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原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!

作者:zinn
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閑話2 特訓と強化

 
前書き
これで閑話は終了です。本日、ついでに最後の投稿となります。 

 
 あの後、マグロさんのマネージメントのおかげで入学を認めさせられるだけの点数をとり、箱庭学園の正式な生徒となった。この学園で飛び級入学は珍しい話ではないので周りも普通に接してくれるのはありがたい。
 学園が終わるとすぐにマグロさんのところに行き、彼のマネージメントを受けるのが日常になる予定だ。今日はその初日。

「準備はいいかい?」
「よろしくお願いします!」
「先ずは君に聞いて欲しいことがある」
「聞いて欲しいこと?」
「そうだよ。この世には三種類の人間がいる。一般人であるノーマル。天才と呼ばれるスペシャル。常識はずれなアブノーマルの三種だ」
「アブノーマルですか?」
「異常な反射神経や高すぎる才能を持つ人たちのことだよ。ちなみ僕も他人を分析し、鍛えることについてはアブノーマルな才能があるらしい」

 なるほど納得だ。マグロさんも入学時に会いに来た、黒神めだかも明らかにノーマルもスペシャルも持っていない得体のしれない何かを感じとれた。アブノーマルという名はぴったりだ。

「君のいうオリ主逹はスペシャルの中位の実力だと僕は考えている」
「そうなると俺はノーマルの中位ってところですかね?」
「その通り、スペシャルは普通にやっても君が絶対に届かない領域だね…でも普通にやらなければ十分追い越せる領域だ」

簡単に言うなこの人は。

「先ずは僕の化け物マネージメントについていける体から作っていくよ。僕としては君にアブノーマルクラスの戦闘力を身につけてもらうつもりでやるから覚悟してね」

 その日から3ヶ月間、俺はあらゆる武術の修得やトレーニングを行なった。内容はかなりきつい。しかし、鍛えられているのに体の成長を阻害しない特殊なメニューが組まれているところが、マグロさんがアブノーマルであるということを感じさせた。

 3ヶ月が過ぎたころ。ある女の人がマグロさんの元にやってきた。彼女はマグロさんの妹で名を名瀬 夭歌。本名を黒神くじらという。彼女は肉体改造のアブノーマルを持つらしい。鍛えられている俺を見て黒神くじらはマグロさんにある提案を持ちかけた。
 内容は「こいつを俺とお兄ちゃんの合作にしないか?」というものだった。マグロさんにどうするか聞かれた俺はある1つの条件を出した。その条件はある程度の改造はいいが、完全改造は俺がアブノーマルの下位になってからにしてくれというものだった。改造した体でアブノーマルになっても力を使いこなせずそこで成長を止めるだけだと考えたからだ 。
 黒神くじらはそれを「おもしれぇ。そのくらいじゃないと改造のしがいがねぇ」といって了承した。それから1ヶ月、俺はスペシャルにランクアップした。ノーマルでは絶対に真似できない力を身につけたのだ。
 それからすこししてくじらさんが彼女の親友である古賀 いさみ(こが いさみ)を連れてきた。彼女はくじらさんに改造された人造アブノーマルらしい。試しに模擬戦をしたが圧倒的パワーを前にしてあっさり敗北した。アブノーマルはやはり化け物だと実感し、それでこそ目指す価値があると思わせてくれた。
 あれから古賀さんとは定期的に模擬戦を行い。実践経験を積ませてもらっている。途中から模擬戦にめだかさんが混ざってくれるようなり、更に経験を積めるようになった。

 くじらさんはマグロさん監修の元、俺の体の筋力以外の部分を少しずつ改造していった。
マグロさんと出会ってから1年、俺の戦闘力は遂にアブノーマルの領域に至った。それと同時にマグロさんとくじらさんに俺が改造の課程で開眼させたアブノーマルがあることを説明された。
 俺のアブノーマルは《異常な肉体の適応力》だった。通常人間は体を改造や異物の混入など、体の内部が通常と違う状態になると不安定になったり、拒絶反応を示したりして最悪死にいたる。しかし、俺はそれらが体に起きても異常な速度でそれに適応してしまうのだ。体の成長途中に様々な変化を急速に与えたことで備わったアブノーマルだとマグロさんは分析した。今さらだが俺は本当の化け物になったようだ。後悔はまったくないのでいいんだけど。
 アブノーマルになったのでくじらさんによる完全改造をが行われた。《異常な肉体の適応力》のおかげで初期の予定より多くの改造が行われた。

「さてとじゃあ、お前の力を調べるためにいろいろ準備してみた。片っ端から試すぞ」
「了解です!」
「お兄ちゃんは分析に集中してくれ」
「わかったよくじらちゃん」
「頑張れ~夕く~ん」

