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MS Operative Theory

作者:ユリス
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可変MA③

——TMAの開発と技術の流れ——

 地球連邦軍ではニュータイプ研究所を中心にTMAの研究が進められていたこともあって、他に技術転用されるケースは少なかった。

しかし、TMAの存在そのものがエゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス社を刺激して「Z計画(プロジェクト)」の発端となったことは広く知られている。これ以外にもサイコ・ガンダム系のサイコミュやシステムがネオ・ジオンに流出し、AMX-014(ドーベン・ウルフ)をはじめとする第四世代MS開発の契機になるなど、U.C.0080年代後半のMSの技術革新に多大な影響を与えることとなった。





補足事項

——TMAで掊われた技術——

■アッシマーのテクロノジー

 最初期のTMAであるアッシマーは変形機構の中核として、複数のディスクを組み合わせた「ドラム・フレーム」と呼ばれる新型特殊骨格を採用していた。基本的にはセミ・モノコック構造やマグネット・コーティングなど既存の技術を応用した設計であった。

ドラム・フレームは可変機用ムーバブル・フレームに、MA形態時に主要部を装甲で覆うフォルムは後のTMAに強い影響を与えた。


■ギャプランのテクロノジー

 アッシマーに次いで開発されたギャプランでは、ムーバブル・フレームやガンダリウム合金など後のTMSに近い技術が採用されている。また、腕部にはフレーム特性を生かした複合スラスターシステムである「ム―バブル・シールド」が装備された。

ム―バブル・シールドはメガ粒子砲と大型シールド、偏向推進機が一体となったデバイスで、急制動などを行うスラスターポットとしての側面が強かった。



——性能面におけるTMAの優位性——

 地球連邦軍工廠の技術者が「1機のTMAの総合戦闘能力は、6機の従来型MSとその支援システムに匹敵する」と語ったとされるように、TMAの戦闘の力や戦術機動力、飛行性能などは非変形型MSやSFSをはるかに上回っていた。

だが、生産⁄維持コストを中心とするコストパフォーマンスが低いという問題があり、TMAが後範に配備されなかった一因となっていた。



——地球連邦系以外のTMA——

 TMAに関心を示していた組織は地球連邦軍だけではなかった。可変機構による運用柔軟性は多くの技術者が注目しており、パプテマス・シロッコ大尉やアクシズなどが地球連邦軍やニュータイプ研究所とは異なるアプローチでTMAの研究を独自に進めていた。


■PMX系TMA
 パプテマス・シロッコ大尉が、木星資源船ジュピトリス内で独自に設計したTMA。木星圏の重力に対応するため、装甲防御力よりも推進力が重視されていたほか、独自のムーバブル・フレームも採用されていた。


●PMX-000(メッサーラ)

 一撃離脱戦法を前提とし、巡洋艦をも一撃で離脱するジェネレーター式メガ粒子砲を2門装備した。


■アクシズ(ネオ・ジオン)系TMA

 ビグ・ザム級のMAとして開発されていた機体を、TMAとして再設計した機体。頭部や手足は急増ユニットのためTMAとしては小型だが、ハイ・メガ・キャノンを内蔵しており第四世代MSにも匹敵する火力を誇る。


●AMA-01X(ジャムル・フィン)

 多方向スラスターや増加ブースターなど、ギャプランに近い設計も見られる特殊な機体である。



——TMA的なTMS——

 TMAとTMSの区分が明確ではないため、TMAは「可変MS」として紹介されることも少なくない。実際、ギャプランなどはTMS的側面も持ち合わせた機体と知られている。また、初期のTMSの中にはTMA的な特徴を持つ機体もあり、両者の垣根を曖昧にしている。


●MSA-005(メタス)

 初期のTMS。ム―バブル・フレームの技術が未成熟であったことが、MS形態のフォルムからも窺える。


●AMX-003(ガザC)

 作業用MSをベースに開発された、アクシズの量産可変機。生産性を重視したモノコック構造の機体である。

 
 

 
後書き
次回 PMX系MS 
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