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MS Operative Theory

作者:ユリス
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カスタム機②

——エースやベテランに給与された総合性能向上仕様のMS——

 カスタムMSといっても、個人が好き勝手にパーツを変更できる車輌のカスタム・ビルトとは異なる(一年戦争もゲリラ活動を続けていた、公国軍残党デザート・ロンメル中佐は、独自に入手した部品でカスタマイズしたMS、MS-09H(ドワッジ改)を駆ったが、不正規軍だからこそ許される———そうせざるを得ない———のであって、正規軍の将兵が勝手に国家の財産であるMSを大幅に改造すれば懲罰ものだ)。

 機体名にカスタムという言葉が付く場合、または付かなくても“カスタム仕様”と言われるMSは、一般的には量産MSの単純な性能向上を指す。

 もちろん、コントロール・スティックの“遊び”やフット・ペダルの硬さ、照準機の調整などをパイロットに合わせて設定変更=カスタマイズできるが、それはカスタムMSでなくとも可能な設定変更で、このような調整を行ったとしても、当然ながらカスタムMSとは呼ばれない。

 基本的にはカスタムMSとは前述のとおり、通常の量産MSのアッパーバージョンで、攻撃力・防御力・機動性・航続距離などの増強が行われ、その性能は量産機を優に凌ぐ(20~30%の出力アップというのが多い)。

 だが、ここで注意が必要なのは、カスタムMS———たとえばRGM-79N(ジム・カスタム) ———が開発されたからといって、全軍のRGM-79(ジム)がN型へと順次改修されるということは基本的にありえないということだ。

 兵器史を振り返ってみると、戦車などの兵器は、○○式Aの近代改修型である○○式Bが誕生すると、B型が生産される一方でA型もB型へと改修されることが多かった。

 これはコストパフォーマンスの面から考えて明らかに妥当であるが、MSに関してはそのような例はほとんどないようだ(RGM-86R(ジムⅢ)の誕生に伴い、RGM-79R(ジムⅡ)がジムⅢ仕様に改修されたという例はあるが、これはRGM-89(ジェガン)が実用化されるまでの緊急措置に過ぎなかったと考えられる)。

 実はカスタムMSというのは、量産機の上位機種に当たるマシンであるが、次世代の量産機として開発されることは稀なのだ(例外:MSM-07S(ズゴックS型)は陸戦能力の高さを評価され、MSM-07(ズゴック)の後継機となった)。

 そもそもカスタムMSは、一般パイロットのために作られた機体ではない。一部の上級パイロットのために開発されるものなのだ。それは最初期のカスタムMSである、公国軍のMS-06S(ザクⅡS型)が、一般パイロットには操作が難しい“暴れ馬”だったことからも理解できる。

 しかし、この“暴れ馬”をねじ伏せ、従えることができる者にとって、ザクⅡS型は何よりも頼もしい相棒となった。ザクⅡS型以降に出現したカスタムMSでは、さすがに“暴れ馬”は少なくなったものの、それでも一般兵が搭乗を許される代物ではなかった。

 パイロット、特にエースの称号を持つパイロットの特権と実力の象徴となったカスタムMSは、戦功によっては2階級特進も十分に可能だった公国軍MSパイロットの現実的な目標として、士気高揚に一役買ったのである。

 では、そのカスタムMSの性能の程はどうだったのだろう。先にピーキーなセッティングのザクⅡS型が、熟練パイロットにとっては強力な武器になると語ったように、カスタム機への搭乗を認められるだけの技量を持つパイロットにとって、量産機を超えるマシンは極めて有用な兵器であった。

 それはルウム戦役においてザクⅡS型を駆り、5隻の戦艦を撃沈した“赤い彗星”シャア・アズナブル中尉(当時)や、一年戦争末期のチベット・ラサにおいてMS-07B-3(グフ・カスタム)を操り、単機で連邦極東方面軍を釘付けにしたノリス・パッカード大佐などの英雄譚からうかがい知ることができる。

 このような超エースではなくとも、ジム・カスタムやRGC-83(ジム・キャノンⅡ)を任せられ、公国軍残党との激戦の只中で戦い続けた“不死身の第4小隊”の活躍からも、ベテランパイロットとカスタムMSの組み合わせが強力かつ実戦的であると言える。

 彼らエースとカスタムMSの戦いは、撃墜数100を上回るというニュータイプや、数々の伝説を残したガンダム系MS、さらに宇宙艦隊にすら大打撃を与える大型MAなどの陰に隠れがちではあるが、一般兵など歯牙にもかけないベテランパイロットとカスタムMSが存在したことは忘れてはならないだろう。



——任務に特化したカスタムMS——

■長距離狙撃用MS

●RGM-79SP(ジム・スナイパーⅡ)

 狙撃用MS、ジム・スナイパーカスタムの一つ。狙撃用複合照準バイザーを標準装備しているため、目標や状況を選ばない狙撃性能を発揮する。多様なパイロットの要求にこたえるために調整可能なパラメータの多い機体もあったが、本機では簡素化された。


●RMS-106CS(ハイザック・カスタム)

 攻防力や機動力の向上だけでなく、高精度光学センサーとビームランチャーを装備した狙撃用MS。RMS-106(ハイザック)のバリエーション機で、ベース機の欠点だった二つのビーム兵器の同時稼働が可能となっている。現時点で誘一確認されている狙撃使用のハイザック系MS。



■特殊な自然環境に対応したMS

●RGM-79D(ジム寒冷地仕様)

 後機生産型のジムの改修機で、可動部分には凍結防止処理が施されている。その他の通常のジムとは大きく変わっていないが、防寒処置なしではオイルすら凍り付いてしまう極地では、群を抜いた高い稼働率を発揮する。武装はビーム兵器ではなくマシンガンであった。


●RMS-192M(ザク・マリナー)

 連邦軍がMS-06M(水中用ザク)をベースに開発した水陸両用MS。バックパックと脚部に装備されたハイドロジェットにより、高い水中機動性を誇る。左腕の吸着ワイヤー、マグネット・ハーケンは目標に命中させることで位置関係を測定できるほか、曳航ワイヤーとしても使用可能。





補足事項

——単純性能向上型のカスタム機——

————————ジム系————————

●RGM-79GS(ジム・コマンド宇宙仕様)

 突出した性能は持たないが、全パラメータが安定して高いGS型。一年戦争時のジムとしては高性能なモデル。


●RGM-79N(ジム・カスタム)

 RX-78NT-1(アレックス)の設計を取り入れた、当時最高クラスの総合性能を持つジム系MS。アルビオン隊に配属。


●RGM-79Q(ジム・クゥエル)

 ジム・カスタムをベースにさらなる強化が図られたティターンズ専用ジム。対人制圧用に鋭敏なセン
サーを持つ。



————————ザク系————————

●MS-06S(ザクⅡS型)

 “赤い彗星”シャア・アズナブル少佐の乗機として有名なカスタムMS。30%の出力向上が図られている。



————————グフ系————————

●MS-07B-3(グフ・カスタム)

 MS-07B(グフ)の戦闘能力を残しながらも、汎用性や即応性を付加したMS。長所を殺さず短所を補ったタイプ。

 
 

 
後書き
次回 フルアーマー・オペレーション 
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