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とある英雄の学園生活

作者:にゃん丸
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第17話 アリスとお子様ランチ

 1週間の船旅でジパング学園都市の港についた。
 港は広く数台の船が停泊している。
 聞くところによると学園都市の総人口は50万人でそのうちの10万人が生徒だ。
 俺が知っている前の世界でもこれだけ大規模な学園都市があっただろうか。
 その学園都市で市長兼理事長をしているネイはほんとすごい。
 会ったら褒めて上げないといかんな。
 
 「キラすごいね、人がいっぱいでみんな笑顔だよ」
 
 言っているアリスも笑顔になっている。
 
 「船から出てきた子はアリスと同じで新入生ばかりなんだろう。だからみんな学園都市に来られてうれしいから笑顔なんだよ」
 頭を撫でながらアリスを見ると
 
 「えへへへ」
 
 笑いながら俺をみるアリス
 
 「じゃあ、キラもうれしいの?」
 
 「ああ、うれしいぞ!」
 
 さらにアリスの頭を撫でる俺
 
 「「…………」」
 
 2人の魔人メイドが軽蔑する目で俺をみる。
 
 「なんだ?」
 
 「別に……」
 
 「なんでもありません」
 
 言いたいことがあるなら言えよほんと。
 相手をするのが嫌になってきたので無視することにきめた。
 入国手続きに行っていたセシリアとその部下が戻ってきた。
 
 「お待たせしました、大尉」
 
 「結構時間がかかったみたいだが」
 
 「ええとですね……」
 
 後ろをみるセシリア、俺もそちらを見ると数人の入国管理者がこちらを見ている。
 好奇心で見る者や年配の方になると俺を拝む者もいる。
 
 「なんだあれ?」
 
 「大尉が英雄キラ様とわかっていろいろ聞かれまして」
 
 いろいろって……何を聞かれたんだ。 
 そのうち俺を見る人間が増えてきてる。
 いこごちが悪い。
 
 「とりあえず、ここから離れよう」
 
 「そうですね」
 
 俺たちは繁華街の方に向かった。
 


 「では、セシリア隊長我々は先に屋敷に行っておりますので」
 
「ええお願いします」

 セシリアの部下5名は俺たちの荷物が入った馬車3台と一緒に屋敷に向かうことになった。
 アリス街を探索したそうな雰囲気だったのと
 俺も1ヶ月(30年)前のジパングがどう変わったか見たかったので
 セシリアに街を探索したいと頼んだら、少し考えたあとに了承してくれたのだ。

 俺の知ってるジパングとは違いかなり近代化されていた。
 簡単に言えば江戸時代から明治時代に変わった感じだ。
 そして色々な人種が生活をしている。
 たぶんネイの方針で人間も亜人も差別なくここに住み、誰でも学問ができる国なんだろう。
 何度も言っとくがホントウチのネイはすごいよ!

 「そろそろ何か食べたいわね」

 胸元がかばっと開いたセクシーメイド服?を着ているイフリートがレストランの前で立ち止まった。

 「私たち魔人はお腹が空かないでしょうが、それよりも本屋に行きたいです」

 ゴスロリメイド服を着ているシヴァがレストランの右隣にある本屋を指差す。
 そろそろお昼の時間だからここのレストランで食事にするか。

 「アリス、お腹すいていないか?」
 
 「ええと……うん」
 
 アリスは右手でお腹を抑えている。
 どうやらお腹が空いているみたいだ。
 
 「じゃあここでいいか」
 
 「あ~い」
 
 「食事が終わったら本屋ですよ」
 
 「わかりました」
 
 俺たちはレストランで食事をすることした。

 「いらっしゃいませ!」

 元気のいいウェイトレスさんだ。
 
 「5名様ですね、おタバコは吸われますか」
 
 「いいえ、吸いませんので禁煙席でお願いします」
 
 「はいわかりまた、あいにく禁煙席は満席のため少しおじ……」
 
 対応したセシリアの顔を見て驚いた表情をし持っていたハート型のおぼんを落としそうになり
 
 「セセセセセ、セシリア・ファーム様ではないですか!!!」
 
 「そうですが」
 
 「ああああああの私セセセセ、セシリア様の大ファンだったので」
 
 ウェイトレスの子はかなり興奮している。
 
 「ファン?」
 
 アリスが首をかしげセシリアを見たあと俺を見る。
 
 「なんだろうね?」
 
 「あああああの、握手してもらってもいいですか?」
 
 「別に構わないですが……」

 セシリアも困惑している
 
 ウェイトレスさんとセシリアは握手をする。
 ウェイトレスさんは涙めになってきている。
 
 「チョット!あたいはお腹がすいてるの!早く席に案内しなさい!」
 
 イフリートが切れた。
 
 「だからお腹なんて空いていないでしょう」
 
 冷静に突っ込むシヴァ。
 
 「ももももも、申し訳ございません、こちらにどうぞ」
 
 案内された席は部屋の真ん中にある豪華なテーブルに豪華な椅子の一番目立つ席だ。
 拷問かよ!
 もしくは俺たちは動物園のパンダか!
 ちょっと……てかかなり恥ずかしいのだが。
 席を変えて欲しいと頼んだのだが空いている席がここしかないと言われたのでこの席で食事をすることになった。

 「あれってセシリア様でわ」

 「ああ~またお目にかけることができるなんて」

 「セシリア様変わらずお美しい」

 などなどセシリアを褒める言葉があっちこっちから聞こえてくる。

 「何なんだこの状況は?」

 セシリアに訳を聞いたのだが

 「私もなんのことかさっぱり?」

 セシリアもこの状況にとまどっているみたいだ。
 2年前に卒業したセシリアなのだから知っている人間はいると思うのだが、
 ウェイトレスさんも噂をしている人もセシリアは面識がないみたいだ。
 たぶんセシリアは美人だし文武両道の騎士で母親のセリアは6勇者の1人だから本人が知らないところでアイドル化していたんだろう。

 「メニューでございます」

 メニューを見るがイマイチわからん内容だ。
 日替わりランチがあるからそれにするか

 「俺は日替わりランチにするが」

 「あたいもそれでいいよ」

 「私も……」
 
 「私も日替わりで」
 
 「…………」
 
 アリスは横でお子様ランチを食べている男の子を物欲しそうに見ている。
 ふむふむ
 
 「日替わりランチ4つとお子様ランチ1つと食後に紅茶を4人分を頼む」
 
 「はい、かしこまりました。すぐにお持ちします」
 
 ウェイトレスは厨房に走っていった。
 
 「え?」
 アリスがきょとんとしている。
 
 「ん?嫌だったか?」
 
 「うううん」
 
 首を横に振るアリス。
 
 「前にも言ったと思うが変な気遣いは無用だ」
 
 「うん」
 
 「よし」
 
 俺は優しくアリスの頭をなでた。


 「日替わりランチ4つとお子様ランチお持ちいたしました」

 豪華な日替わりランチとお子様ランチだな、
 セシリアの名声のおかげかな。
 味もなかなかだ。
 アリスはお子様ランチの定番の旗を大事そう持ちながら食べいる。

 「おいしいです」

 「残さず食べるんだぞ」

 「うん」

 俺たちは1週間ぶりの陸での食事を楽しんだ。 
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