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MS Operative Theory

作者:ユリス
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グフの開発①

——汎用性を犠牲にした、陸戦用格闘戦型MS、グフ・シリーズ——

 一年戦争初期、ZEONIC社は地球環境に適応すると同時に対MS格闘戦を強く意識したMSとして、MS-07(グフ)を開発した。

 MS-06(ザクⅡ)のロールアウトを目前にしていたU.C.0076,12、ジオン公国軍は地球侵攻を視野に入れた局地戦用MSの開発をスタートした。ジオン公国軍は局地戦用MSにあたって、コロニーよりもはるかに厳しい環境下にある地球上での運用性と、MS用格闘兵装の開発や格闘戦能力を求めた。

運用地域を限定することで高い性能を発揮する局地戦用MS(この場合は陸戦用MSや水陸両用MS)は、ジオン公国軍が予定していた地球制圧に不可欠な装備であった。また、局地戦用MSに高度な格闘戦能力が必要とされていた理由として、地球連邦軍MSの投入が確実視されていたこと、そしてMS同士の戦闘は格闘兵装を用いた「格闘戦」になると考えられたことがあげられる。

 MS-05(ザクⅠ)の装備としてヒート・ホークが用意されていたことからも分かる通り、MS同士の格闘戦は比較的古くから意識されていた。

また、キシリア・ザビ大佐(当時)がMS-06C(ザクⅡC型)に、格闘戦に対応した装備—————肩部シールドとスパイク・アーマー—————を搭載するように指示したことからも、ジオン公国軍がMS同士の格闘戦の発生を予期していたことが分かる。このように、ジオン公国軍は、地球連邦軍製MSとの戦闘のため、より高度な重力下運用能力と格闘戦能力を持つ局地戦用MSを開発したのである。

 MS-07(グフ)の開発は、地球侵攻作戦で占拠した北米キャルフォルニア・ベースで行われた(地球侵攻作戦にグフ・タイプMSが投入されたともいわれることから、開発そのものは開戦以前から行われていたとも考えられる)。

MS-08(後のイフリート)計画と統合する形で進められたグフの開発は、完全新規のMSとしてではなく、ザクⅡJ型(D型とも)を原形機として実施された。グフはザクⅡJ型のパーツを約40%流用し、残りを新規パーツとして開発がすすめられた。

その結果、ザク・シリーズに似た外見的特徴を持つMSとして完成したが、地上用冷却システムや足回りが大幅に強化されたことによって、地球環境に対応した能力を獲得するに至った。また自由度が高い左膳腕部へのシールドの装備や大型格闘兵装「ヒート・サーベル」の採用、さらに装甲を増厚(複合装甲を採用)することで高い格闘戦能力を有するにいたった。

さらにグフの特徴的な点として、最初から陸戦格闘用に特化して設計されていたことがあげられる。グフは両前腕部に近接戦用兵装を内蔵しているだけではなく、宇宙用への感想を考慮していないという、汎用性に主眼を置いて開発されたザク・シリーズとは性能傾向を異にする機体であった。

陸戦型格闘戦用MSの一つの到達点だったグフは、東欧や中央アジア、北米などに配備されたほか、飛行型に代表されるバリエーションなども開発されている。




補足事項

——グフの兵装——

 グフはザク用やドム用の兵装を流用できるが、基本的には格闘⁄接近戦用兵装を用いた戦闘を前提としている。このため、専用兵装もショート⁄クロスレンジに対応しており、ザク・シリーズの物よりも高い攻撃力を誇る。特に電磁ムチ「ヒート・ロッド」は打撃だけでなく、電撃により敵機の電機系やパイロットにダメージを与える特殊兵装である。


■ヒート・ロッド

 右前腕に内蔵されている電磁ムチ。微細圧電アクチュエーターを含む特殊構造のデンドリマーと、それを覆う導電率の高い重合体から構成される。


■ヒート・サーベル

 ヒート・サーベルType-βⅣ。剣型のセラミック系発熱体を最初から持つものと、高分子化合物によって刀身を瞬時に形成するタイプがある。


■シールド

 左前腕部に外装するシールド。前腕に装備されたことで、ザクⅡのモデルよりも防御性能が向上した。格闘戦だけでなく射撃戦時ににも有効な装備である。

 
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