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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第2章
戦闘校舎のフェニックス
  第53話 緋色暴れます!

 
前書き
今回、明日夏の神器(セイクリッド・ギア)が登場します。 

 
「俺と賭けをしろ」
『賭け?賭けって何だよ?ちなみにチップは何だよ?』
「……俺の体…」
『おいおい!俺にそんな趣味…』
「悪いがボケはなしだ」
『……それはつまり、俺の力を使う…そう捉えていいんだな?』
「ああ」
『はっ!あんだけ俺の力を使う事を拒んだお前がな!おもしれえ、詳しく聞かせろ!』
「さっき言った通り、今回のゲームはおそらく部長が負ける」
『だからお前が俺の力を使って助ける…な訳ねえよな?いくら親友を生き返らせてくれた恩があるとは言え、俺の力を使うほどじゃねえわな。となると、ドライグの宿主か?』
「ああ。イッセーは必ず納得しない。強引な手段を使ってでも行動を起こす。当然、邪魔が入る。なら俺はそれを全力で排除する。例えお前の力を使っても」
『前々から思っていたが、お前って、ずいぶんとあいつに入れ込んでいるよな?まあいい。んで、肝心の賭けの内容は?』
「……イッセーがライザーをぶっ飛ばすか…だ」
『おいおい、やけに俺に有利な賭けだな。あいつが勝つって根拠はあるのか?』
「イッセーを信じてる」
「おいおい!全然根拠ねえじゃねえかよ!」
「……アーシアの一件以来、俺は思ったんだ」
『?』
「あいつをダチと思っていながら、あいつを全然信じていないって。確かにあの頃のイッセーは戦闘は素人同然だった。だから、堕天使に勝てないと思うのは当然の事だろう。だが、もしかしたらもあるかもしれない。だが、俺はそれさえも信じちゃいない。その時は仕方なくとも、この先ずっと可能性やら何やらであいつを信じないと思うとな。だから思った、これからはそんなものは関係なく、まずあいつを親友として信じようと」
『……賭けに負けて、体を奪われてもか?…』
「そうなったとしても、後悔はねえよ」
『…………ぷっ!はははははっ!!おもしれえ!乗ったぜ、その賭け!』
「そうか。ならしばらく、お前の力を使うが、賭けが終わるまで、お前は何も干渉するな」
『オーライ。しかしもま、お前にとって、あいつはそこまでするほどの奴なのか?』
「確かにイッセーはバカでスケベで欲望に忠実で、突拍子もない事をする奴だ。それでもあいつは…」


