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中二病が主人公になったら?

作者:アガセ
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第12話

 
前書き
いつも通り、グダグダですww 

 
さて、ナルトは1ヶ月間タイムアタックに挑み続けた末、ついにキバのタイムを更新した。
実際、重りさえ外せば楽々クリア出来るはずなのだが、それでは興ざめだし、何より自分の為にならないから外さないで挑み続けたのである。
それで、今のところMAXでどれぐらいのスピードが出せるのかを試してみたかったので、久方ぶりに身に着けている重りを全て外すことにした。
まずウェイトグローブを脱ぎ、手首、足首の順で外していき、最後に防弾チョッキに似たウェイトベストを脱ぐ。

「まとめて持ってみると結構重いな・・・」

ナルトは、自分が身に着けていたものの重さを改めて実感する。
全て身に着ければ、重力加速度で言うと実に10G・・・つまり、地球の重力の10倍の世界を体感出来るのである。
何処の界○星だよ・・・。
とは言え、未発達な子供の体では筋肉だけでこの重量を持ち上げるのは流石に難し過ぎる。
その状況下で体を動かす為には、綱手のような緻密なチャクラコントロールを駆使して怪力を発揮しなければならない。
つまり、これらの重りを常時装着することで筋力を鍛えると同時に、繊細なチャクラコントロールを身に付けられるという寸法である。
ぶっちゃけ、"コップ掴んだら「メッキョ!」とかなっちゃうのでは?"と疑問に思う方もいらっしゃるとは思うが、そこは・・・まあ、気にしな~い♪気にしない♪

さてさて、両手に全身の重りを抱えているナルトだが、何を思ってか、いま手に持っているものを胴上げの要領で全力で空に向かって投げてしまった。

「おお~、結構上がったな~。」

感心してる場合ではない。
高々と垂直に上がって行ったそれらは、やがて発射源に向かって落下を始めた。
当然、誰がそこにいるかは言うまでもないだろう。

「ゲッ・・・!ヤバいんじゃね・・・?」

後先考えずにこんな事するからである。
重りは徐々に速度を上げ、ナルト目掛けて落ちて来る。
次第にジェット機のような轟音を立て始めた。

「う・・・うわぁ・・・・・もう駄目だ・・・・・おしまいだぁ!」

ヘタレ王子"ベ○ータ"みたいなセリフを吐きやがった・・・。
位置エネルギーをどんどん運動エネルギーに変換していくそれらに恐れをなしたナルトは一目散に逃げ出した。

全てを滅ぼさん勢いで落下してきたそれらは着弾後、周りの木々を根こそぎ薙ぎ倒す威力の衝撃波が広がる。
大地を大きく震わせ、豊かな自然を何物も残らぬ虚無の荒野へと変貌させ、地盤が耐え切れず大規模な土砂崩れを引き起こし、麓で静かにせせらぎを奏でる川は濁流が氾濫する大洪水となった。
その様はまるで、軽いジュラシックインパクトである。

木の葉の里では、「ふおあっ!?」または「ふおぉおお!?」という情けない叫びが轟いていたそうだ。

さてさて、また病院からスタート・・・と思っていたのか?
えー、病院からスタートするはずだったんですが、突如現れた謎の子供に助けられるという事態に・・・。

「ピッタンコ♪ピッタンコ♪ヒャハハハ!」

見た目5歳児といったところで、その少年は無邪気にケラケラと笑っている。
頭にターバン、首には赤いマフラー、着ている服は甚平でボロボロのマントを羽織っている。
眼は緑色で、白目の部分は穢土転生特有の黒色になっている。

「ピッタンコ♪ピッタンコ♪ヒャハハハ!」

よく分からんが楽しくて仕方がないって感じである。
幼稚園児くらいの子ってそういうもんなのかね。

「おい、少年。
助けてくれてありがとな。」
「いいんだよ♪ケガしてない?大丈夫ぅ?」
「ああ、大丈夫だ。
ところで少年、名前はなんて言うんだ?」
「アタシ、ヨタだよ!」

ヨタ・・・って誰だっけ?
コイツ、原作にいたっけ?
・・・ああ、そうか!いなくて当然か!アニメオリジナルか!

「そっか・・・ヨタって言うんだ。
オレはうずまきナルト。
よろしくってばよ!」
「うん!変な口癖だね!」
「ふざけんなバカヤロー!コノヤロー!」

口癖に関しては元々、原作の雰囲気を壊さないようにワザと言うようにしたのが始まりだった。
しかし、ずっと言い続けているせいか本当に癖になってしまっていた。

さて、どうしたものか。
ぶっちゃけた話、この子はもう死んでいる。
既に"あべし!"しちゃっているのである。
そしてこの子、大蛇丸、いや大蛇○に穢土転生されちゃっているんですよね、これがまた・・・。
まあ、この頃はまだ術が未完成の状態なので完全には操られていないみたいである。
だから何も心配する必要はない。
という訳で、とりあえずナルトはヨタと遊ぶことに。

まあ、遊ぶと言ってもやる事は限られている。
ナルトの世界ではテレビゲームなんざ存在する訳が無いし、トランプなどで遊ぶにも人数が足りない。
だから、体を動かす系の遊びに絞られる。
思い付く遊び・・・鬼ごっこ・・・論外。
特に、手つなぎ鬼とかどうやったら出来んだ・・・。
かくれんぼor缶蹴り・・・ダメだ・・・2人じゃつまらん。
ケンケン・・・直ぐ飽きるよね・・・。

