| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

シャワールーム

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章


第三章

 しかしそれを隠してだ。ここは彼女に頷いたのであった。
「わかりました」
「それでは」
「そういうことだね」
 前迫の言葉は追い払う様なものだった。
「さっさと行って下さい、調べる場所は他にもあるでしょうし」
「はい、それでは」
「これで」6
 二人はこう話してだ。そのうえで今は女子寮を後にしたのだ。
 二人は今は校舎の中にいた。そうしてである。
 そのうえでだ。二人で話をしていた。今は校舎の中を歩き回っている。
「間違いないですね」
「そうだな。あの女だ」
 まずは本郷が言った。そして役は彼のその言葉に頷いていた。
「あの女が犯人だ」
「ええ、間違いありません」
「ここには、と言った」
 役が指摘したのはこのことだった。
「知っているということだ。失踪した女生徒達のことをだ」
「そういうことですね。ただ」
「ただ?」
「証拠は女子寮にはない」
 それは言うのだった。
「間違いない」
「しかし何処かにありますね」
「そうだ、証拠はある」
 役は断言していた。今二人は学校の裏にいる。緑の木々が周りにあり人気はない。そして向こうにはプレハブの粗末な小屋があった。 
 役はそれを見てだ。本郷に話した。
「本郷君」
「はい」
「あれをどう思う」
「あの小屋ですか」
「どうやら今はもう使われていないな」
「ええ、そうですね」
 それを聞いてだ。本郷も静かに頷く。
「その通りですね」
「傍から見ればな」
 ここで役は言葉を付け加えた。
「そう見える」
「しかし実際は」
「少し見てみるか」
 役はここでだ。一枚の札を取り出した。黄色い札である。
 それを投げるとだ。札は黄色い小鬼になった。それが小屋の中に入ったのだ。
 暫くしてからだ。役は言った。
「成程な」
「証拠発見ですね」
「そうだ、あの中だ」
 その小屋の中だというのだった。
「間違いない」
「怪しい場所に怪しいものがあった」
 本郷は役の言葉を受けて述べた。
「そういうことですね」
「そうなる。だがかなり面白い趣向になっている」
「面白い、ですか」
「確かに小屋にその証拠はある」
 まずはこのことを話した。
「しかしそれでもだ」
「それでもですか」
「小屋の中にはない」
 こう言うのだった。言葉は相反するものになっていた。しかしここでまた話すのだった。
「その下にある」
「下にですか」
「まずは中に入ろう」
 それからだった。そのうえでだった。
 二人は小屋の前に来た。そのうえで本郷が刀を出して小屋の扉を断ち切った。その小屋の中はがらんどうで何もなかった。何一つとしてだ。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