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東方魔法録~Witches fell in love with him.

作者:枝瀬 景
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10 成長~He gradually realize her mind.

 
前書き
さて皆様、再び妄想を膨らます時がやって参りました。

スレンダーなパチュリーが好きな方は申し訳ありません。 

 
事件は俺が犯人の男を倒すことで幕を閉じた。
先生は奇跡的に一命をとりとめた。
犯人を倒した俺は英雄視され学園の人気者になった。父さん達も俺が魔法を使ったことをとても驚いていた。
壊れた教室はその日に直された。流石魔法。
パチュリーは次の日、病院に行ってもらい、無事に喘息と診断されて薬をもらった。何故無事にかというと、喘息は誤診が多いのだ。良かったよちゃんと薬が貰えて。…でも喘息が完治するとは限らない。パチュリーはこれからも苦しむだろう。俺が守らないとな。

あれから数年。俺達は中学生になった。そして今は夏休みの真っ只中。

「あ゛づい゛ー」

俺は猛暑にやられていた。まだ朝なのにめちゃめちゃ暑い。
うつ伏せに寝そべり、扇風機の風を求めてうねうねと芋虫みたいに這いつくばる。クーラーはまだ発明されていないのか存在しない。

「だらしない…と言いたいけど流石に暑すぎるわね…」

パチュリーはじんわり滲んだ汗を腕でぬぐう。
パチュリーの服装は薄紫のサマードレスを着ている。ノースリーブで時々脇が見える…ってなに考えているんだ…暑さで思考が…

「氷柱でも出してみたら?」

俺は魔法を使い、特大の氷柱をつくる。そして何も考えずに飛び付いた。うひょー冷たー…

「あ…くっついて離れない…」
「何やってんのよ…」

そんな事をだらだらしているとピンポーンとチャイムが鳴った。鳴らした人物はこちらが返事をする前にドアを開き勝手に進入する。

「レイ、レウ。勝手に入って来るなよー」
「その格好で言ってもなー」「全く説得力ないよ」

レイとレウは同い年で同期だ。幼稚園の時は俺は本を読でいて相手にしなかったが、小学生に上がってあの事件をきっかけに仲良くなった。
二人は双子でいつも一緒にいる。顔も身長も声も考えることも瓜二つで全く区別が全くつかない。俺も含め学園の皆はこいつらの区別をつけるのは諦めている。

「「そんな事より」」「暑いだろ?」「暇だろ?」「「夏と言えば?」」「「海だ!」」
「お前らテンション高いわー」

こんなクソ暑い時によくもまぁ、ハイテンションでいられるものだ。こいつら脳ミソ溶けてるんじゃないか?

「で、海がどうかしたの?」
「愚問だね」「誘いに来たんだよ」
「今からか?」
「Yes!」「それに一泊するぞ!」

うーん…今から泊まり掛けで海か…。急な話だが俺は全然構わない。この灼熱地獄から抜け出せるなら。

「俺はいいけど…パチュリーは?」
「問題無い…私も行く」
「決まりだね」「二人は準備しててね」「俺達はエリー誘ってくるから」「また来るねー!」

そう言うと二人はドタバタと家を出ていった。まるで台風のような奴らだ。

「…さて、私は準備をするから一旦家にかえるわね」
「うん、俺もこの氷を溶かしたら準備を始めるよ」

さっきからずっと氷柱にくっついたまま離れられない。無理に剥がそうとすると皮膚が痛い…

………………………………………
…………………………………
……………………………

「海行かば~」「水浮く屍~」「山行か~「やめんか!」」「「いて!」」

海に着いたとたん、レイとレウは何ともコメントし辛い歌を斉唱し始めた。ごめんなさい!不届きものは罰しましたので許してください!

「「これって海に行った時に歌う歌じゃないの?」」
「違ぇよ!!」

全く、どこでその歌を覚えたんだよ…。










弾ける水着!色とりどりな海!突き抜ける爽快な砂浜!壮大な矯声!
違う。弾ける矯声。色とりどりな水着。突き抜ける爽快な海。壮大な砂浜。少し違うだけでも大変な事になる。
俺達は荷物を宿に預け、部屋に上がる時間も惜しんで早速海を満喫することにした。

「砂浜が熱いわ…」

俺の視線はパチュリーの水着姿に釘付けになった。
まるで陶磁器のように白い素肌。
抱きしめると心地よさそうな肉質感溢れるムチムチなわがままボディ。
動く度にこぼれ落ちそうなたわわに実った果実。
それを防ぐように二つを包むのはアダルティな黒のビキニ。
秘部を隠す黒いボトムはその肉質ゆえ腰の肉に食い込んでいる。

