は有り得ないよ」
 智和は微笑んで二人にこの事実を強調して述べた。
「絶対にね」
「この世にあるもので絶対はないからですね」
 裕香が智和にこう言った。
「だからですね」
「そう、この世に絶対のことはないんだ」
「絶対に負けないチームもなくてですね」
「絶対に解けない謎もないよ」
「それが絶対ですね」
「そう、絶対がないということが絶対なんだよ」
 だからだ、今彼等が直面している多くの謎もだというのだ。
「解けるよ」
「そうですよね」
「怪人のことは調べて。それに」
 それに加えてとだ、智和は三人に話していく。
「天枢さんと巨門さんのこともね」
「身体検査をしてか」
「調べるてですね」
「うん、そうしてみよう」
「そうか、じゃあな」
「今度お願いします」
 薊と菖蒲は智和の言葉を受けてすぐに応えた。
「それであたし達自身のことがわかるんならな」
「有り難いです」
「うん、ではね」
 こう話してだった、そのうえで。
 四人は今は話を終えた、薊達も解散した。
 この日は薊達はそれぞれの部活を楽しんで一日を終えた、だが。
 その翌朝だ、薊が登校しようと寮を出たところでだった。制服のポケットの携帯が鳴ってそうしてだった。出ると。 
 菖蒲だった、菖蒲はこう薊に言ってきた。
「いいかしら」
「出たのかよ」
「ええ、そうよ」
 怪人が、というのだ。
「丁度今姿を確認したわ」
「今回は襲い掛かってきたのじゃないのかよ」
「ええ、見かけたわ」
 今回はそれだというのだ。
「だからすぐにね」
「場所は何処だよ」
「学園の外よ」
 そこだというのだ。
「正門の右手の物陰よ」
「ふうん、あそこか」
「あそこっていうと場所はわかるのね」
「もう学園の外も中も何度も見学してるからな」
 だからだとだ、薊は電話の向こうの菖蒲に答えた。
「わかってるさ」
「そう。では話が早いわね」
「すぐにそっちに向かうな」
「バイクで、かしら」
「ああ、バイクで行って怪人を倒してな」
 そのうえでだというのだ。
「部活に出るよ」
「私もこれから部活に行くつもりよ」
 そして朝練に参加するつもりなのだ、二人共部活を楽しんでいるのだ。 
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