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魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者

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第二章 魔術師と英霊たちとの邂逅 〜冬木 第五次聖杯戦争〜
  英霊って生前からこんなチートなの?

俺こと遠藤蒼炎は絶賛落下中であった

「もしかして前になのはの世界に渡った時も落下してたのかな?」

なんで最初記憶喪失だったのかを未だに思い出せないのだが、まあ些細な問題だろう

自分の状況を確認する

......16〜18の容姿で固定。なんで?まあいいや、魔術師の姿にはなれるし

リンカーコアは...ちょいまずいけど、まあ大丈夫か。元々の魔力は使ってないしね

「アルティメイタム、浮遊の準備頼む」

一通り確認を終え、とりあえず目下の危機を回避しようと相棒に声を掛ける。しかし

〈不明なエラー。再起動します、残り180秒でリブートします〉

.........え?

「あ、やば」

現在飛行の魔法はアルティメイタムのアシストがないと使えない。こんなんだったら一人で出来るようにすればよかった....

結論、なす術なし

それに至ると同時に、蒼炎は地面に落下した

「いってぇ.....こんな痛みは久しぶりだわ」

俺は立ち上がりながら周囲を見渡す。すると周りには校舎らしき物が見える

すなわち

「学校?ならここはグラウンドか」

そして

「なんで槍と剣をもってる人達が口を開けてこっちを見てるんだ?ああ、なる」

なんかお互いに槍と剣を交差している人達がこっちを見ていた

多分落下してきたからびっくりしたんだな。それにしても格好が現代じゃねぇ、いや待て

「なんで戦ってるの?」

そもそも、それを最初に気に留めるべきだろ

「あんた、いまここで聖杯戦争やってるの知ってるでしょ?」

気がつかなかったが、赤い服を着た女の人もいたらしい

「聖杯戦争?なんだそれ?」

聞いたことがない戦争だ。いや、聖杯は知ってる。なんか誰かの部屋に飾ってあったような....

まあそれとは違うだろう

「てことは部外者っていう認識でいいか?坊主」

槍を持った人が聞いてくる。いつの間にか剣を持った人と距離をとっていた

「多分、そうなるかな?それより、坊主じゃなくて遠藤蒼炎だ、そっちは?」

「訳ありで本名は言えん。ま、ランサーと呼んでくれや」

ふーん。ランサー、ね

さて、これからどうするか。こっちに渡ったはいいが考えてなかったな。まあ帰る準備が整うまで野宿するか

「じゃ、お邪魔みたいなのでお暇します」

と去ろうとし背を向けた瞬間、俺の心臓を未来線が突き抜ける

俺の未来視の魔眼は自分に攻撃が当たる時にオートで発動する

それを横にそれて避ける

「へぇ、今のを避けるか。おもしれえ」

「っ!」

殺気を感じ、俺はすぐさま戦闘準備に入る

この男、強いな

「なんで俺を殺そうとする」

「部外者に見られたら始末しなきゃならないんだ。すまんな」

成る程。そういうことか

この男と戦うのなら本気を出すしかないな

「抜刀、運命刀」

虚空に愛刀をイメージ、そして引き抜く

「それがてめぇの獲物か!」

「もう一本あるぜ!抜刀、正宗!」

もう一本。二刀流の時にのみ使う刀。先生の形見でもある

右に漆黒の日本刀、左には一見普通の日本刀に見えるが妖刀と言っても過言ではない物である

「両方宝具並みですって!?しかも金色の魔眼....」

「ふむ...」

どうやら赤いのコンビは様子見らしい。ありがたい、こっちに専念できる

俺は魔術師としての姿になり、両方の手をだらんとする

「ほう、隙がない。ちょっとは楽しめそうだ、な!」

相手が槍でついてくる。それも凄まじいスピードで。全部を未来視で視て、なおかつこの姿だから避けられている

二刀流対一本なのに全部を防御に回している。しかも少ししか弾けないのですぐについてくる

わざと受けて相手に一太刀入れようと思ったが、全てが急所狙いなので不可能

バリアジャケットの展開も考えたが、その暇もない

奥義も同じく、封じられている

「やるじゃねえか!」

「速すぎるだろ、チートじゃねぇか!」

「おら、もっと上げるぞ!」

さらに速度が上がっていく。相手の攻撃を一瞬でも、遅らせれば正気はある

「くそっ!出し惜しみしてる場合じゃねえ」

俺は後ろ向きに桜花を使い、距離を離す

「ほう、来るか」

どうやら様子見らしい。後悔するぞ?

「我が名、ソウエンの名のもとに力を解放する!」

運命視の魔眼を発動する。基本は未来視と変わらないが

「ウソ....虹色の魔眼!?」

色が変わる。あとは

「運命は我が手の内に」

これで準備は完了だ

「行くぞランサー!桜花、本式!」

桜花は本来移動の技ではない。その速さで相手に一撃を入れるまでが技だ。しかし、人間相手に使えばやばいので今までやってこなかった

これをランサーは受け止めるが少し後ずさる。この一瞬、ここで決める!

「連閃、雪月花!」

俺は左右両方の刀で雪月花を放つ、一撃目、正宗による右から左への水平切りは槍でガードされたが、そのガードを崩すことができ、二撃目、運命刀による左から右への水平切りはクリーンヒットし、ランサーが吹っ飛んだ

「これで...」

だが、終わらない

「俺に一太刀入れるとはやるなぁ、小僧。いや蒼炎と呼ばせてもらおう」

ランサーは胸に横一文字が入り、血も出ていたが笑いながら立っていた

「なかなかいい一撃だった。だから、こっちも使わせてもらおう」

「!?逃げなさい!」

赤いのが注意してくる。うなもん分かってる、こっちは運命、即ち因果に敏感なんだ

あの槍からはとんでもない気配がしてきている

「絶対に当たる?違う、そうか!因果を捻じ曲げるのか!」

「ご名答!んじゃ、死にな!|

ランサーが俺の桜花と同じ速度で突っ込んでくる

刺し穿つ(ゲイ)....」

剣で弾く、いやこちらに当たった瞬間に心臓を貫かれる

避けられるか?いや無理だ。どうやってもかする

ならば、運命を変える。それがこの身には許されている!

だが、当たる運命を変えるには因果が強固だ、どうする?






簡単だ、当たってもいい。生きてさえいれば(・・・・・・・・)





だがそれでも魔力が足りない。どうする?






こちらも決まっている

「我が命よ.....今こそ廻れ!」


命を代償に魔力を得る。これならば!

死棘の槍(ボルグ)!」

ぐさっ、という音とともに心臓に刺さる。だが中心には刺さらず、心臓の端に刺さった

「何をした」

「おし....えるものかよ」

ランサーは槍を引き抜き、もう一度構えた。そしてついてきたところを

「なんだ?アーチャー」

「何、弱っているようだから倒させてもらおうと思ってね」

アーチャー?が割り込んできた

「っち、引けと命令されたんでな。じゃあな」

ランサーは槍を引き、常人じゃない速度でこの場から離脱した

「ちょっと、大丈夫?」

「おいリン!」

もう....終わったか?

休んでも、問題ないよな?

終わったとわかり出血多量と痛みで限界だった俺は、意識を繋ぎとめるのをやめた 
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