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牙狼~はぐれ騎士~

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第三話 戦友

第三話 戦友


闘真の拠点の山小屋

「ふん!!ふんふん!!せいいいいいいや!!!」

裏庭の巻き藁に向かって拳と回し蹴りを浴びせる闘真。

正式な魔戒騎士ではない闘真だが訓練は欠かさない。

今目の前にいるのは巻き藁ではなくホラー。

それをイメージして戦っている。

両手の魔戒棍の左右のコンビネーションで一部の隙も与えないように打ち込んでいく。数を当てる戦法の方が性に合っているらしくとにかく早く打ち込んでいく。

「すぅ・・・」

一呼吸置き小屋の中の水瓶から水を飲むと手拭いで汗を拭った。

「おおやってるね~」

「・・・若葉」

桶で水を被っている闘真の元に食料を届けに来た闘真。

「・・・お前も余程暇なんだな・・・」

「うるさい。世話してやってるのに水で生きていくつもりか?ほれ」

そう言って山の幸を持ってきた若葉。

手頃だった若葉の家の畑で採れたトマトに齧りつく闘真。

「あ!そうそう!闘真!私にまたあんた宛の指令書が来たよ?」

「は?何でお前の所に?」

「私が執事扱いになってるのかな?」

それを聞いた闘真はぶっきら棒に指令書を受け取ると魔導火で魔戒文字を浮かばせた。

「何だって?」

「・・・・・またホラーか・・・ここ最近多いな」

「まぁまぁ・・・行って来い!」

黒いコートを羽織った闘真が夜のオフィス街に向かうのだった。










夜オフィス街

「うふふふふ・・・・・」

夜の町で男女が戯れている。

男と女が口づけをかわそうとしたその時。

「ギアヤアアアアアアアアアアア!!!」

男の顔が変貌し異形の魔物になった。

「きゃあああああああああああああ!!!!」

女が悲鳴を上げようとしたその時。

「!!」

ホラーに向かって魔戒棍を投げつける闘真。

闘真の魔戒棍を受けたホラーは女性から吹っ飛ばされ、その隙に女性は逃げていった。

「あいつは誰だ?」

『奴はホラー・ブレド』

「ブレド?」

『・・・若い女を食らうホラーだ』

「・・・最低だな」

魔戒棍を構えると闘真はブレドに向かって飛び掛かった。

闘真の拳を受け止めたブレドはカウンターで殴り飛ばした。

「く!!」

闘真が着地するとブレドは追撃を浴びせる。

「ぐああ!!」

ブレドの爪の一撃を浴びる闘真が倒れるとブレドは跳躍し夜の闇に消えていった。

「くそ・・・・・逃がした」

ブレドを逃がした事に拳を打ち付ける闘真。








山小屋に戻った闘真は若葉に治療を受けていた。

薬草を調合して練った薬を闘真に塗り付け包帯を巻く若葉。

「馬鹿ドジ!何で逃がしちゃうのよ!?」

「・・・面目ない」

「たくこんな傷こさえて・・・あんたが逃がしたホラーがもっと人を食らうんだよ!?騎士を志すならそれを自覚しなさいよ!!」

「わかったよ」

治療が済んだ闘真はコートを纏った。

「ちょっと!?」

「落とし前をつけてくるよ!!」

何かの決意をした闘真は山小屋を後にした。

「たくしょうがないな・・・」

闘真の背中を見送った若葉は自分の山小屋に戻り物置から何かを取り出した。











夜のオフィス街

「・・・・・・」

周囲を警戒しながら闘真がブレドを探していた。

『若葉に言い負かされたからって闇雲に探すなよ』

「うるせえ・・・お前もとっとと探せ」

『へいへい』

やけくそになった闘真の指示で周囲を探し始めるイルバ。

すると

『闘真・・・厄介な奴が背後に居るぞ?』

「!!」

闘真が振り返りざまに拳を放つと何者かがそれを受け止めた。

「危ないな~」

「・・・若葉」

闘真の拳を受け止める若葉は何やら長い袋を持っていた。

「何しに来た?」

「あんた一人じゃ頼りないでしょ?あたしが着いてきてあげる」

「恩着せがましいな・・・」

無理矢理着いてくる若葉に呆れながらも闘真はブレドを探し始めた。

『良いのか闘真?あんな嬢ちゃん連れてきて』

「相手は女食いのホラーだ・・・あいつが餌になってくれるよ」

『お前若葉を普通の人間としてみてねえだろ・・・』

「あいつの家魔戒騎士に仕えてるんだぞ?普通の人間のはずあるか」

