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ドリトル先生と日本のお料理

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第三幕 王子の洋館その七

「そっちも楽しんでね」
「うん、ではね」
 先生は ナポリタンも堪能しました、そしてです。
 ハンバーグも食べました、そのうえでまた王子に言いました。
「これはソースが」
「そう、デミグラスソースだけれど」
「やっぱり日本だね」
「そうなんだ、しかもこのハンバーグもね」
 それ自体もだというのです。
「牛肉と豚肉だけを入れているんじゃないよ」
「人参に玉葱も入っていて」
 大きなハンバーグの中には赤いものや白いものも入っています、それが人参や玉葱であることは言うまでもありません。
「それに他にも」
「鶏肉や魚肉ソーセージも入っているんだよ」
「そうだったんだ」
「学校の給食で入っているからね」
 それでだというのです。
「このハンバーグには入れているんだ」
「そうなんですか」
「そう、だからね」
 それでだというのです。
「このハンバーグの中にも入っているんだ」
「成程ねえ」
「これも日本独自だね」
「そもそも魚肉ソーセージがね」
 それ自体がです、イギリスでもソーセージはよく食べられるのですがそれはあくまでお肉のソーセージだからです。
 魚肉ソーセージ、それはといいますと。
「日本のものだし」
「そうだね、これはね」
「身体によさそうだね」
「実際にそれも考えてなんだ」
 魚肉ソーセージを入れているというのです、他のものも。
「そうしたハンバーグなんだ」
「日本のハンバーグだね」
「そうだよ、それとだけれど」
「それと?」
「今回はパンじゃないからね」
 王子はにこりと笑ってこのことを断るのでした。
「やっぱり洋食でね」
「ううん、日本の洋食の中で」
「これはとびきりのものだよ」
 王子はフォークとナイフでハンバーグと付け合せの焼いたお野菜を食べつつ先生にお話をします、このことも。
「その洋食の中でもね」
「ナポリタンと同じだけね」
「そう、とびきりのものだよ」
 まさに洋食、日本のお料理の中でもだというのです。
「だからそれもね」
「楽しみにしていていいんだね」
「是非ね」
 こう言うのです、先生に対して。
「二度びっくりするよ」
「二度?」
「見て食べて」
 そうしてだというのです。
「二度びっくりしてね」
「それじゃあね」
 先生は王子のこれまで以上に楽しげな言葉に応えました、そうして。
 ハンバーグも食べ終えました、そして次に出て来たものは。
 オムレツです、かなり大きな分厚いオムレツが出てきました。その黄色いオムレツには赤いケチャップがかけられています。
 一見するとただのオムレツです、ですが。
 先生はその端にあるものを見つけました、それはといいますと。
「御飯かな、オレンジだけれど」
「チキンライスだよ」
「チキンライス!?」
「それも日本の洋食の一つでケチャップを入れて炒めたものなんだ」
「それがチキンライスなんだ」
「鶏肉を小さく切ったものや玉葱も入れてね」
 そして作ったものだというのです。
「それがチキンライスなんだ」
「それもあるんだね」
「そうだよ、それでそのチキンライスをね」
 王子は自分の前にもあるチキンライスを見つつ先生にさらにお話します。 
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