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魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者

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第一章 ジュエルシードを巡って 〜海鳴 P・T事件〜
  第五話 自分とは何か

あの後俺はなのは達に回収された。なんとか誤魔化しきれたのは不幸中の幸いか。

それから半月程が経過。その間主立ったジュエルシードの覚醒は確認されていない。

お陰でなのはの特訓が進んでいる。

しっかし、なのはの才能には驚かされるばかりだな。

最初俺はなのはに教えるのは最終手段としての近接戦闘術を教えるつもりだった。具体的にはどうやって相手の攻撃を捌いて逃げるか、ということだ。

だがなのはは自分の戦略に組み込めるような近接戦闘術を編み出してしまったのだ。

ソニックムーブを元にしたフラッシュムーブ
近接攻撃を殺すバインディングシールド

この二つをなのはは有効活用することで、クロスレンジの戦闘を躱していく。

元々防御の才能があったようで、バインディングシールドの強度は中々の物だ。

ユーノも「ここまでの才能は希少だよ。正直少し羨ましいね」とのことだ。

で、俺がどうしているかだって?

結局半月たってもリンカーコアの完治には至らず、まだ前線には出れない。

できれば完治するまではジュエルシードで無いで欲しいなー。って

〈そんなこと言うから.....〉

わーい、ジュエルシードの反応だー。

因みに今俺となのは、ユーノは公園に来ていた。

反応地点はわりかし遠いな、ここは

「なのは、先に飛んでいけ!」

「うん!」

飛べるなのはが先行すべきだな











結構急ぎ足で来たんだけど、もう戦闘はクライマックスか。


現状はテスタロッサの方が有利っぽいな、今まで高速戦闘の訓練はしてこなかったせいか速さで撹乱されてる。逆に言うとそこまでしなければ勝てないと判断されたのか。なのはが強くなってる証拠だな。嬉しいかも。


そこで俺は気がついた。

ジュエルシードどこにある?戦ってるつてことはどっちも回収してないんだよな?




〈蒼炎!あそこに!!!〉


んな!?思いっきり戦闘区域の中にあるのかよ?安定しているとは言え、あの魔力流に晒されれば!


案の定ジュエルシードが活性化する。


「ちっ、全員引け!!封印する!」

と大声で叫んだ。
だが、戦ってるなのはたちには聞こえず、テスタロッサが強引に封印しようとする。

その時、俺の身体は考えるよりも先に動いていた。


〈無茶だ!その体じゃ!!〉

「オールリミットオフ」

そんなもの関係ない。俺の身体がどうなったっていい。あいつらを守れるなら!


「テスタロッサ!!」

「!!」

俺はテスタロッサを突き飛ばし封印に入る。

だが、俺の魔力すら糧にしたジュエルシードは暴発しようとしていた。

だったらこの身を賭けてやる。

俺はジュエルシードから流れる圧倒的な魔力を身体で受け止めた。

あいつらを庇うようにして。そうすればどうなるかは自明の理だった。


「・・・・・・」

なにも感じない。声が聞こえる気もするが分からない。ただ感じたことは


(これが死ぬってことなのかな?)


恐怖もない。あるのはなんでか納得だけだった。




「なんでこうも早くこんなところに来るんだこの馬鹿弟子が」


懐かしいような声がした。

これが死の前の幻聴かー


「勝手に自己完結するなぁぁぁぁ!」

はっ?