「パチュリー…とっても綺麗…」
「え…あ、うう…ありがとぅ…」

パチュリーはモジモジしてとっても恥ずかしがった。そこがまた…

「わ、私の存在をわ、忘れないで~」

泣きそうな声を出したのはエリー。
エリーは何故かスクール水着を着ていた。それも旧式。

「ごめんごめん。で、どうしたのその水着?」
「うぅ…き、急な話だったからこ、これしかなかったの…」
「そっか。でも可愛いよエリー」

俺はエリーの頭を撫でてやる。

「は、はぅ~」

そこにビーチパラソルと机と椅子を借りてきたレイとレウが戻ってきた。

「「よっと」」「これで荷物は終わり」「俺達は早速青春してくるから」
「ああ、荷物ありがとな。荷物番はしてるから行ってら~」

二人は、よっしゃ~!ナンパするぞー!と叫びながら砂浜へ駆けていった。

「ん?エリー、その瓶は?」

エリーは何やら白い液体が入った瓶をバッグから取り出していた。

「し、植物から作ったし、紫外線を跳ね返す魔法薬。し、紫外線はて、敵…!」
「あ、それ私も貸してくれる?」
「い、いいよ」

さて、俺はパラソルとかをセッティングするか。パチュリーはあんまり海では遊ばないで海風に当たるのを楽しむはずだから。
それにしてもよくレイとレウは色々準備してくれたなぁ。辺りには一杯人がいるのに宿の予約に海の場所確保。一体どんな魔法を使ったんだか。
不意にちょんちょんとパチュリーに背中をつつかれた。

「これ、背中に塗って…」
「エ、エリーに頼めば…」
「エリーはさっき海辺にしか生えない植物を見に行った」
「わ、わかったよー…」

パチュリーは敷物にうつ伏せになってビキニの紐を外す。

「パ、パチュリー!?」
「ビキニは邪魔でしょ?」

パチュリーはクスクスと笑った。もしかしたら確信犯かもしれない。
瓶から液体を手に取り、両手で擦り合わせてパチュリーの背中に触った。

「ひゃ!」
「へ、変な声を出すなよ」
「ちょっと冷たかったのよ」

パチュリーの肌は見た目通り弾力があり、吸い付くような手触りだった。

「まんべんなく塗りなさいよ」

首の後ろから段々と肩、肩甲骨とゆっくり塗っていく。背中を触られてくすぐったいのか時々ピクッとなる。
そしてようやく塗り終わった。

「終わったよ…」
「ん、ありがとう(エリーに植物の事を言っておいて正解だったわ)」

ビキニの紐を結び、パチュリーは椅子に腰かける。

「あれだねぇ、何時までも子供じゃないんだよなー」

今日は特にそう思う。パチュリーが同じ部屋で同じ時間に産まれたと思ったらあんな事件が起きて。パチュリーは子供だと思っていたら、もう見た目は…うん、色々成長したし…

「どうしたの急に。厨(中)二病?」
「発症したかも。ほら、中学生だから」

ニィとお互いに冗談を言い合う。

「お!皆こいよ!すっげぇ美少女がいるぞw」

突然、日焼けして金髪サングラスのDNQ男がパチュリーを見て大声を出した。

「うは!」「マジそそるわーw」「ねぇねぇ、俺達といいことしない?」

わらわらと虫のようにDNQ男どもが湧いてきた。

「…そうねぇ、この男と戦って勝った方にご褒美。なんてどうかしら?」

パチュリーは俺の目を一瞬、だが強く見て、DNQどもに提案する。

「やった!」「話わかるねぇ!」「そこのひ弱そうなやつ!」「けがしてもしらねぇなからな!」

四人のDNQ達は一斉に俺に向かって殴りかかってくる。だが、俺は厨二の如くニヒルに笑ってそのまま動かずにいた。

「はっはー!こいつビビってる…ぜ…?」

四人のパンチは俺の顔や腹に確かに当たった。普通だったら痛いに違いない。

「いってー!なんつー身体だこいつ!」

だが、俺は魔力を身体中に流し身体強化を施していた。おかげで痛くない。むしろ彼らが痛がった。
彼らは普通の人間だ。普通の人間に遅れなどとりはしない。

「ヒャッハー!汚物は消毒だぁ!」※明希

流石に身体強化した身体で殴ると相手を殺してしまうかも知れないので俺は一人ずつ投げ飛ばした。

「ふ、俺にかなうものなど…」
「何時まで厨二を拗らせているのよ。…此方に来なさい」

何かと思いパチュリーに近付いた。
そしてパチュリーは俺の頬にキスをした。

「言ったでしょ?勝った方にご褒美って」

恥ずかしかったのか顔を赤くしている。なるほど、出来レースの目的はこれだったのか。
それにしてもパチュリーがキス…。ほんと、いつの間にこんな事をするなんて。幼かった頃からは想像つかなかったよ。
何時までも子供じゃないんだよな… 
 

 
後書き
作者はとても悩みました。

パチュリーに黒ビキニを着せるかスクール水着を着せるかを!

断腸の思いでした…結果的にはタイトルの成長と合わさって丁度良かったのですがやはりスクール水着は捨てがたい…ということでエリーに着て貰いました。ただ、エリーはパチュリーの策略で出番がありませんでした。頑張れエリー。 
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