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バカとテストと召喚獣~兄と私とFクラス~

作者:ハマT
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番外編私とアイツと大激走

私が笹本くんを好きになった切っ掛けがある。それは今でも思い出す。

私が文月学園に入学して一ヶ月、特に大きな出来事もなく平和な学園生活を送っていた。同じクラスの霧島さんとは小学校から一緒でしたって言うくらい仲が良かった。そんなある日私はある友達と喧嘩をした。切っ掛けは些細なこと、私がその子に勉強を教えたさいに出たそんなのも出来ないの?という言葉だった。
その喧嘩の次の日、普通にHRを受けたときだった。その友達と同じクラスの笹本くんがいなかった。その後HR が終わり一時間目の準備をしているときだった。
「久保頼みがある」
教室に突然入ってきた笹本くんは久保くんにイヤホンとマイクのような物を渡していた。少しだけ話した後今度は私のところに来た。久保くんは地図のようなものを広げている。
「木下、大山が転校する追いかけるぞ!!」
「………え?」
大山って言うのは昨日喧嘩した金江の事だ。仲直りもしていないのに転校……嫌だ!せめて昨日のことを謝りたい。
「詳しく聞かせて!」
「大山の両親が離婚になった。揚げ句の果てにこっちは父方の家でアイツは母方の家に引き取られる文月駅から七駅先、霜月駅で30分の間特急の待ち合いのため停車する、そこで捕まえお前らを仲直りさせる」
私は自転車置き場に行きながら話を聞く。金江は10時発の普通電車に乗りそのまま終点の坂原駅に行くらしい。でも坂原駅の前には大きな川があり遠回しをしないと行けない。それに坂原駅までに10分以上停車するのは霜月駅だけそこで捕まえるしかない。午前いや今日の授業は全て欠席になるけどそれほどいたくない。だってほとんど自習だから久保くんと霧島さんが教室で電車の位置と私たちの自転車の距離をGPSを使い調べてくれるからそれにあわせて笹本くんが速さや道を調整する。私は後ろで重心の調整をすることとなってる。自転車置き場に着くと笹本くんは私の荷物と自分の荷物を近くの倉庫にかくし中から自転車を出してきた。元は自転車だけど普通はないパーツがつけられてる。もしかして………
「笹本くんこれってエンジン?」
「ああ人力発電でできた電気を700倍にしてエンジンに送り込み走る普通はな今はリミッターを外したから電車と同じくらいで走れる」
「でもそれってバイクになるんじゃ……」
「これはどっちかって言うと電気自転車だな基本人力だからなそれよりこれつけて早くのれ」
そう言って笹本くんから渡された、イヤホンを耳にいれマイクを襟元につける。そして自転車に乗り走り出す。文月学園は小高い丘の上にたってるから少しだけ坂道になってるそこをかけ降りまずは道路に出る。霜月駅の四つ前、多々良駅からは線路に沿って直線になってるそこまでに電車をぬくひつようか抜く必要がある。走りはじめて五分ほどで既に車と同速になってる。
『笹本くんその先の川は迂回する必要がある』
久保くんから来た連絡。目の前にはたしかに川があるが道がない。
「重心後ろ!!」
笹本くんからの指示、私はいわれたとうり重心を後ろにする。そして笹本くんはその速度を落とさず車止めに突っ込む。衝撃の後自転車は空を飛んでいた。そしてもう一度起きた衝撃の後自転車は再び走り出していた。そしてしばらく走ると今度は、行き止まり。そこを笹本くんはなんのためらいもなく走る。塀の上を
「ちょっと?!ここ道じゃないよ!!」
「何かが通ればそこは道だ」
少しの間塀を走った後、なんの障害もなくちゃんとした道を走っていた。
『………優子電車が今多々良駅を発車した』
霧島さんからの連絡。そして線路と道路が合流したときだ。私達の横を走る目的の電車がいた。
「行くぞ!!振り落とされんなよ!!」
ここからは直線勝負、どれだけ霜月駅までに電車と距離を縮めているかによって決まる。私は笹本くんを強く抱き締めて振り落とされないように踏ん張る。そして笹本くんもこぐペダルに力を入れる。一気に加速する自転車、あまりの早さに目を開けてられない。なんとか我慢して目を開けると、何台ものパトカーがこの道路を封鎖していた。
「あのババァ、間に合ったか」
「笹本くんこれって………」
「学園長だ今回の件で死人が出たら学園の評判が下がるって脅したら警察にてを回してこの道路を封鎖した。」
信号の障害もなく直線を走り続ける自転車。各駅停車の電車と違いノンストップで走り続けた自転車は予定よりも早く霜月駅にたどり着いた。笹本くんは警察の人と話があるため私は一人でホームに向かう。駅員に事情を話しホームで電車を待つそして電車が到着。電車のなかに入る前に金江が出てきた。
「優子!!どうしたの!!」
「ごめん昨日のことを謝りたくて……ごめんなさい!!」
「別に気にしてないよ………それより最後に優子に会えて嬉しかったよありがとう」
思い出話や別れの言葉を話した後、自転車置き場に向かう。するとそこには笹本くんと警察の人とがいた。
「どうだった優子?」
「なんとか謝れたよ」
「ならよかったじゃあ帰って補習受けようぜ共犯者と共に」
そう言って私のはずしたイヤホンを渡してくる。それを耳につけると……
『今回の件だが普通は全員停学とするのだがニュースで友情のために爆走した高校生、その思いが警察、皆を動かした。なんてほうどうされたからな今回は特別に一ヶ月間の補習とする』
西村先生の処分通知の声。
そして私達は帰るためにパトカーに乗る。
「そういえば何で笹本君は私のためにこんなことしたの?」
私のその疑問に笹本君は笑いながら答えた。
「さぁ何でだろうな」
その後から私は笹本君のことを思うたびになぜか心臓がドキドキしていた。これが恋って気づいたのはそれから半年後のことだった。 
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