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ドリトル先生と京都の狐

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第一幕その十一

「だからトミーもね」
「そういったのも食べてね」
「うわ、酸っぱいね」
 トミーは今度は梅干を食べました、そのうえで顔を思いきり顰めさせています。
「これはまた」
「けれど美味しいでしょ」
「身体にもいいからね」
「これも食べるべきなんだね」
「そうだよ。どんどん食べてね」
「健康の為にもね」 
 そうして欲しいとです、皆でトミーに言うのです。
 トミーはお味噌汁も飲んでです、ここでも美味しいものを食べたお顔で言います。
「いや、これも美味しいね」
「朝から凄いでしょ」
「美味しいものばかりだよね」
「日本人って朝からこんなに美味しいものを食べているんだね」
 トミーはそのこともです、夢であるかの様でした・
「何て凄いんだ」
「イギリスも朝御飯はいいんだけれどね」 
 先生は自分達の祖国のことは少し苦笑いになっています。
「三食朝御飯だったらね」
「そのこと他の国の人には散々言われますね」
「勿論三時にはティーセットがあるから」
「それは欠かせないですね」
「僕の研究室に来ればね」
 それでだというのです。
「一緒に楽しめるよ」
「先生の研究室ですか」
「医学部の校舎にあるよ」
 先生の勤務先のそこにだというのです。
「そこに来ればいいよ」
「僕も医学部ですしね」
「日本の学生さん達も面白いよ」
「その人達もですね」
「いい加減な様でしっかりと締めるところは締めているから」
「日本の大学生は勉強しないっていうのは」
「いやいや、それがね」
 実はです、違うというのです。
「普段はそうでもやる時はやるんだよ」
「そうなんですか」
「人生の勉強もしているし。トータルで見ればね」
「日本の大学生もですね」
「馬鹿に出来ないよ」
 そうだというのです。
「彼等が勉強していないというのは一面でしかないんだよ」
「それじゃあ他の日本人と同じで」
「彼等も勤勉だよ」
「馬鹿に出来ないですね」
「誰だって馬鹿にしたらいけないけれどね」
 そうすれば損をするのは自分です、その馬鹿にしている人は実は、というのは世の中でとてもよくあることだからです。
「日本の大学生もだよ」
「そうなんですね、じゃあ僕も」
「日本の大学生達と一緒にね」
「楽しく学ぶべきですね」
「お酒も飲んでね」
 そちらも楽しんで欲しいというのです。 
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