「あいつは俺が初めて尊敬した男だしな」
合宿の時にドレイクに言った事を思いだしながら、俺はユーベルーナを睨む。
「……貴方も神器(セイクリッド・ギア)を…」
「……幻龍の緋衣(アグレッシブネス・スカーレット)。攻撃性のオーラを手足の様に扱う神器(セイクリッド・ギア)…」
「……そのオーラで私の攻撃を防いだと…いえ、それ以前に私の攻撃に反応したと言うよりも事前に察知していたのね?」
「あんたのやり方はゲームで把握している。そのあんたを警戒しない訳がないだろ」
イザベラ達と戦いながらも、ユーベルーナから意識を外さなかった。
そして、案の定、不意討ちの素振りが見られたので、食らう直前にオーラで体を包み込んでガードした。
防ぐと言うよりも爆発をオーラで相殺したと言う方が正しいかもしれないが。
「さて、いちいち横やりを入れられも面倒だ。先にあんたから殺らせてもらう」
「させると思うか?」
イザベラ達が俺を囲む。
「そろそろ終わらせる。もう一つの隠し玉を使わせてもらう」
「……まだ何かあるのか…」
俺は姿勢を少し下ろして構える。
「……Voltekkerk(ボルテッカー)…」
その音声を口にした瞬間、雷刃(ライトニングスラッシュ)から電流が体に流れ込んできた。
雷刃(ライトニングスラッシュ)のもう一つの機能、刀(ブレード)を帯刀状態の時にさっきの起動音声を言う事で、俺の体に電流を流し入れ、常人とは比較にならないほどの身体能力を得るものだ。
もっとも、俺の電気耐性の高い体だからこそできる無茶なんだがな。
だが、この状態になると、刀(ブレード)を使えなくなる。
「……ぐ…」
それにこれは体への負担が大きい。
(……初めて使ったが…ここまでとは…)
制限時間(タイムリミット)は一分っと言ったところか。
「……やばそうだな…」
イザベラが危険を察知したのか、駆け出してきた。
俺もイザベラに向かって走る。
「なっ!?」
イザベラが俺の急激な走力の上昇に呆気に取られた。
俺自身も驚くほどの速さで駆け出していた。
「くっ!」
イザベラは咄嗟に腕をクロスさせた。
突然の速さの上昇に攻撃が間に合わないと判断したからだろう。
だが、むしろ好都合だった。
「なっ!?私を踏み台にしただと!!」
俺は軽く跳び、クロスされた腕を踏み台にユーベルーナへ向かって跳び上がる。
飛翔力も大したものだった。
「くっ!!」
ユーベルーナは攻撃が間に合わないと判断したのか、防御障壁を展開した。
八極拳の大技を使わないと壊せなさそうな障壁であった。
しかし、振脚を使えない空中では八極拳は使えない。
「はぁぁぁっ!!」
俺は緋色のオーラを拳に集中させて障壁に一撃を放った。
バキッ。
障壁にヒビが入った。
「なっ!?」
だが、今の俺の状態に緋色のオーラを纏わせれば十分行けた。
今度は足にオーラを集中させる。
「でやぁぁぁっ!!」
バキィィィン。
「っ!?」
蹴りの一閃で障壁を完全に砕いた。
「ふぅっ!」
「がっ!?」
「はぁっ!」
「がぁっ!?」
すかさず、体の捻りを使って裏拳、ラリアットと繋げ、ユーベルーナを地面に叩き落とす。
イザベラ達が俺を追撃しようとするが、俺はバーストファングで妨害し、地面にいるユーベルーナに体の捻りと落下の力を加えた踵落としを叩き込む。
すぐさま、俺は騎士(ナイト)のカーラマインに向かって走り出す。
カーラマインも騎士(ナイト)の駿足で駆け出してきた。
俺は短剣を緩急を入れた動きで避ける。
そこへ崩拳でカーラマインを、背後から来た騎士(ナイト)のシーリスの攻撃を裏拳で弾き、体の捻りを加えた独歩頂膝で一撃、騎士(ナイト)二人を戦闘不能にする。
横から来た戦車(ルーク)の雪蘭の蹴りをガードし、足を引っ張ってバランスを崩したところを鉄山靠、最後にイザベラに緩急の動きで接近し、猛虎硬爬山を叩き込む。
これで戦車(ルーク)二人も戦闘不能(ダウン)、俺は雷刃(ライトニングスラッシュ)の電流を止め、オーラを引っ込める。
途端に凄まじい疲労に襲われる。
電流を流してから掛かった時間は五十七秒、結構ギリギリだった。
俺は兵士(ポーン)の相手をしている千秋の方を見た。
予想通り、特に損傷もなく、後から参加した鶇と燕と協力して兵士(ポーン)達を倒していた。
イッセーが千秋達を引き連れ、俺の下まで来た。
「大丈夫か明日夏?」
「さすがに疲れた」
微笑しながら言い、拳をだす。
イッセーも微笑みながら自分の拳を俺の拳に当てた。
部長とライザーの方を見ると、何人かの貴族に言い寄られていた。
「どう言う事だ、ライザー!」
「リアス殿、これは一体!」
貴族だろうと、悪魔だろうと、予想外の事態に混乱する様は普通の人間と変わらねえな。
さて、そろそろあの人が出てくるかな。
「私が用意した余興ですよ」
思った通り出てきた。
出てきた人物に会場にいる貴族達が騒ぎだした。
「誰?」
イッセーの疑問はすぐに解消される。
「お兄様!」
部長の口から出た単語にイッセーや千秋達は驚愕する。
「て事は!」
「ああ。魔王様だ」
「この人が魔王!てか何で知ってるんだ!?」
「昨日会った」
「えぇっ!?」
その時はお前寝てたからな。
「サーゼクス様、余興とはいかがな…」
「ライザー君。レーティングゲーム、興味深く拝見させてもらった。しかしながら、ゲーム経験も無く、戦力も半数に満たない妹相手では些か」
「……あの戦いにご不満でも?」
「いやいや、私が言葉を差し挟めばレーティングゲームそのものが存在意義を失ってしまう。まして、今回は事情が事情だ。旧家の顔が立たぬだろ?」
「………」
あのライザーが完全に腰が引けていた。
「可愛い妹のせっかくの婚約パーティー、派手な趣向も欲しいものだ」
さて、こっから主役の出番だな。
「そこの少年」
「っ!?」
「君が有するドラゴンの力、この目で直接見たいと思ってね、グレイフィアと彼の友人である先ほど見事な戦いを見せてくれた彼に少々段戸ってもらったんだよ」
「なるほど。つまりは…」
「先ほどのは前座、本命としてドラゴン対フェニックス、伝説の力を宿すもの同士で会場を盛り上げる、と言うのはどうかな?」
「お、お兄様!?」
「流石は魔王様ですな。面白い趣向をお考えになる」
「ドラゴン使い君」
「は、はい!」
「この私と上級貴族の方々にその力を今一度見せてくれないかな?」
「……はい」
イッセーは二つ返事だが、部長が止めに入る。
「イッセー、止めなさい!」
そんな部長をライザーは手で制し、前に歩みでる。
「このライザー、身を固める前の最後の炎をお見せしましょう」
ライザーもやる気のようだ。
「さて、ドラゴン使い君、勝利の対価は何がいいかな?」
魔王の言葉に非難の声が出始める。
「サーゼクス様!?」
「下級悪魔に対価などと!?」
だが、魔王は譲らない。
「下級であろうと、上級であろうと、彼も悪魔だ。こちらから願い出た以上、それ相応の対価は払わねばならない。何を希望する?爵位かい?それとも絶世の美女かな?さあ、何でも言ってみたまえ」
イッセーの答えは決まっていた。
「……部長を…いえ!リアス・グレモリー様を返してください!!」
イッセーは高々と言う。
「ふふ、いいだろう。君が勝ったらリアスを連れて行きたまえ」  
 

 
後書き
明日夏の幻龍の緋衣(アグレッシブネス・スカーレット)の力はハンター×ハンターの念オーラみたいな感じです。 
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