「もうごちゃごちゃ言わないの!!」

闘真のイルバの痴話喧嘩に呆れたのか若葉が仲裁した。

「もう!折角餌になってあげてるんだから喧嘩しないの!」

「・・・ばれてる」

『・・・食えない女』

闘真のイルバの思惑をすぐに見抜いた若葉。

口紡ぐしかない闘真。

すると周囲の空気が変わった。

『お出でなすったぜ』

「!!」

イルバの警告に闘真が魔戒棍を構えた。

すると

「うわ!!」

空中から現れたブレドが若葉をさらって飛んで行ってしまった。

「しまった!」

闘真が後を追いかけようとするが・・・

「え!この!この!!このおおおお!!!」

ブレドを殴りつけ危機を脱した若葉は空中から落下するがビルの隙間をクッションにし着地した。

「!!」

長袋から三節棍を取り出す若葉。

そしてブレドも若葉の前に舞い降りる。

『ホォ・・・ソウルメタルヲアヤツルオンナカ・・・』

「甘く見ないでよね・・・これでも格闘術は魔戒騎士張りなんだから・・・」

『フフフフ・・・マスマスウマゾウダア!!』

飛び掛かるブレドを若葉は待ち構えソウルメタル製の三節棍で打ち付けた。

思いのほか強力な一撃にブレドは次々と拳を入れてくるが若葉は三節棍を駆使し丁寧に受け止めていく。

若葉が回し蹴りを入れようとするが跳躍して回避するブレド。

続けさまに若葉の溝に次々と拳を入れるブレドに踏みとどまった若葉は三節棍で叩き付けようとするがブレドに腕を掴まれてしまう。

「く!!」

若葉が短剣を取り出しブレドに向かって刺すが効かない。

『ギシャアアアアアアアア!!』

「く!!」

若葉が食われようとしたその時だった。

「!!」

駆けつけた闘真がブレドに飛び掛かり蹴り飛ばした。

「げほ・・げほ!遅いよ!!助けるならもっと早く助けてよ!」

「あんまり早く来ると・・・ありがたみがねえだろ?」

へたり込んだ若葉を起こす闘真はブレドに向かって構えた。

「でああああああああああああ!!」

闘真の蹴りを浴びるブレドは叩き付けられた。

魔戒棍を構えた闘真はブレドに向かって飛び掛かり次々と重い一撃を打ち込んでいく。

「グシャアアアアアア!!」

咆哮を挙げたブレドは稲妻のような光線を放つと魔戒棍で受け止める闘真。

「く!く!!」

光線の力に押される闘真の足元が徐々に削れ始めた。

「うわああ!!」

光線に吹っ飛ばされ地面に叩き付けられた闘真にブレドが追撃しようとする。

すると

「闘真!!ふん!!!」

ソウルメタル製の三節棍をブレドに向かって投げつける若葉。

「!?ブウ!!」

ブレドは回避し切れず三節棍が突き刺さりうめき声をあげた。

「ナイス!」

「ブイ!」

闘真のサムズアップにブイサインで答える若葉。

闘真は撓るように起き上がり体制を立て直すと天に向かって円を描き鎧を召喚した。

「!!」

旋風騎士・風狼

鎧を装着した闘真は一気にたたみ掛けた。

「はあああああ!!」

「!!」

突き刺さった若葉の三節棍を握り締めそのままブレドを投げ飛ばした。

「!!」

壁に叩き付けられる呻き声を上げるブレド。

そのまま闘真は狼風剣を構えると左右のコンビネーションで打ち付け続けた。

手も足も出ないブレドは起き上がり逃走を図ろうとするが見逃すほど闘真も甘くない。

「!?」

「でああ!!」

飛び上がろうとしたブレドを蹴り落とし逃げ道を塞いだ闘真は狼風剣の柄を繋げた。

光の刃が形成されていき闘真が飛び掛かった。

「・・・風月乱舞・・・!!」

最初の一撃を入れブレドが怯んだ隙に間髪入れずに二撃三撃と次々に決め滅多斬りにする闘真。

「!!」

決めの一撃を入れ闘真が振り返った瞬間断末魔の叫びを上げながら息絶えるブレド。





山小屋

「・・・・・・」

風が吹く中できゅうりを食べている闘真。

すると

「おおい闘真~」

何事もなかったかのように闘真の元を訪れる若葉。

「はぁ~・・・ホラーが出ない世の中ってないのかな・・・」

『そんな夢物語みたいな事ないよ』

「・・・だな」

そう呟きながら闘真は戦友と何気ない日常を分かち合うのだった。

 
 

 
後書き

イルバ
「騎士の中にもいろいろな奴がいる・・・もうホラーを斬る事しか生きる道を無くした奴だ

次回 人斬り

闘真・・・こいつ強いぞ・・・」




 
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