| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

恋獄 ― Rengoku ―

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

第一話 明日になれば…


「…俺、蓮見(はすみ)のことが……好き、なんだ」



 誰もいない放課後の教室。



梶田(かじた)…君っ」


 校内中に帰宅を促すアナウンスが、まるで理性のように聞こえた。



「返事を聞かせてくれる?」



 全て開け放たれた窓からは少し肌寒い、初夏の風が荒々しくカーテンを翻す。



「私も…好き、だよ」



 明日には六月になってしまう五月三十一日…。



「っ!」



 明日には忘れてしまう…。



「………………ごめん、急に」



 互いの唇の感触でさえも……。



「ううん……いいよっ」


 遠くで響く夕焼け小焼けが辺りに鳴り渡る頃、二つの影も再び一つに重なる。


「あっ……はあっ」



 この熱さえも明日になれば忘れてしまう…。



「…愛してるっ」



 この想いさえも……全て私に置いて行く。


 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