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仮面ライダーOOO The Original Story ~異世界戦記~

作者:TACHIBANA
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003   謹慎と   水棲と   電光パンチ   

 
前書き
第3話です。
そろそろ飽きた?




お願い!見捨てないで!






というわけで、アレ、いきます!










これまでの、仮面ライダーオーズ ~異世界戦記~は…





一つ!蓮矢達は幸神と合流、話により、新たなヒントを与えた。







二つ!新聞記事より颯斗の妹、妃那の名前を見つける。











そして三つ!オーズバッシュでヤミーを撃破した直後、蓮矢達は、颯斗の妹、妃那と再会(?)を果たす。











count the medals!

現在、オーズの使えるメダルは…



タカ1

トラ1

クワガタ1、バッタ1

ゴリラ1

タコ1
 

 
クワガタコアを手に入れた翌日、蓮矢とついでにラルフは幸神に呼び出され、少し早い時間に幸神コーポレーションの会長控え12号室へ行った。…のだが、それまでが大変だった。





幸神コーポレーションは、『会長控え』と、区切られてはいるものの、その範囲がバカみたいに広い…控えは1から50まであり、会長ごとに10づつ用意されている。

その用途は人それぞれ、人事部会長ならば、まるで気が遠くなるような数の人間の名簿で七部屋、経理部会長であれば、見ただけで気を失いそうな大量の伝票らしきものですでに八部屋が埋まっている。







しかし、経営産業部兼会長会代表こと幸神百合子は特殊…



仕事絡みの資料は、すぐに片づけてしまうため見あたらないが、その代わり私物、寝具、歴史的資料、大量のセルメダルや試作型の武器などが各部屋に散らばり、まさに無法地帯となっている。
そんな中でも最も片付いている12号室…つまり経営産業部会長控え2号室に呼び出されたのだった。







その上ラルフが、『卵焼きを作れ』と颯斗の身体を飛び出して、蓮矢の部屋で暴れ出したのだった。



それはもう、ポルターガイスト(?)を起こし、衝撃波で棚を壊し、フライパンで『これまでの恨み!』と言わんばかりに蓮矢を叩いき、終いは蓮矢を気絶させたのであった。







「なあ…ラルフ…」
蓮矢が口を開く。
『「なんだ愚民?」』
ラルフがいつになくとげとげしく言う。
「なんだと?…じゃなくて、朝、なんかあったっけ?」
顔に青タンを作り、首の後ろに湿布を張り見えないところにも包帯やら湿布やらで処置が施された蓮矢が聞く。





『「我は何もしていないし何も見ていない!」』
ラルフの言葉に蓮矢は?マークを満開にさせる。

―――朝早くの記憶がない―――



気がついた時には、キッチンのフローリングにのびていた。
ラルフを見やると、朝から卵焼きを6皿平らげた様子がある。
冷蔵庫を見ると、卵が半分になっている…
蓮矢は、目が回って倒れそうになる。が、時間を見ると、あと15分で集合時間になる。
蓮矢は、サンドイッチを口に詰め、着替えるために部屋に戻った。
だから聞けなかった。
最も、ラルフにしてみれば、気絶させておいて正解だったのかもしれない。
ラルフが蓮矢に勝てたのは、『蓮矢は普通に目覚めたときの寝起きが極端に悪い』こと、つまり寝起きを襲えば、下手をすれば死んでしまうということ。
寝起きの蓮矢は弱い…色んな意味でとにかく弱い。


















・・
・・・
・・・・



















コンコンと、蓮矢がドアをノックする、すると中から「入って!」と、若々しくも何故か、貫禄のある声が聞こえてくる。
蓮矢とラルフが入室し、蓮矢が用途を伝える。
「氷乃蓮矢、伍塔颯斗、召集を受け、ただいま到着いたしまし…た!?」
蓮矢が固まる。
そこには、まるで旅に出るかのような格好と、大量の荷物を持った幸神が立っていた。
「会長…なにを?」
蓮矢が聞く。
「連絡だけ言うわね。氷乃蓮矢、伍塔颯斗に無期限の職務停止命令を言い渡します♪」
「………」
『「??」』
「………♪」
しばしの沈黙、そして




「はいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
蓮矢の絶叫でそれが破られた。
『「やかましい!」』
ラルフが怒鳴る。
「お前は黙れ!!会長!どういうことですか!!」



「だって、会社勤めしながらオーズとして戦うなんて面倒じゃない?それに会社としても譲歩したほうよ?」
幸神がきっぱりと言う。
「ぐっ…じゃあ金はどうなるんですか?」
その言葉に反応し、幸神は蓮矢に近づき…

「…頑張って♪…」
と、小声で告げた…
「……………」
蓮矢が崩れ落ちた。
『「氷乃蓮矢、何を呆けている?我に支障はないし、幸神の気遣いなのではないか?」』
そんな何も分かっていないラルフに、蓮矢がキレる…
「オイコラ時代錯誤野郎!!テメェ分かってねえだろ!?お前の大好きな卵焼きすら食えなくなるかも知れねぇってのに!!」
『「なん…だと…!?」』
蓮矢の一言に愕然し、今度はラルフが崩れ落ちた。

さらに「ああそれと…」と幸神

「私もしばらく会長の席空けて、代理に入ってもらうから♪」
幸神が資料を雑に鞄へ入れながら言った。
「代理って…一体誰を…てか、休んで何するつもりですか?」
蓮矢が気力を振り絞って質問する
「ん~?じゃあ、入ってきて~♪」
テンション高く女子高生のような仕草でその人物を呼ぶ。
「へえ…この連中がねぇ…」
そこにいたのは、ジーパンに革ジャンという、なんとも厳つい格好でいて、親しみやすそうな笑顔を浮かべた30代とおぼしき男性がいた。
「私のお兄ちゃん!幸神映(こうがみあきら)よ!」
その名前を聞いた途端、蓮矢はすくっと立ち上がると背筋を伸ばした。
「あ…あの…ほ…ほんじつつつ…は…」
更に呂律まで回らなくなる。
無理もない。幸神コーポレーションは、全世界に広がる『幸神グループ』の一部に過ぎず、数年前には存在すらしていなかった。
しかし、数年前に彼、幸神映が幸神グループの代表となった途端に業績が跳ね上がり、現在のグループ状況になったということである。
いくら人間慣れしている蓮矢とはいえ、流石に動揺するのだ。
「あらら、俺ったらびっくりさせちゃったみたいね。」
映が笑いながら言う。
「氷乃君、普通にしていいわよ。」
幸神が言う。
「で、でも…企業代表……」
蓮矢はまだ動揺している。
「映でいいぜ?堅いのは嫌いだ。」
映の優しい言葉に、蓮矢は、心なしか楽な気分になる。
「あ…きら…さん…」
「…上出来だ。」
映のはっちゃけた笑顔に、蓮矢も笑顔になる。
「じゃお兄ちゃん、あと任せたから♪」
「了解だぜ百合子♪」
なんともノリだけはいい兄弟だ。
と、ラルフは心底思ったのだった。






















・・

・・・

・・・・


















一方、幸神コーポレーション研究施設跡地では…



『随分と長かったような気がするわね…』
『うう…よくねた…』
また、新たな異形が姿を表していた。
『なにかしら…なんだか今までと違う…』
1人はシャチを模した頭部、マントを羽織り、タコのような脚、よく見ればウナギのような胴体をもっている女性型、もう1人はサイともゾウとも言える頭部に、ゴリラのような腕に重々しい脚、おそらくゾウを模したであろう子供のような声と性格の異形の姿があった。
『とりあえず。この違和感…探った方がいいわね…』
そう言って女の異形は、一枚のセルメダルから、ウミヘビのようなヤミーを三体作り出す。
『とりあえず探りを入れてちょうだい…』
女の異形は誘惑するように命じる…
『『『ガガガガガ…』』』
ウミヘビヤミーはそれに従い、しかし、束になって行動を開始した。
『無機は無機…ね。』
女の異形が呆れたように口にする。
『めずーるぅ~、はらへったぁ~。』
『分かった分かった。じゃ、まずはみんなの所に行きましょうね。』
まるで親子のようなやりとりの末、二人は去っていった。



















