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オズの五人の子供達

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第四幕その三

「悪人ではないにしても」
「困った人達はですよね」
「いるんですよね」
「そうだよ、悪人でなくても困った人はいるよ」
 そうした人はだというのです。
「オズの国にもね」
「悪い人と困った人は違う」
「そういうことですね」
「うん、そのことは覚えておいてね。それでね」
「それで?」
「それでっていいますと」
「どうも世の中はそうした人の方がずっと多いみたいだね」
 悪人よりもです、困った人の方がずっと多いというのです。
「決して人間性が卑しいとか醜いとかじゃなくてね」
「色々な理由で困った人がですね」
「いるんですね」
「この花園だってそうだよ」
 ここにしてもだというのです。
「この花園自体はとても綺麗だよね」
「それに花自体にはですね」
「悪気はないですね」
 花はここに咲いているだけです、花達に悪気がある筈がありません。
 けれどです、その香りがなのです。
「人や動物が寝てしまうから」
「問題なんですよね」
「そうだよ、この花園も困った場所なんだよ」
 困った人と同じくだというのです。
「それでオズの国にはね」
「困った人もいてですか」
「色々あるんですね」
「そうなんだよ。どの国にもいるよ」
 それこそ木樵が皇帝を務めているウィンキーにもです。
「けれどそうしたこともちゃんとしていくことがですね」
「そうですよね、大事ですよね」
 今度はカルロスが応えます。
「僕達も」
「そうだよ、じゃあ花園を越えたらね」
 木樵は旅の話もしました、そうすればだというのです。
「いよいよだよ」
「かなり大きくなってきましたね」 
 その目に見えているエメラルドの都がだというのです。
 見れば確かにです、皆の目に見えているエメラルドの都は最初に見えた時よりもさらに大きくなっています。カルロスもその都を見て言っています。
「それだけ近付いてきたっていうことですね」
「そうだよ」
 ジャックが明るい声でカルロスに応えます。
「僕達もね」
「そうですよね。あの中に入ったら」
「エメラルドで一杯だからね」
「宝石ですね」
 カルロスも宝石の価値はよく知っています、それで宝石について言うことは。
「僕達の世界じゃとても高価なものですけれど」
「こっちの世界じゃ普通だよ」
「だからエメラルドの都にも一杯あるんですね」
「そうだよ。ただこっちの宝石はあちらの世界には持って行けないから」
「それは出来ないんですか」
「オズの国のものは特別なんだ」
 何故こちらの世界の宝石はあちらの世界に持って行くことが出来ないのか、ジャックはカルロス達にそのこともお話するのでした。
「セトモノの国という国もあるよね」
「はい、カドリングの方にある」
「あの国の人や生きものはセトモノのj国から出れば動けなくなるんだ」
 完全なセトモノになってしまってです。
「それと同じで。宝石もね」
「若し僕達の世界に持って行けば消えるんですか?」
「只の石になるんだ」
 石は石でもだというのです。
「何の価値もないね」
「そうなんですね」
「そうだよ、何でもなくなるんだよ」
 そうなるというのです。
「只の石になるからね」
「ううん、じゃあ他の金や銀も」
「全部そうだよ。服とかは別に何ともならないし僕達も行き来出来るけれどね」
 石や金銀はだというのです。 
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