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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS戦術解説
  遠距離狙撃➁

——3つのタイプに大別されるMSの「狙撃」——

 MSによる狙撃は、

➀ロングレンジ・ビーム・ライフルなどの長距離狙撃用の携行火器を用いる「狙撃」

➁キャノン砲などの大口径固定火器で行う「砲撃」

➂ファンネルなどのサイコミュ制御式攻撃端末を使用した「オールレンジ攻撃」

の3種類に分類できる。この3つの共通点は、通常のMSの交戦距離を上回る距離からの攻撃が可能という点で、この長射程こそが所謂「狙撃」の特徴となっている。

 しかし、「MSの狙撃」は、人間が行う狙撃とは性格が異なるものである。人間による狙撃は、対人だけでなく対物も想定しているが、そのターゲットは最大でも装甲車や(地上で待機中の)航空機などであり、戦車やMS、艦船や陸戦艇といった目標は想定されていない。

 これに対し狙撃用MSはビーム兵器、または戦車や自走砲が搭載できない大口径砲を装備し、艦艇すら一撃で撃沈可能な火力を有している。さらに、MS自体が「最強の起動兵器」であるため、敵に発見された場合でも相手がMSやMAでない限り撃破することも可能である。

 このように「MSによる狙撃」は一撃必殺の攻撃力だけでなく、狙撃手の生存性も高い、恐るべきシステムとして完成していた。



——携行火器を用いた「狙撃」——

 ビーム・ランチャーなどの射程の長いMS用携行火器を用い、目標を視認したうえで直接照準で攻撃する遠距離攻撃が、所謂「狙撃」である。

 地上では10km以上、宇宙はおよそ数十~数百km離れた目標を狙うことも難しくなく、命中精度を高めるために地面や小惑星などに機体を固定して行うことが多い。ビーム兵器が多用されるのも、反動が少なく命中精度に優れているためである。


■ロングレンジ・ビーム・ライフル

 RGM-79[G](陸戦型ジム)が使用した狙撃用ビーム・ライフル。陸戦型ジムが狙撃任務用でないため、大型サイトを装備。大出力と長いビーム照射継続時間を誇る。


■狙撃用ビーム・ランチャー

 RMS-106CS(ハイザック・カスタム)が使用したビーム・ランチャー。大型化した結果、収束率と射程が向上している。U.C.0084にも同型のランチャーが存在したようだ。


■U.C.0079,12—————ラサ基地攻略戦

 ラサにおかれた公国軍秘密工場基地攻略戦において、連邦軍極東方面軍がロングレンジ・ビーム・ライフルを装備したRGM-79[G](ジム・スナイパー)を投入したことが確認されている。病院船「ケルゲレン」を撃沈したほか、MAアプサラスⅢと反逆罪に問われた味方機を中破させている。


■U.C.0087,24—————サイド2・13バンチの遭遇戦

 秘密裏にサイド2・13バンチに投入されていたティターンズのRMS-106CS(ハイザック・カスタム)が、エゥーゴのクワトロ・バジーナ大尉機を狙撃した事件。それまでに9機のエゥーゴMSの狙撃に成功していたが、クワトロ機との戦闘で撃破された。



——間接照準もあり得る「砲撃」——

 主にキャノン砲などの実体弾式固定火器で行われる長距離攻撃を「砲撃」と分類した。MSや艦艇以外にも、基地や要塞などの固定目標への攻撃にも多用される。

 実体弾式兵装ならではの曲射弾道を利用して、直接照準では狙うことのできない目標への攻撃も可能である。火砲が機体に固定されているため、安定性が高く、これが命中精度の向上に繋がっている。


■120mmキャノン砲

 RX-75(量産型ガンタンク)の両肩に装備されている120mm口径の長砲身キャノン砲。口径に比して砲身が長く、弾道特性と威力に優れている。


■680mmカノン砲

 公国軍の試作型砲戦用MS、YMS-16M(ザメル)に装備されていた超大型砲。MSが装備可能な実体弾式火砲としては最大級で、専用の射手を必要とした。


■U.C.0079,12—————ラサ基地攻略戦

 連邦軍極東方面軍指揮下の砲撃部隊として、ラサ基地攻略戦で3機のRX-75(量産型ガンタンク)が投入された。ホバー・トラックからの指示を受けてラサ基地に対して砲撃を行い、MS用ゲートに直接弾を与えた。しかし、基地から出撃した公国軍MSの奇襲を受け、全滅した。


■U.C.0083,10,13—————トリントン基地襲撃

 デラーズ・フリートによるガンダム試作2号機強奪の際、YMS-16M(ザメル)がトリントン基地へのお砲撃を行った。ザメルは味方の潜水艦から、トリントン基地に向けて発射されたミサイルの着弾の観測と修正指示を行っていた。さらに自身も680mmカノン砲で基地を砲撃、司令部を破壊した。



——ニュータイプのみが可能にした「オールレンジ攻撃」——

 ビットなどのサイコミュ制御式攻撃端末を用いた遠距離狙撃が「オールレンジ攻撃」である。本来、オールレンジ攻撃はサイコミュ制御式兵器を用いた包囲攻撃などを意味するが、状況によっては「狙撃」を行うことも可能であるため、ここに含めた。

 最大の特徴は「狙撃」や「砲撃」を超える精密射撃が可能なことで、直接・間接の両方で照準できるほか、サイコミュの性能やパイロットのNT能力によっては、母機を察知されることなく敵機への攻撃が可能となる。


■ビット

 MAN-08(エルメス)に搭載されていた無線式攻撃端末。無線式端末としては大型だが、モノアイによる索敵能力を持つほか、ミサイルとしても使用可能とされた。


■ファンネル

 ジェネレーターを廃し、小型化に成功した無線式攻撃端末。このため、ビットよりさらに回避や発見が難しく、より奇襲攻撃に向いた兵装となった。


■U.C.0079,12,25—————コンペイトウ襲撃

 コンペイトウ(旧ソロモン)に駐留する連邦軍宇宙艦隊に対し、MAN-08(エルメス)がビットによる攻撃を数回にわたって行った。攻撃に際しエルメスは、コンペイトウから遠く離れた暗礁空域にいたものの、艦艇7隻を撃沈、MS6機を撃破。「ソロモンの亡霊」と恐れられた。


■U.C.0093,03—————アクシズ防衛戦

 ネオ・ジオン(シャア)のNT用MSが、アクシズ迎撃のために発射された核ミサイルをファンネルで撃墜。これは、通常のミサイル群の中に数発だけ混ぜられていた核を見抜いて撃墜したもので、ニュータイプや強化人間でなくては実行不能であった。

 
 

 
後書き
次回 白兵戦 
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