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オズの五人の子供達

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第六幕その七

 その人を見てです、神宝は言いました。
「よき魔女グリンダさんですね」
「そうよ、私がね」
 その通りだとです、グリンダも答えます。
「カドリングの国を治めているよき魔女グリンダよ」
「そうですね、じゃあ」
「これが貴方が作ってくれたお料理ね」
 木の蒸す為の容器、中国のそれの中にお饅頭や蒸し餃子があります。他には温かい麺類もあります。そうしたものを見て言うのでした。
「それじゃあ今からね」
「はい、召し上がって下さると」
「ではまずはね」
 グリンダは麺類の丼を手に取りました、そしてお箸で、です。
 お箸を上手に使って食べます、そのうえで言うのでした。
「貴方は料理人かしら」
「いえ、とても」
「料理人の人が作ってくれたみたいに美味しいわ」
 神宝が作った麺類はというのです。
「とてもね」
「そんなにですか」
「ええ、美味しいわ」
 グリンダは答えながら今度はお饅頭を食べます、そのお饅頭は肉饅です。
 肉饅も食べてです、グリンダは言うのでした。
「オズの国にも中華料理はあるけれど」
「アメリカのお料理に近いからですね」
「ええ、その中華料理にも負けていないわ」
「そうですか、じゃあ是非」
「今は楽しませてもらうわね」
「そうして下さい」
 神宝はグリンダの言葉に笑顔で応えます、彼にとっては最高の褒め言葉ですから。
 恵梨香のところにはオズマがいます、オズマはそのお握りを見てです。まずは不思議なものを見るお顔でした。
「これがお握りなのね」
「そうです」
「お話は貴女から聞いたけれど」
「こうしたものなんです」
「お寿司とはまた違うわね」
「お寿司はお酢を使って上にネタを置きますけれど」
 それがお寿司です、この場合は握り寿司です。
「けれどお握りは」
「こうしてお寿司より大きくて三角なのね」
「丸いお握りもありますけれど」
 今回恵梨香が作ったものはというのです。
「三角にしました」
「そうなのね」
「そうです、それじゃあ」
「ええ、頂くわ」
 こうしてです、オズマはそのお握りの一つを手に取ってでした。そのうえで。
 一口食べてみてです、恵梨香ににこりと笑ってこう言いました。
「有り難う、お礼を言うわ」
「っていいますと」
「美味しいものを食べさせてくれて有り難う」
 こう言うのでした。
「お握りってこんなに美味しいものなのね」
「じゃあ姫様はお握りを」
「気に入ったわ」
 美味しいからだというのです。
「これからも食べていきたいわ」
「有り難うございます、そう言ってくれて」
「日本人はいつもこんな美味しいものを食べているのね」
「はい、よく食べます」
 実際にそうです、日本人はお握りが大好きでいつもよく食べています。それで恵梨香もこう答えたのでした。
「私もです」
「そうなのね、じゃあ私もね」
「姫様もですね」
「これからはお握りをね」
 また一口食べてにこりとして言うのでした。
「食べさせてもらうわ」
「そうして貰えると何よりです」
 こう応えたのでした、そしてオズマはお握りの中の具も食べて言いました。 
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