結局、身の上話とか噂話等の雑談タイムになってしまった。
自分の里での扱いが酷いという話や料理を少々やる話等を話した。
話一つひとつに様々な反応を見せてくれる、ヨタ。
悲しい話をすれば雨を降らし、楽しい話をすれば雪を降らし、話に同情してくれて怒った時には雷を落とす。
口笛の吹き方を教えて上げたら、さわさわと爽やかな風が2人の周りを駆けていった。
口笛が吹けるようになって嬉しかったのか、ヨタが調子こいてしばらく口笛を吹き続けていたら竜巻が発生して2人とも死にかけるという珍事もあった。
どれも独特な感情表現にますます興味が湧き、ナルトはヨタと会話するのに夢中になる。

今度はどの話をしてやろうかと頭の中を巡らせていると、いつの間にか辺りに赤みが差し、日は西の方の山に沈もうとしているところだった。

「もうこんな時間か・・・。」
「ナルト、帰っちゃうの?」
「ああ、だけど明日も来るよ。
オレの友達も連れてな。」

ニカッと笑ってヨタに告げると、ヨタは飛び跳ねて喜び、そよ風が2人を包み込むように吹き抜けて行った。

翌日、ナルトはヨタとの約束通り、友人の猪鹿蝶3人を連れて来た。
何故かオマケでキバ&赤丸、サクラも付いてきたが。

「紹介しよう。"ショタ"だ。」
「ちがうよ!"ヨタ"だよぉ?」
「ああ、端折り過ぎたな。
彼の姉はショタコンなんだ。」
「オレの姉はショタコンじゃねぇ!」
「じゃあ、逆か・・・キバがシスコンだったのか・・・。」
「ふざけんな!ナルトぉ!」

キバが文句を言っている間もずっとヨタはケラケラと笑い続けている。
それを見たキバは怒っている事がアホらしくなったのか、唐突に怒るのを止めて笑い始めた。
他の仲間もそれにつられて笑い始め、一気に和やかなムードになった。

あの日以来、放課後は山の崩れていない方でヨタと遊ぶのがみんなの日課になった。
ある日は缶蹴り、ある日は鬼ごっこ、たまに山菜を取りにいったり、雨の日はヨタが作ったと思われるツリーハウスで雑談。
特に、ヨタはサクラの事が気に入ったらしく、サクラを「でっこり~ん♪」と呼んでからかってはサクラの反応を見て楽しみ、そして雪を降らせて2人で楽しげに踊るのが見慣れた光景になっていた。

毎日こうして楽しい時間を日が暮れるまで過ごせるのだから、子供にとっては非常に充実してたと思う。
少なくともアカデミーを卒業するまではこうしてずっと楽しい時間を過ごせると思っていた。
しかし、出会いがあれば必ず別れは付き物である。

ある日、いつものようにみんなを引き連れて山に行った。
いつもならヨタは、みんなの気配を感じてツリーハウスからヒョコっと顔出して笑顔で声を掛けてくれるのだが、今日はそれがなかった。
おかしい、と思った一同は木をよじ登ってツリーハウスの中を見てみるが、そこには誰もいなかった。

「あれ?どこ行っちゃったんだろう?」
「おーい、ヨタ!出て来いよ!」
「ヨーター!どこ行ったのぉ?」

みんなは何度も呼びかけたが、一向にヨタが現れる気配は無かった。
そこで山の中を手分けして捜索したのだが、それでも見つかることはなかった。

「全く・・・どこ行っちゃったんだか・・・」
「まあ、元々木の葉の人じゃなかったみたいだし、また旅にでも出たんじゃねぇか?」
「だったら、一言声を掛けてくれたっていいじゃない・・・。」

一同俯き、しばしの間黙ったまま誰も動かなくなった。
みんな、サクラの言う通りだと思った。
つい昨日まで楽しく遊んでいた友人が何の前触れもなく、別れも告げずに突如として消えてしまったのである。
それは、元々追われる身だったのかもしれず、だからみんなに気を遣って黙ったまま去って行ったとも捉えられるが、それでも我々にとっては大切な友達なのだから、一声掛けるなり置手紙をするなりして欲しかった。
だから、素直に悲しかったのである・・・この突然の別れに。

少しして、すすり泣く声が聞こえ始めた。
声がする方を見れば、サクラの顔から水滴がポツポツと床に垂れていた。
今度はまた別の方からさめざめと泣く声が聞こえ始め、次第にその声は増えていき、疎らに重なり始めた。
やがて木の床は水滴を吸収しきれなくなり、序々に水浸しになったいった。

唯一泣いていないのは、ナルトだけだった。
確かに、ヨタとの突然の別れは悲しいものではあったが、泣くほどまでに至らせなかったものがこのツリーハウスの中にあった。
それは、ヨタの寝床にあった"塵の積もった山"であった。
恐らくそれは"ヨタだったもの"だと思われる。
どうやら、大蛇○が穢土転生の術を解いたときに出来たのであろう。
だから、また会えるような気がしたのだ。
決して成仏して消えた訳では無さそうだったのは少々残念でもあったのだが、その事は"まだ会うチャンスは残されていること"を暗に示していると思ったのである。
だからナルトは、『いずれ"完全な輪廻転生の術"でも使えるようになったら、また缶蹴りでもして遊びたいな』と感慨に耽っていたのであった。 
 

 
後書き
今度こそちゃんと話を進めなければ・・・!

という訳で、次回は「イタチによる、グッダグダな虐殺劇」になるとか、ならないとか・・・?ww

追記:"ヨタ"を"ユタ"と記載している部分があったため、訂正しました。 
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