マグロさん、くじらさん、古賀さんの監修のもと完全改造された体を試す日がきた。アブノーマルが本気で暴れて壊れない強度で作られた実験室に様々な機具が置いてある。

「先ずは力のチェックだ。その鉄板を殴ってみてくれ」
「わかりました」

 分厚い鉄板が4枚置いてあった。鉄板の厚さはアブノーマルになった段階で砕いた鉄板の約三倍ある。とにかく思いっきりやってみよう。俺は特別なことをせずに後ろに引いた右腕を思いっきり前に突き出した。

「…ふっ!」

 どこん!という、ばかでかい音と共に直接殴った鉄板が砕け、その少し後ろにあった他の鉄板もまとめて衝撃で吹き飛ばした。

「………」

 俺は言葉を失った。おいおい強くなり過ぎだろ。
それからいろんなもので体の測定を行なった。

「戦闘力は、なかなかだな。お兄ちゃんはどう?」
「うん。パワーやスピードがこれなら戦闘力は十分だね。ただ、現段階では制御がまるでできてないね。学んだ武術も活かせてないようだし」

 あたり前だが行きなり人は筋力が二倍三倍になってそれをいきなり制御できるか?答えは否だ。俺は物を握れば握り潰すし 、感覚のズレで武術を上手く動きに組み込めていないのだ。こればかりは時間をかけてならすしかないようだ。
 あれから数日、力の制御は難航しており、日常生活もままならないレベルだった。そこである技術を利用することにした。その技術とはノッキング技術である。ノッキングは神経を針などで刺激し麻痺させる技術である。この技術は使い方により肉体を強化したり、肉体に枷をかけたりできるのだ。次元世界を旅行していたときに少し教わった技術である。この技術をめだかさんのアブノーマル《ジ・エンド》で学習し、完成させてもらい、俺に使ってもらうのだ。めだかさんに頼むと快く了承してもらえ、完成した使い方も教えてもらえた。おかげで日常生活も普通に送れるようになった。助かった…あのまま人に日常生活の大半を助けてもらうのは心苦しすぎる。
 あれから俺は力の制御と戦闘スタイルの確立を目指した。力の制御ができるまではめだかさんが一番多く相手をしてくれた。これを考えると俺はマグロさんに鍛えられ、くじらさん改造され、めだかさんに制御訓練をしてもらった黒神三兄弟の合作の作品と言えるかもしれない。

 そして俺がこの世界に来てから1年半が過ぎたころ

「夕君。僕から君に化け物マネージメントの終了を言い渡すよ」
「俺からも今の俺にできる肉体改造の完成を認める」
「私も力の完全制御の修得を認めよう」
 
 俺は三人に完成を言い渡された。


「ありがとうございます皆さん!」
 俺は自由に生きられるだけの力を遂に手にしたのだ。

「それで君はこれからどうするつもりだい?」
「…自分の世界に帰ろうと思います。両親にもずっと会っていませんし」
「そうか寂しくなるね…でもそれが一番だね」
「この世界にはもうこれないのか?」
「そうですね。このロストロギアはランダムで転移するものですから。もう一度、ここにくるにはジャンボ宝くじで一等を連続でとるくらいの強運が必要ですね」
「…そうか貴様はなかなか見処があったのだがな」
「そういっていただけると嬉しいです。ありがとうございますめだかさん」
「それで何時ごろこの帰るつもりなんだ」
「お世話になった人に挨拶したいんで一週間後にしようと思っています」
「了解。送別会で盛大に送り出してやるから、覚悟しな」
「お手柔らかにお願いしますよくじらさん」

 そして瞬く間に俺がこの世界を発つ日がやってきた。見送りはマグロさん、くじらさん、めだかさんがしてくれた。

「君は成長期だからこれからも身長は伸びるだろう。これは体のバランスを整えるトレーニングが書いてあるから、体が成長してバランスが崩れてきたら使うといい。とても楽しかったよ。もしこの世界にもう一度これたら是非よってくれ」
「はい。これたら必ず寄らせてもらいますマグロさん。貴方に会えて本当に良かったです。肉体的にも精神的にも本当の意味で強くなれました。本当にお世話になりました」
「夕、お前と過ごしてなかなか楽しかったぜ。お前を改造したおかげで俺の技術はさらに向上した。これで古賀ちゃんをもっと高みの存在にできる」
「俺こそいろいろと面倒見てくださってありがとうございました。俺も楽しかったですくじらさん。改造の件もお役に立てたなら光栄です。古賀さんにもよろしく伝えてください」
「私から貴様に言えることは己の信じた道を突き進め!それだけだ。これは皆から渡すように頼まれたものだ。家に帰ったら見るといい」
「はい!めだかさん。皆さんとの修練を無駄にしないように頑張ります。皆さんにも本当に感謝してますとお伝えください!」
「皆さん本当にありがとうございました。このご恩は一生忘れません。さようなら!転移!」

 俺はこの世界を後にした。 
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