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MS Operative Theory

作者:ユリス
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軍編制
  エゥーゴ(カラバ)とティターンズの編制①

——連邦軍から派生しながらも、異なる組織体系を持つエゥーゴとティターンズ——

 U.C.0087に勃発したグリプス戦役が宇宙世紀の他の戦乱と決定的に異なる点は、連邦軍を二分した内戦であったことである。

 この内戦を戦った二大勢力が、スペースノイドの側に立った反連邦組織エゥーゴと、旧公国軍残党の掃討を名目とする特務部隊ティターンズであった。両勢力は共に地球連邦を母体として誕生した組織のため、共通の装備を持っていたが、組織構造や部隊編成は全く異なるものであった。

 ティターンズの対抗勢力であったエゥーゴはU.C.0085に誕生した。本来は、U.C.0084頃から各サイドを中心に盛り上がりを見せていた反連邦運動のことを「エゥーゴ」と総称していた。

 しかし、U.C.0085,07,31の30バンチ事件を受けて、地球連邦宇宙軍の将兵を中心に義勇兵や元公国軍将兵などが参加し、今日知られる実戦部隊としてのエゥーゴとして再編された。さらにAEをはじめとする宇宙資本などの協力を受け、資金や装備だけでなく活動拠点などを確保していた。

 それでも初期には人員や装備が十分ではなかった為にゲリラ的な部隊編成が多く、連邦軍やティターンズから装備を奪うこともあった。また、組織の性格上、実力主義を採らざるを得なかったが、一年戦争を戦い抜いたベテランパイロットが多く在籍していたこともあり、結果として精強な部隊が編成されていた。

 エゥーゴはその活動方針を決定する上で、エゥーゴ内部だけでなく、スポンサーである宇宙資本の意向が強く反映されていたと言われている。そのため軍事的な行動だけでなく、政治的な目的を持った作戦も実行されている。

 ティターンズは、デラーズ紛争が終結した直後のU.C.0083,12,14に設立された連邦軍の特務部隊である。設立当初は連邦軍内の一部組織であったが、軍の有力者であるジャミトフ・ハイマン准将が指揮を執っていた事もあり、一般の連邦軍を上回る権限を持つ独立部隊へと変化した。

 この中でティターンズは、新型MSや新造艦を開発しただけでなく、グリプス(グリーン・ノア2)をはじめとする専用の拠点を建設。さらに各地のニュータイプ研究所を傘下に収めるなど、その権限や装備は拡大の一途をたどっていた。

 また、ティターンズは装備だけでなく、その編制の一般の連邦軍とは異なっていた。通常、連邦軍では階級や軍歴などによって役職が決定されるが、ティターンズは「エリート集団」と呼ばれるだけあって、実力主義的な側面を持っていた。

 また、ジャミトフ総帥をはじめとする上層部の権限が強いことから、有能なものであれば階級や経歴に関係なく重要な役職に就くことも珍しくなかった。これは、ジェリド・メサ中尉がジャミトフの側近に抜擢されたことや、パプテマス・シロッコ大尉が最終的にはティターンズの最高指揮官となったことなどからも理解できる。



——エゥーゴとティターンズの周辺組織——

 あくまでもエゥーゴやカラバ、ティターンズは戦闘を担う組織であり、バックアップ無しでは活動の継続は不可能であった。

 そのため、それぞれの組織はその背後に強力な資金力を持つスポンサーを有していた。また、これらのスポンサーは資金や装備だけでなく政治的な支援も行っていた。有名なものがエゥーゴを支援したAEや、ティターンズの母体でもあった地球連邦である。


■エゥーゴ—————アナハイム・エレクトロニクス

 エゥーゴを支援した宇宙資本の中でも、AEは突出した力を有していた。AEがエゥーゴをバックアップした背景は、メラニー会長の意思による所が大きいとされる。ティターンズと、それを看過する連邦の怠慢が、地球圏の経済を崩壊しかねないものだったこともAEがエゥーゴを援助した理由の一つであった。


▼活動方針の指示

 AEは「金」だけではなく「口」も出す存在であった。攻撃目標や作戦、同盟相手の選定まで行う、事実上の上層部ともいえた。


▼新型MSの提供・開発

 エゥーゴの新型艦艇やMSのほぼ全てがAE製であった。AEはエゥーゴのために多数の兵器を開発し、無償で提供していた。


■ティターンズ—————地球連邦

 ティターンズは地球連邦軍の一部隊として創設されたため、その活動費や装備の調達資金は、地球連邦の予算から捻出されていた。また、ジャミトフ大将の政治工作によって、新型艦艇や新型MSの開発、調達などの通常の予算以外にも、グリプス建造用の予算までもが秘密裏に計上されていた。


▼宇宙政策の怠慢

 一年戦争後も連邦政府は宇宙政策を積極的に行わなかった。これがティターンズのスペースノイド弾圧を許す一因となっていた。


▼権限拡大の追認

 アポロ作戦の成功を見た地球連邦政府は、ティターンズの権限拡大法案を簡単に可決してしまった。


■カラバ—————ルオ商会

 エゥーゴに対するAEのように、カラバは華僑系資本のルオ商会からの援助を受けていた。ルオ商会の政治的スタンスは不明だが、U.C.0087,06,29のカラバとの接触以来、積極的に物資の支援を行っていた。代表のルオ・ウーミンはカラバの行動を「楽しみにしていた」という。


▼連邦議会への工作

 ルオ商会はその経済規模や闇社会との繋がりから、一部の連邦議員と通じており、議会工作でカラバの援護を行うこともあった。





補足事項

——第1次ネオ・ジオン戦争のエゥーゴ——

 第1次ネオ・ジオン戦争ではエゥーゴの戦力が崩壊していたことや、指導者であるシャアが失踪したこともあり、AEは意思決定機関の役目を果たさず、兵器の供給のみを行っていた。

 このため、ティターンズの壊滅にとって権力を取り戻した連邦政府と連邦軍がエゥーゴに干渉するようになり、確固たるリーダーを持たないエゥーゴは大規模な行動を取れなくなった。


●ネェル・アーガマ

 新旗艦ネェル・アーガマ。AEが開発した第三世代艦艇だが、単艦での行動しか採らなかった。



——カラバの編制——

 地球上におけるエゥーゴの友軍カラバも、当初はエゥーゴをサポートする組織だったが、エゥーゴからのMSの譲渡を契機に武装化を進め、独自に作戦を展開できるようになった。

 装備は連邦軍からの鹵獲兵器やエゥーゴと同じAE製MSが主力であったが、僅かながらカラバ独自の改修機も存在した。実戦部隊はハヤト・コバヤシとアムロ・レイ大尉のアウムドラ隊を中心とし、各地の支部や協力者と連携しながら行動していた。

 
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