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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス

作者:海戦型
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役者は踊る
  番外編 「一般生徒の日記」

 
前書き
まだ復活じゃありませんが偶にはこういうのもいいでしょ。
タイトルで察した貴方、そうです。またモブ子です。 

 
○月○日

IS学園での生活もそろそろ慣れてきた。最初はプレッシャーもあったが何のことはない。
確かに教育のレベルは高いが、同級生たちはガリ勉タイプではなく普通に話せる子ばかりだ。

それに・・・違うクラスではあるが、「彼」もいる。

世界初の男性IS操縦者、織斑一夏くん。

俳優も目じゃないくらいイケメンで、しかも性格もイケメン。
ISも私達と同じ素人の筈なのに専用機を乗り回し、この前はイギリスの代表候補生にあと一歩のところまで迫ったほどだ。もうカッコいいったらありゃしない。それでいて子供っぽさが残る言動が母性本能を(くすぐ)る。

この前廊下ですれ違った時に挨拶をしたら返事を返してくれた。
なんかもうそれだけでその辺の男とは格が違う気がする。

ああ、1組の子たちが羨ましいなー・・・
よく一夏君と一緒にいるポニーテールの女、箪笥の角に小指ぶつけないかなぁ・・・




○月▼日

なんだかいつもより早く目が覚めたため外を眺めてみると、中庭に人影があった。
確か一夏君以外の男性操縦者兄弟だ。・・・む、今まで興味なかったけど結構いい男。

組手をやっていたが、お兄さんらしき人の圧勝だった。弟君が弱いのか、お兄さんが強いのか・・・
心情的には負けている弟君の方を応援したいところだったが、結局勝てなかった。

しかし組手が終わった後は二人で仲睦まじそうに学生棟へ戻っていった。
仲、いいんだなぁ。でも日本ではああいうのを無理やり同性愛に結び付ける文化が流行っているらしい。

願わくばあの二人の兄弟愛が汚されない事を祈る。




□月○日

最近、隣の席の簪さんの様子が少し変わった。何というか、前より表情が柔らかくなった気がする。
噂によるとあの兄弟の弟の方・・・結章君とデキてるだの何だの。
大人しそうな顔してやることはやっているのだろうか。日本人は見かけによらず情熱的なんだね。

本人は違うと言っているが、携帯電話の待ち受けに彼の写真を設定している時点で邪推されるのは当たり前だ。
流石に表だって聞く勇気はないが、もしそうなら羨ましい。私だって一夏君と・・・

一夏君といえば、彼は最近4人目の男性操縦者のファンクラブを作ったと聞いた。
ま、まさか一夏君は同性を・・・もう寝よう。深く考えない方がいい。




□月×日

食堂で一夏君とご飯を食べる女が増えた。ファンとかいう中国の転入生だ。
苗字がファンなくせにアプローチは一夏君ファンの域を超えている。
・・・・・・妬ましい。私だって一緒にご飯食べたりお喋りしたいのに。

でもそれも高嶺の花なのかもしれない。彼はブリュンヒルデの弟で世界トップクラスのVIPなのだ。
対する私はしがない学園生徒。あのファンと言う女は代表候補生で、私達より各上な存在と言える。

はぁ・・・私を慰めてくれるのは何故か私の本国ことインドで食べたそれよりおいしいナンとコルマだけである。

あ、コルマと言えばこの学園の食堂の充実加減には驚かされた。
外国人はインドの煮込み料理を全部「カレー」で一緒くたにしていると聞いていたが、この学園ではそうではなくメジャーなものが各種取り揃えられている。しかもベジタリアン用と非ベジタリアン用の区別までして、だ。正直日本人の親切さ加減は凄いと思う。

食道のおばちゃんに聞いてみたら、昔インド人の学生が直訴してからこうなったらしい。
ついでに私が食べたコルマを含むインド料理類はほぼ全部特注のレトルトとのこと。
日本恐るべし!




□月○日

あの一夏君の近くによくいるポニーテールの女・・・彼氏持ちらしい。
あくまで噂の域を出ないが、いったいその彼氏とは誰だろうか?

