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とある英雄の学園生活

作者:にゃん丸
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第23話 入学式 後編

 入学式が始まって30分ぐらいがたち最後に理事長であるネイの挨拶が始まる。
 
 「それでわ、最後に学園都市理事長兼市長であらせられるネイ・イチジョウ様お願いいたします」
 司会の紹介で舞台袖から出てきたスーツ姿の女性は、俺が知っているネイではなかった。
 なんて言ったらいいのかわからんが簡単に言えば完成された美とでも言える。
 俺が知っているネイより体が成熟している。
 真っ平らだった体はボンキュボンになっていた。
 美少女から美女に変わっていた。
 俺はセリアの言葉を思い出した。
 これほどの美しい女性になっていたらそりゃ男たちはほっとかないよな。
 俺は壇上にいる美しい女性を娘として接していたのか。
 俺がいろいろ考えボーゼンとしていると
 
 クイッ
 アリスが俺の腕を引っ張り
 
 「すごい美人だね」
 
 「ホントだな」
 
 (でも、あたいの方が美しさでは負けていないわ)
 
 (……はいはいそうですね)
 
 (なにその返事)
 
 (別に、イフリートは美人だよ)
 
 (ネイより?)
 
 (ああ)
 
 そんなやりとりをイフリートとしていると
 ネイがこちらを見たような気がしたのだが。
 気のせいか。
 そしてネイのお祝いの挨拶も終わり入学式が終わった。 

 「ちょうどお昼だしこの前行ったレストランでも行くか?」

 「うん」

 アリスはお子様ランチが気に入ったようだ。
 アリスと雑談しているとちょこちょことお子様ランチの話がでてくるのだ。
 そしてご飯に刺さっていた旗を大事そうに持っているのを俺は知っている。

 (ちょっとあたいも人型にもどりたいんだけど)

 (剣のままでいいじゃないか)

 (いやよ、ごはん食べれないじゃない)

 (別に食べなくてもいいだろう)

 (綺羅、あたいはここで人型に戻ってもいいんですけど) 

 (わかったから、こんな人が多いとこでもどるな)

 こんな人が多いところで人型なんぞにもどられたらいい迷惑だ。

 (わかれば……綺羅囲まれてるわ!)
 (え……)
 
 あたりを見回すが特になにもないようだが……あ
 確かに何人かが俺に対してさ殺気を発しているな。
 こんな人が多いところで仕掛けられるとやばいな。

 「アリスこっちに」

 とりあえず逃げよう。

 (やっつけないの?)

 (こんなとこで戦えるか)

 俺たちは早歩きで殺気が放されていない方向に向かった。
 行き止まりだ。
 しまった。こっちの方向に誘導されたみたいだ。
 まだまだ甘いな俺も。

 (くるわよ)

 (わかってるよ)

 俺の周りにダークエルフ3人が俺を囲んでいた。
 こんな場所で仕掛けてくるのか

 「アリス後ろに下がって」

 「うん」

 アリスをかばい剣をすぐに抜けるように柄を持つ。
 3人のダークエルフのリーダー格の男が殺気を放しながら俺の前に立つ。

 「何か用か?」

 「キラ・イチジョウ殿ですな」

 「そうだが」

 「入学式終了後に武道館で待っていただくようにお伝えしていると思いますが」

 あ……忘れてた。
 忘れてたと言うのはなんかカッコ悪いので
 
 「ああ、そういえばそんな手紙をもらったが、名前もない手紙に従うきはない」
 
 「貴様」
 
 リーダー以外のダークエルフが今にも襲いかかろうとしている。
 
 「やめろ」
 
 「しかし」
 
 「申し訳ございませんがキラ殿一緒についてきて頂けませんか」
 
 「いやといったら」
 
 「力ずくでも来ていただきますが」
 
 力ずくってこいつら本気か、
 
 「俺に勝てると思ってるわけ?」
 
 「勝っことはできないと思いますが、後ろにいる姫に怪我を負わすことはできますが」
 
 「貴様ら死にたいみたいだな」
 
 こいつらぶちのめす!!
 
 (ちょっと綺羅冷静になりなさい)
 
 (俺は冷静だ。冷静にこいつらをぶちのめす)
 
 (あのね……とりあえずこいつらについて行ったら)
 (なぜ)
 
 (あのね彼らは綺羅に用があってアリスには用がないのよ。だから綺羅がついて行ったらアリスには手をださないはずよ)
 
 だがこいつらの言うとおりに動くのがいやなんだが。

 「アリスに手を出さないならついていくが」

 「用があるのはキラ殿だけだ。姫には一切手は出さん」

 「信用してもいいんだな」

 「ダークハイエルフ様の名にかけて手は出さん」

  ん!?ダークハイエルフ?
 ダークエルフの王族のことか……なら信用してもいいか

 「わかった、案内しろ」

 俺とイフリートだけでもなんとかなりそうだが保険をかけておこう。

 (シヴァ……聞こえているか)
 
 (はい)
 
 (すまないが武術武道館まで来てくれ)
 
 (分かりました。すぐに向かいます)
 
 (頼む)
 
 ダークエルフ3人に囲まれて俺たちは入学式が行われた武術武道館に戻った。 
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