・・

・・・

・・・・


















「……泣きたい……」
『「何故だ…目から生ぬるい水が…」』
幸神コーポレーションをあとにし、車を売った蓮矢とラルフ…事実上のクビを宣告された彼等には、更なる悲劇が待っていた…それはもう、わけが分からないくらい理不尽な・・・



~~~



幸神「じゃあ私も寮出るから、氷乃君とラルちゃんもね♪」
蓮矢「なんでやああああああああああああああ!!」
『「誰がラルちゃんだ!」』
お互い思い思いの所にツッコミを入れる。
「なんでですか!?なんで俺らまで!?」
蓮矢が最もな疑問を投げかける。
「働いてないからお給料でないし、寮費払えないでしょ?」
またもや幸神がばっさりと切り捨てる。
「あ~あ…氷乃…頑張れよ。」
更に、映の『笑顔の中の威圧感』にトドメを刺され…



「ウゾダドンドコドーン!!」
と叫んでいた。
『「氷乃蓮矢?…幸神、氷乃蓮矢に 何があった?」』
何も分かっていないラルフが幸神に聞く。
「えーと…カンポーだっけ?」
映がボケをかます。
『「誰がカンポーだ!!かすりもしてないぞ貴様!」』
やはりこっちに過剰反応する。
「ラルちゃん落ち着いて、要するに、しばらくの間、卵焼きは愚か、普通のご飯が食べられないかもしれないってことよ♪」
ノリで凄いことを言う幸神も幸神である。



『「な…に…?」』
ラルフがまた力なく崩れ落ちた。
「じゃあ、私は実家に戻って資料全部解読するから、あと頑張ってね♪」

と、言い残し、幸神が右のドアから出て行ったのだった…

~~~





そして現在、家具を売り払い、最低限の食料と道具、金、オーズドライバーとコアメダル、パソコン、そして、一台づつ支給されたライドベンダーしか無い状態だった。









そのとき





『「…氷乃蓮矢、ヤミーだ。」』
ラルフが出現を感じ取る。
「…こんなときでも容赦ねぇな、行くぞ。」
蓮矢が答え二人そろってライドベンダーにまたがった。

















・・

・・・

・・・・
















ウミヘビヤミーは、相変わらず三体で行動していたが、手足があるにも関わらず何故か這っていた。
「イヤァァァァ!!」
「ああ、ああああああ!!」
人々は逃げまどっている、が、ウミヘビヤミーが人を襲う気配はない。
そこへ、二台のライドベンダーが到着する。
「おお、ライドベンダー隊だ!」
「ライドベンダー隊が来てくれたわ!」
「なんだよ、壊滅したなんて嘘じゃないか!」
ライドベンダー隊、といっても2人だけだが、それでも人々は歓喜し、声を上げる。
「皆さん、ここは危険です!直ちに2キロ以上遠くへ逃げてください!目印は東京ドームです!」

蓮矢の声と共に、人々は避難を開始する。
ライドベンダー隊は、一般にも認知され、災害支援や人命救助に積極的に参加し、絶大な支持を得ている。故に市民が従うのも、当たり前だった。
そして2人は再びヤミーを見る。
「なにこれ気持ち悪い…」
蓮矢は、這い歩く姿に、悪寒を感じていた。
『「ウミヘビ…メズールか…放っておいても問題ないが…できるだけ稼ぎだい…殺れ。」』
ラルフの目が血走る。
「命令するなよ…ま、間違っちゃいないが…」
そう同意を示しながら、蓮矢は、懐からオーズドライバーとメダルを出す。
「(この際だ…クワガタを試そう…)変身!!」
『クワガタ!トラ!バッタ!』
蓮矢は、ガタトラバに変身、頭に念じる…
すると、頭から電撃が発せられ、一体に命中する。
仲間を攻撃され、怒ったのか、ウミヘビヤミーは2人に突っ込んでくる。
「おろ…雷?」
素っ頓狂な声を上げるオーズ。
『「そうだ、もっと念じれば、思うがままに雷を敵に落とせる。」』
ウミヘビヤミーの一体を衝撃波で吹き飛ばしつつ、ラルフが自分の経験から説明する。
「へえ…じゃあ、試しに!」
オーズは、ウミヘビヤミーの一体に、更に高出力の電撃を当て続ける。
『ガガガガガァァァァ!!』
苦しそうに声を上げ、ウミヘビヤミーの一体はいたぶり殺されたのだった。
更に立ち上がり、迫ってくる次のウミヘビヤミーに、オーズガタトラバは、トラクローで一閃、もう一撃叩き込み、ウミヘビヤミーを突き飛ばす。
そして、腰のメダジャリバーを引き抜き、セル一枚をスキャンする。
『シングル!スキャニングチャージ!』

