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迷子の果てに何を見る

作者:ユキアン
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第三十話

 
前書き
ロマン
それを求めて男達は今日も無茶をする。
byレイト 

 
未来人

side ???

う~む、これは一体どういう事か?
集めてきた情報とこちらで集めた情報が違いすぎる。私は確かに過去に飛んだはずだが、まさか私が飛んだ事でのバタフライ効果か?
だめだ、予想の域でしかない。
こうなったら特攻するしか無い。私はどんな事をしてでも未来を救う。その為に来たのだから。



side out







side レイト

オレは日曜日や休みの日に限り店番をしている。
そして、この日に限り魔法先生や魔法生徒がよく顔を出す。
理由は簡単だ。ライダーベルトやアニメの武器や魔法具のレンタル(危険すぎるため販売は一切していない)を行なっているからだ。この店の裏の売り上げはこれが7割を占める。残りの2割はオレ謹製の魔法弾、1割はちょっと変わった魔法薬だ。
表の売り上げは大半がキティ謹製のぬいぐるみや人形、オレも少数だけ作っている小物、ちょっと特別製の占い道具、極少数だがオーダーメイドで作った服を売っている。たまに相談事をしにくる女生徒も見られる。
まあ、表も裏も繁盛している。正直、オレの教師としての給料より儲けていたりする。

閑話休題


そして、今日もいつも通りの日々が過ぎるのかと思っていると一人の来客が在った。

「いらっしゃいませ」

「こちらにエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル殿がいると聞いて来たヨ」

見た目から喋り方まで似非中国人っぽい女の子の客だった。

「それは妻の旧名だな。今はエヴァンジェリン・M・テンリュウだ」

「失礼したネ。私は超鈴音ね」

「オレは天流・M・零斗だ。零斗で構わないよ」

「それなら私も超でいいネ」

「わかったよ。それで妻の旧名を知っているという事はこちら側の人間で良いんだな」

「そうヨ、実はエヴァンジェリン殿に頼みが在って来たネ」

「残念だが今は子供達と買い物に出かけている。オレで良ければ話は聞いてやるぞ」

「真面目で突拍子な話になるが構わないか」

今までの巫山戯た喋り方からまじめな喋り方になる。
それに合わせてオレも『形なきもの』として対応に当たる事にする。
それから超が話した事を簡単にまとめてみる。

1、自分は未来の火星から来た。
2、未来では魔法世界が崩壊して魔法世界人は火星のど真ん中に放り出された。
3、大都市は結界を張る事でなんとか生きていられる状況。
4、その後、火星の住人は地球に移住しようするも地球側がこれを拒否。
5、生きる為に戦争が行なわれた。
6、自分はその歴史を変える為に過去に来た。

これは現実を伝えないといけないのか?こんな真剣な表情をする少女にこんな残酷な事を告げていいのだろうか。

「どうかしたか」

「……超、現実を突きつけても良いか」

「何か有るのか」

「魔法世界は崩壊しない。少なくとも後2000年は持つ」

「バカな、10年以内に魔法世界は崩壊すると私の歴史が証明している」

「それなんだが、ここに来る為に使ったタイムマシンを見せてくれないか」

「……これがそうね」

そう言って超が取り出したのは少し大きい懐中時計だった。それを受け取り久しぶりに全力で『理解』する。

「なるほどね。帰すよ」

「何か分かったのか」

「結論から言えばこいつはタイムマシンじゃない」

「なぜそんな事が分かる」

「それがオレだからとしか言いようが無いが、まあいい。オレもちょっと昔話をしてやろう」

オレは色々な事を話した。この世界に飛ばされキティと出会った事からオレがこの世界に来て行なってきた事、転生者の事も含め全てを語った。

「では、この世界の未来では」

「少なくともオレが生きている限り、超の言う未来にはならないだろう」

「そうか、この世界ではあんな未来にはならないか」

安心したのか超の目から涙がこぼれる。
オレは何も言わずにコーヒーを入れに店の奥に引っ込む。
数分経ってから超の分のコーヒも入れて戻る。

「それで、超はこれからどうするんだ」

「どうするとハ?」

また似非中国人に戻ったみたいだ。

「元いた場所に帰るのか、それともこのまま居るのか」

「帰ろうにもカシオペアには莫大な魔力がいるネ。それこそ極東1の魔力を持つ近衛木乃香さんでも5、6人はいるヨ」

「その程度なら今すぐにでも用意してやれるぞ」

「遠慮しとくネ。カシオペアがタイムマシンでないと分かった以上私は確実に元の世界へ帰る方法が無いと言ってもイイ。なら私はここで世界を見ていたいネ。私の世界が辿り着けなかった世界を」

「子供が何言ってるんだか。新しい夢でも見つけて幸せに暮らせば良いだろう。オレみたいに」

「私は世界が平和であればそれで良いネ。後は科学に全て捧げてやるネ」

「ならオレはこれ以上何も言わんよ。次いでなんだがどうやって未来を変えようとしたんだ」

「それは」

超が行なうつもりだった計画を聞いている途中にキティ達が帰ってきて、そのキティを見た超が唖然としていた。なぜかと思ったが、考えてみればオレが居なかったらキティは今のリーネと瓜二つな事を今更ながら思い出した。性格もだいぶ丸くなったし。それはさておきオレが超の計画を聞き終わって思った事は。

「おもしろい」

これ一言に尽きた。そして

「オレも協力するぞ」

ということで超をオレの魔法球に案内してライダーベルトとバイク、某愉快型魔術礼装のプロトタイプ(チウちゃん用の元になった奴。人工AIは未実装)、デバイス。あと使う場所とか機会が無いという理由でお蔵入りした設計図を見せた。(参考元となったアニメや漫画やゲームも見られた。実は仲のいい魔法先生達との間で貸し借りも行なっている。主にオレが貸す方で。もちろんキティも子供達も存在は知っている)

「これはロマンを感じるネ。こちらこそ協力をおネガイするネ。あと他に協力者が居るのだがここに招待しても」

「どんな奴だ」

「一言で言うならマッドヨ」

「こういうのにロマンは」

「少し前にドリルかガトリングかで論争になったヨ」

「オレは最近パイルバンカーにハマっているな」

「ステークか?」

「いや、ノットバスター。アームパンチでも可」

「なかなか渋い趣味ネ。嫌いじゃ無いヨ。それにしてもよくこんなのを作る気になったネ」

「オレは童心を忘れない上に自分の子供にもの凄く甘いからな。ついつい作ってしまうんだよ。ライダーなんて特にそうだ」

「私は子供だからよく分からないが、そういうものなのカ」

「そういうもんさ。それとその協力者だがもちろん魔法の事も知っているんだろうな」

「一応、ガイノイドを作ると言っているから最低限の事は教えてるネ」

「なら来週の日曜に連れてきてくれ。オレの方の関係者とも顔合わせしといた方が良いだろう」

「分かったヨ」






後日、紹介されたのは葉加瀬というリーネ達と同い年の娘だったが所謂天才児でマッド、話もそこそこ合う中々良い子だった。
これで人材は揃った。待ってろよ麻帆良祭、ネタとネタとネタと時々真面目に暴れてやる。


side out 
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