俺は今までと閉じていた目を開く。

するとそこには、師匠がいた。


「あれ?なんで俺、あんたのこと覚えてるんだ?」

「その理由もすぐに思い出すさ」


俺の中に流れ込んでくる様々な記憶。


俺がどういう人なのか。

何をしたか

時には大罪を犯し

時には誰かを助けた。

俺の原初の願いは何か。


そして、



「先生、生きてたのか。それにここは?」


俺の目の前には二度と会えないと覚悟していた人がいた」


先生は苦笑しながら頭をかき

「いや、私は死んでるよ。ここは生と死の狭間。別の言い方もあるだろうがな一番しっくりくるのはそれかな。お前が死にかけたからここに来たのさ。それで、思い出したか?」


俺は頷いた


「ああ、俺は"航海者"にして幻想、未来そして運命の魔術師だ」

そう言うと同時に俺は一本の刀を呼び出した。


漆黒に染まっている刀


「ごめんな、忘れててよ」

俺の半身とも言える刀。歴代の運命の魔術師が受け継いできた物

銘を運命刀



「そうか。さて、何時ぞやの問いかけの続きをしようか」


そういい、先生は俺を見つめた


「お前は何を望む」

「誰かを守れる力を」

「して、その対象は見つかったか?」

「ああ、まだ俺を救ってくれた人を、仲間と思ってくれた人を」


なのはのあり方には救われた。だから


「そうか。ただこれは忘れないでくれ」

先生は俺を見つめたまま言う


「私はたとえこの身を殺したお前を憎みはしない。それは運命の魔術師が通らなければならない道だからだ。だから必要以上に自分を苦しめるな」


先代 運命の魔女 神崎 凪 それが先生の名前。そして運命を継ぐには先代を殺す(超える)しかない

「誰にだって幸せになる権利はある。今はまだ向き合えなくてもいい。でも、いつかは赦せるようになれ」

「それを伝えるために?」



感覚が揺らいで行く。恐らく戻ろうとしているんだ。


「まってくれ!まだ話したいことがある!」

「また、会えるさ。強く願えばな。忘れるな、運命は従う物じゃない。乗り越えるものだ」




その言葉を最後に、俺の意識は消えた。










俺が目を開けた時、そこは白い天井だった。

「そっか、こっちでは結構時間経ってるのか」



にしても、見慣れない機械ばっかだな。


しばらく周りを見ているとドアが音を立てて開いた。


「蒼炎君!!」


「なのはか」

なのはが俺に近づいていきなり手を握ってきた。

「心配、したよ」

泣かせちまったな。

「ごめんな。でも、ちゃんと戻ってきた」

「当たり前だよ...」


その後、しばらく泣いていた。


それから、俺は現在の状況を聞いた。


なんでも今いるのはアースラという船のなからしい

そして、時空管理局という組織があり、それに今は保護。病院にいた俺を治療してくれたらしい。


「そうか。で、これから今いる一番偉い人に会いに行くのか」

「うん。ユーノ君は先に行ってる」

「分かった、俺も行こう」

「え?その体じゃ無理だよ!?」

「なに、心配は要らないさ」

俺はもう記憶を取り戻した。このくらいの傷なら治せる。

幸いここは"魔法が許される"世界だ。本来なら結果を考慮しなきゃいけないが、少しなら融通が利く。


「す....ごい」

なのはは驚いていた。

なにせ俺が使ったのはかなりの魔力量だからな


「んじゃ、行きますか」







俺たちが向かった先にあったのは和室みたいな所だ。


「え、蒼炎!?ちょっ、大丈夫なのか?」

「ああ、問題無い。心配かけたなユーノ」

ユーノが見事に慌てている。ちょっと面白い


「よくユーノ君ってわかったの....」

「んなもん魔力の感じで一発だな」

なんか向こうにいる見知らぬ二人が驚いている。

まあ瀕死だったからなぁ

「まあ、何はともあれ無事で何よりです。私は時空管理局のリンディ・ハラオウンです」

「執務官のクロノ・ハラオウンだ」

「保護してくださりありがとうございます。遠藤蒼炎といいます」

「高町なのはです」


と、挨拶を交わした後、リンディさんが話を切り出した

「これより、ロストロギア『ジュエルシード』の回収は時空管理局が全権を持ちます」

ここに来るまでに時空管理局がどういう組織かという聞いていたからこの措置に納得した。

あちらはこの手の事件のプロフェッショナル、当然だな。

「もう君達は今回の事件から身を引いて、もとの生活に戻った方がいい」

確かにそうだ、俺やユーノはともかくなのはに関してはついこの間まで一般人だったのだ。こう言うのは当然だな。

でも、現時点で動いている俺たちに対してそれは余り効果がないんじゃないか?少なくとも俺は自分なりに動くつもりだし、なのはもテスタロッサと話すために動くだろう。

いっそのこと協力を呼びかけた方がいい気がするんだか。


そう考えていた俺は次の一言で全てを理解した。

「クロノの言うことはもっともね。まあ、急に言われても気持ちの整理もできないでしょう。一度家に帰って、今晩ゆっくりと話し合うといいわ。その上で改めてお話ししましょう」

俺の中でなにかが切れた


「っく、あっはははははははは」

いきなり笑い出した俺。当然周りは驚くわな


「成る程、それなら納得だ。さすが組織のお偉いさんは違うわ、こんな子まで駒にしようとするなんてな!」


「どういうこと?」

とユーノが聞いてくる

「よく考えてみろ、現時点で動いている俺たちを返したらどうなる?それに、いま明らかに矛盾があった。これから身を引けと言っているのに一晩時間をやると言った。時間なんていないだろう?こちらに関わらせる気がないならデハイスを取り上げるか監禁するか監視すればいい。だがな、もっといい方法があるんだよ」


俺はリンディさんを見ながら言った

「それはこちらから協力要請をださせて指揮下に置くことだ。戦力は手に入ってしかも勝手には動かれない。ほら、いいこと尽くしだろう?」

そして、ここで本気をだす。

俺は魔力を全開にし、己に課せられた封印を解く


姿は約20歳前後、俺の魔術師としての絶頂期の姿だ。

着ているのはもちろんロングコート。黒色な

そして右手に持っているのは運命刀


「もし、あんたがこいつらをそういう風に扱おうとしているならこの船をぶっ壊す。協力してくれと言うなら素直に従おう。恩もあるしな。勘違いしないでほしい。俺が怒っているのはさっき言ったように遠回りに言ったことだけだ」

ここでクロノが魔法を打ってこようとしていた。だが

「視えているぜ?」


先制する。クロノの首元に剣を置いた

俺の魔法の一つ"未来"によるものだ

「さて、どうする?」

俺はリンディさんに問う


するとリンディさんは頭を下げ

「一つ訂正を。確かにさっきの言葉にはそういう意味もありました。ですが、決して駒にしようとは思っていませんでした。それはほんとうです。不快にさせて申し訳ありませんでした。謝罪します」


本気でそう思っていたのがわかったので、俺は剣をしまい、元の姿に戻った。

「クロノとか言ったっけ?すまないな、剣を首元においたりして。あとリンディさん顔を上げてください。協力してくれというならしますよ。さっき言ったように恩もありますしね。なのはは?」

「もちろん、フェイトちゃんともっとお話ししたいし」


「だそうですよ?リンディさん」

「皆さん、ありがとうございます」


こうして、俺たちは協力関係となったのだった 
 

 
後書き
魔法体系 未来

上位世界で使う場合それは未来を見るだけでなく、未来に跳ぶ事も可能となる
現実世界ではその効果は魔眼として現れる

未来視の魔眼

相手の攻撃のみを予測線という形で見せる。
オンオフは可能で、オンの時は目が黄金色となるのが特徴である

イメージとしてはSAOのGGOであった弾道予測線

魔法体系 運命
元老院において最上とされる魔法体系の一つ
その他は今は公開できません

魔法体系 幻想
元老院において禁呪指定とされる魔法体系の一つ
その他は今は公開できません 
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