空間を裂く。
しっかりととらえ、ウミヘビヤミーは爆散、無数のセルメダルとなり果てた。
「これ…うまく使えば…」
そう呟くとオーズは、トラをチェンジして、ゴリラに変える。
『クワガタ!ゴリラ!バッタ』
ラルフ『「フッ…はああ!」』
ガタゴリバへと姿を変えたオーズは、ラルフが衝撃波で宙へ吹き飛ばした最後のウミヘビヤミーに、
「はぁぁぁぁ…でりゃあああ!」
電撃をゴリバゴーンに込め、ウミヘビヤミーへと打ち出した。
空中に投げ出され、なす術のないウミヘビヤミーに、撃ち出されたゴリバゴーンが直撃、爆散し、セルメダルに還った。
その威力に、蓮矢もラルフも感嘆していた。
『「奇抜な奴だ…亜種であんな真似をするとは…」』
ラルフがセルを回収しながら言う。
「亜種でスキャニングチャージするなってか?お前、やったことないのか?それは嫉妬ってヤツだ。」
蓮矢が変身を解除しながらニヤつく。
『「貴様…無礼もいい加減に…「それより、バイトでもしないと、マジで飯食えねえぞ。」
反論が来る前に話題をすりかえる。
『「バイト…アルバイトというやつか…我は好かん。働くなど…」』
聞き様によってはニート全開である。
「だから、王様気取りやめろ。もう王様じゃないんだろうが。」
蓮矢が苦言を呈した。
『「ふん…」』

そのとき、
『~~♪』
姫那からの着信を告げる着信音が鳴り響く





「もしもし?」
『蓮矢君?クビって本当?」
蓮矢は、思わず携帯を投げそうになったが、なんとか踏みとどまり話を続ける。
「本当だけど、それが?」
蓮矢が少し不機嫌そうに返す
『いや…もしよかったら…バイト…しない?』
「!!」
現段階でのバイトの誘い…
それは願ったりかなったりだった。
実は…と姫那が続ける…
『もともと、私と店長を入れて4人いたんだけど…1人が仕事内定して、もう1人が結婚で、それぞれやめちゃって…流石に2人じゃ…ってなったときに幸神さんから電話があって…』
「ああ、そうなんだ。ラルフはともかく…俺は働くよ。流石に色々売ったって、すぐ無くなるから…」
蓮矢が少し悲しげに言う。
『取りあえず、これからこっちこれる?』
「うん…分かった…」












・・
・・・
・・・・


















「ここか」
蓮矢が呟く。




『自営業ファミレス フラミーゼ』



「いらっしゃいま…あ、蓮矢君。」



扉を開けた蓮矢とラルフを迎えたのは、エプロン姿の姫那だった。



22歳にしては幾分幼い顔立ちの彼女を、エプロンがいっそう引き立てていた。



















to be countenued

















次回



「決めた!…採用します。」



蓮矢「え、終わり?」







カザリ「見た限りじゃ…みんな8枚みたいだね…」



メズール「アンクはまだなのかしら…」





蓮矢「なんなんだよお前は!」



『そんなことはどうでもいい!俺のコアを返してもらう!!』







次回 バイトと集結と赤いグリード
 
 

 
後書き
第3話、ご覧いただき、ありがとうございました。
なんとか上がってき…た?
すみません、これ、当時徹夜で仕上げたものでして…(もっと言えば一話も

夜のテンション故に、1話とどっちが酷いかな?
でも、修正はしやすかったです。
この頃にはほとんど流れも固まってたので。


結論・自分の小説読んでると、無性に修正したくなる。  
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