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【IS】例えばこんな生活は。

作者:海戦型
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例えばこんな厳しい事を言われれば普通凹むだろ

9月12日

転入生、来る。その名も!その名も!その名も!その名も!その名も!その名も!その名も!その名も!!
ロケットォ、パーーーーーン違うわアホンダラ!!俺は何処の電波を受信したんだ。

「リューガ・ゾルダークだ。親父の教え子の篠ノ之束(ねーちゃん)に頼まれて入学させられた」
「つまり・・・どういうことだってばよ?」

3人目・・・という事に表向きはなっているらしいリューガさんはオウカのボディの生みの親であり、弱冠15歳で既にISの設計をしている才子だ。親父さんが作った専用ISを何故か起動させたのでここに来る事になったという筋書きらしい。

実際には彼の持っているISはゾルダーク技術研究所所長、ビアン博士が「コアから」手作りした子のようだ。識別ナンバーは「DR.Z.NO2」・・・ゾルダーク博士が2番目に作ったコア、という意味になる。・・・・・・1番作ってやがるこのオッサン!!

詳しい話はまた後で、と言われたので大人しく引き下がった。代わりにコアとは喋らせてもらった。

正式名称はUR規格型万能戦闘ISシリーズ『ヴァルシオン』2号機ヰ型、らしい。長いのでルーシィと略した。何というか、お堅いというか非常に生真面目で冗談の通じないタイプだ。URはアルティメット・ロボの略らしく、その名に見合う究極のコアになりたい、あわよくば1号機に勝ちたいと考えている所を見ると結構野心家かもしれない。

何にせよリューガさんが来たことで男子友達が増えて良い事だ。



9月13日

全ては秘匿回線越しにリューガさんから聞いた話になるが、総合的にはこう言う事らしい。

昔々、当時天才過ぎて困っちゃう状態だった篠ノ之博士(当時小学生)は日本近海の離島に変な博士が住み着いて何やら作っていることを察知した。近所の幽霊屋敷に忍び込む程度のノリでそこに侵入した博士は度肝を抜かれた。詳しくは言えないが、当時の博士の思想とはスケールが違うものをその博士―――言わずもがなビアン・ゾルダーク博士だ―――は造っていたそうだ。

上には上がいるという事を嫌というほど思い知らされた博士(しょうじょ)はそれ以来度々研究所に忍び込んでは博士から技術や思想を盗もうとちょろちょろ動き回ったらしい。そんでもって博士に「コイツ素質あるな」とあっさり弟子認定され現在に至るとか。

博士、アンタ何者ですか。IS開発者が腰を抜かすって何造ってたんですかマジで。怖くてルーシィに聞けなかった。

そういえば、俺はちょっとお手伝いで学園祭の出し物に参加できないらしい。箒ちゃんやウツホがやたら残念そうにしていた。何かゾルダーク技研のISを宣伝するために模擬戦するって。ルーシィとオウカが火花散らしてた。ルーシィはコアネットワークを限定的にしか繋げていないので彼女とリューガさんのデータは記録海に落ちないらしい。つまりルーシィの強さはオウカには吸収できない。理論上最強の資質があるISと究極の名を冠するISの激突・・・歴史が変わる予感!



9月14日

鼓動を感じて目を覚ました。ニヒロの鼓動だ。オウカも他の部屋のコア達もその鼓動を感じて活性化している。―――大きい。外へ出ようという意志が感じられる。ニヒロが殻を破り、外へ意志を向けようとしている。無から有へ、零から一へ。ジェーンという母体のぬくもりに包まれ、世界に孵化(うま)れようとしている。

いつ産まれるかは分からない。だが、鼓動は時を追うごとに大きくなってゆき、コア達も気が気でない様子だった。ジェーンさんも体調不良を訴えて保健室で横になっている。こらそこ、つわりとか言わない。
結局その日は産まれなかった。訓練でもコア達がそわそわしてるせいか皆ちょっと調子が悪そうだった。

ジェーン曰く、胎の赤ん坊が母親のお腹を蹴っているような段階・・・つまり産まれるのも遠くないらしい。

それはそれとして、最近ジェーンさんが何だか妙に余所余所しいような気がする。しきりに学園祭を気にしているというか、俺の顔色を伺っているというか・・・有り体に言えば挙動不審者だ。なんか隠し事をしているのは確実だろうが何を隠してやがるのだろうか。

やましい事か。やましい事を隠しているのか!あれだけ説教してもまだ反省し足りないのか!?
ふーんへーえほーお?そっちがその気なら俺にだって考えあるもんね!

「オウカ!やーっておしまいなさい!!」
『アラホラサッサー!!』
「お前らいつの世代だよ!?」

爆発でオチが付けられるよう頑張ります。さあ、今日よりジェーンはほぼ全世界のISを通して監視される!これでも隠し通せるなら隠し通してみるがいい!!!
・・・あれ、ISって人間相手の情報網はそこまで広くないからあんまり意味ない?



9月15日

おりむーがカエルフィギュア片手に会長と睨みあっている。二人とも謎の臨戦態勢で、おりむーはいつでもカエルを投げれるよう感触を確かめるように握り、会長はそれを如何にして潜り向けるかを模索するように額から汗を垂らしている。
何でもおりむーは会長のセクハラを防ぐために逃げたいらしい。困ってるようだったのでこっそり会長の懐から扇子を盗んで気を引いてあげた。学校で校則違反アイテムをスリまくって教師にチクる仕事をしてたから母校では伝説のスリ師って呼ばれてたんだぜ。

・・・そんな目で見ないでください会長。・・・え?リューガさんに簪ちゃんを取られた?それでおりむーの所に来たら思いっきり警戒された挙句俺に邪魔された?最近ゼゼーナンの所為で生徒会内での肩身が狭い?
・・・・・・全部自業自得じゃないですか。
しょうがないですねーもー。T-リンカー貸してあげるからミリアとお喋りしたらどうですか?

『いつも自分の顔に仮面みたいな決まった表情張りつけて理詰めで行動してて、バカみたい。妹やあの坊やに距離取られてんのもきっとその所為よ』
「げふぅ!?」
『下心ありきの行動しかしない人間だって思われてるの、自覚無い?アンタ才能あるのにぶきっちょ過ぎるのよ。中途半端なヤツは中途半端な結果しか導き出せないの』
「ごはぁッ・・・!」
『人間は感覚で生きるものなのに、アンタのそういう所最高に気持ち悪いわ。自分の本心も碌に喋らないくせに人の心を弄ぼうとした罰ね』
「・・・・・・かふっ」
『あら、くたばったかしら?』
『タテナシの脳波が急激に弱まっていく!?』
「ミリア、それ以上はもうやめたげてよぉ!!」


いかん、トドメ刺したっぽい。流石に悪いと思って簪ちゃんに来てもらって慰めるよう頼んでおいた。

 
 

 
後書き
思い出した!桜花はXAN-斬-を見てて思いついたISだ!!
かれこれ2年近く忘れてた・・・
 
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