一夏君であっては欲しくない。結章君は簪ちゃんと出来てるから除外。
ベルーナ君は流石にないだろうから消去法で承章さんだろう。そうであればいいな。
どっちにしろ羨ましいけど。私も意中の人と結ばれたい。

もし一夏君と付き合ってるなら呪われてあれ。




△月▽日

ごーるでんうぃーく、と言うのか。国民の祝日が3日重なっているからそう呼ばれているらしい。
授業がないというのは確かに開放的だが、ちょっと物足りない感じも受ける。
生徒でごった返していない食道。誰もいない授業棟。なんだか不気味だ。
流石に1週間にも満たない間にインドの実家へ帰る訳にもいかない。似た理由で海外組は多くが帰郷していない。

クラスメートに、明日外に買い物に行かないか、と誘われたので明日を楽しみに待つことにしよう。
はぁ・・・暫く一夏君の顔を拝めないなぁ。




△月□日

日本の服って皆あんな感じなんだろうか?本国の感覚ではちょっと信じられない。
あんなに足の肌を露出して・・・へそまで出すなんて。無理無理絶対真似できない。
ヒンドゥー教では女性が肌を見せる=男性を誘惑しているという考えだし、地元であんな恰好怖すぎる。

というのに、面白半分でズボンを脱がされて丈の短いスカートを穿かされてしまった。
しかも写真撮影まで・・・もうやだこの国。みんな面白がってるし。

・・・でも、かわいかったなぁあの服。友達も似合うって言ってくれたし・・・
日本でならちょっとくらい良いよね?




△月×日

久々に早く目が覚めたので残間兄弟が朝練していないか覗いてみた。
中庭の訓練に人が増えてる。兄弟以外にデュノアさん、凰さん、後ろの方にいるのは転入生と・・・誰だっけ?確かイギリスの代表候補生と一緒にいる子だ。

というか組手の内容が本気過ぎる。全員が全員アクション俳優張りの迫力だ。
デュノアさんとか見かけによらず力ある事にも驚かされた。関節技決めようとしたイギリスの付き人の子を片手で持ち上げてた。あの腕の細さでどうやって・・・?

というか彼等はあんなに鍛えて一体何と戦う気なんだろうか?




△月●日

今日、初めてイタリアの男性IS操縦者を見かけた。
可愛い。男の子なのに可愛い。きっとサティー(※)の生まれ変わりに違いない。
あれなら一夏君がファンクラブを作ったのも頷けるというものだ。

でも彼は何で女性の格好をしていたのだろうか?
・・・まぁいいか。友達は「可愛いは正義」と言っていたから、可愛いなら問題ないだろう。



※(インド神話における破壊神シヴァの最初の妻。後に生まれ変わり女神パールヴァティーとなる)


×月▽日

風の噂で大ニュースが飛び込んできた。
何と次のトーナメントで優勝したら「好きな男性IS操縦者と付き合える」んだそうだ。
付き合うって言ったらつまり・・・そういう事よね?
一夏君といちゃらぶ出来るのよね!?

俄然やる気が出て来た。聞いた話では今アリーナで承章さんが実技演習をしているらしいので早速行ってくる。




×月○日

明日からトーナメントだ。なんとAブロックで一夏君と同じブロックなのだ。
勝ち抜けることが出来たら直に会えるかも・・・!!

あと一夏君とタッグ組んでる佐藤とかいう子は生爪はがれて苦しめばいいと思う。




×月□日

レーザー怖い。ハンマー怖い。刃物怖い。BT怖い。IS怖い。
なんなのあの金髪ロールと投擲女。淡い期待が0,2秒で消し飛ばされたんだけど。

あと撃墜されて意識を失ってる間にあの佐藤って子に笑顔で爪をはがされる夢を見た。

明日からさん付けで呼ぼうと思う。

 
 

 
後書き
名前:ラズィーヤ  国籍:インド 性別:女性
惚れっぽい性格の乙女少女。そこそこ嫉妬深い。身長はちょっと低めで、少し黒に近い黄色肌のモンゴロイド系。ビンディー(額のアクセサリ)は別につけてない。インドはIS開発においては後ろの方なので代表候補生じゃなくても本国では割と重要人物扱いらしい。誘惑に弱く、ヒンドゥー教の教えをちょくちょく破っている。

※インドでは姓に当たるものに地名や父親の名を用いるのだが、これではカースト制での身分が割れてしまう場合がある。カースト制が無くなった今もそういったことを気にする人は多くいるので、インドの公的な身分証には名前だけが記名される場合が多い。よってインドの慣習に配慮してか学園の資料にラズィーヤの姓は記されていない。

インド人にしたのは何となくなんだけど、また本編と毛色の違う内容になってしまった・・・

なお、インドがIS開発で遅れた理由は内部の混乱が激しかったため。原因はカースト制の残した様々な差別問題やら何やら。皮肉にもISの登場で差別が(ある程度)改善されているが、未だ社会は不安定気味である。 
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