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MS Operative Theory

作者:ユリス
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マグネット・コーティングとサイコミュ・システム①

 
前書き
マグネット・コーティング? マグネット? …ああ、鋼○ジー○ね。
中の人的に。 

 
——ミノフスキー物理学がもたらした二つの操縦技術革命——

 MSやMAの性能を向上させるには、火力の増強や重装甲化、スラスターの強化など、いくつかの方法がある。だがこれらの手法は、汎用製の低下や機体の大型化、重量の増加を招く鯨飲となり、それを解決するためにさらなる改造が必要になるなどの、悪循環に陥ることが多い。兵器に改良を施す場合には妥協が必要となるが、そのバランスが難しいうえに改装に向かない機体もあるなど、多くの技術的な問題が発生している。

 だが、ビーム砲の増加や大型のバックアップの装備による推力の増強などの素人目にも分かりやすい改良以外にも、性能の向上を図る手段が存在する。それは操作系や駆動系を改良し、機体の追従性や運動性を上げることである。

 打てば響くような反応性能(追従性)と軽快な駆動性能は、接近戦が頻発する宇宙世紀の戦場において、大出力火器や重装甲以上に重要なアビリティだと言える。これは一年戦争時にはすでに認識されており、連邦⁄公国の両軍はそれぞれに異なるアプローチで、追従性と駆動性能の向上を追求していた。

 その結果、連邦軍ではマグネット・コーティング(以下MC)、そして公国軍ではサイコミュという二つのテクロノジーが開発された。

 連邦軍が実用化したMCとは、ミノフスキー物理学と電磁工学を融合させたもので、MCが施されたMSは関節の動きがスムーズになり、その結果レスポンスや運動性がアップするのである。

 ある人物はMCのことを「MSの関節に油を差すようなもの」と評したというが、これは的を射た表現といえるだろう。

 一方、公国軍が実用化したサイコミュは、一般人を凌駕する反応速度や空間認識能力を持つニュータイプ専用のシステムであった(後に一般用の準サイコミュも開発された)。

 サイコミュはニュータイプが発する感応波(サイコ・ウェーブと呼ばれる精神波)を利用した技術で、思考するだけで機体や武装を稼働させるシステムである(しかし、思考コントロールだけで戦闘を行うことは難しく、サイコミュとコントロール・スティックを併用する機体も多かった)。

 また、サイコミュはミノフスキー粒子の影響下でも有効な無線通信(ミノフスキー通信)の送受信装置となっている。このため、サイコミュ搭載機に搭乗したニュータイプは、考えるだけでファンネルやビットなどの「無線攻撃機」を操ることができた。

 ミノフスキー物理学の落とし子であるMCとサイコミュは、当初は限られた機体のみ投入された極秘技術であったが、時代がすすむにつれてその姿を変え、多くの機体に搭載されることになった。





補足事項

——ニュータイプ研究機関——

 一年戦争終結後、連邦軍は、公国軍の持つニュータイプの研究資料やサイコミュ関連技術を接収した。これにより、それまでMCレベルの研究にとどまっていた連邦軍のニュータイプ研究所(ニタ研)は、急速にその技術力を高めることになった。

 このほかにもアナハイム・エレクトロニクス社やブッホ・コンツェルンの様な企業がサイコミュの研究を行い、また木星資源船「ジュピトリス」でもバイオ・センサーを搭載したMSが開発されるなど、時代がすすむにつれ、サイコミュ技術の拡散も進むことになった。


■ムラサメ研究所

 強化人間関連の技術に優れ、強化人間用巨大可変MS(TMS)サイコ・ガンダム・シリーズを開発した。所長のムラサメ博士のほか、ナミカー・コーネル技師が知られる。


■オーガスタ研究所

 一年戦争期から存在する連邦系研究機関。RX-78NT-1(アレックス)の開発にも携わり、グリプス戦役期には強化人間と、一般用サイコミュの研究を行っていた。



——サイコミュを生み出した公国系ニュータイプ研究所——

 サイコミュは公国軍のニュータイプ研究所、フラナガン機関によって開発されたシステムである。フラナガン機関は、中立コロニー・サイド6に設置され、秘密裏にサイコミュやニュータイプの研究を行っていた。また、MAN-08(エルメス)等のサイコミュ搭載機の開発にも関与していたといわれる。
 
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