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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章

作者:あさつき
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五章 導く光の物語
  5-46洞窟に眠る宝

 日暮れ時にガーデンブルグを離れて航海を始め、二度目の朝を迎える頃、目的のメダル王の城に着いた。

「あらあら、まあまあ。なんだか、可愛らしいお城ねえ。」
「お城と呼ぶには、規模が小さすぎるようですが。これはこれで、愛らしいものですね」
「ふむ。大きさこそ(やかた)程度のものじゃが、造りは悪くないの。ここの主も、なかなかの人物やも知れぬ」
「少し、趣味が悪くはないか。ごてごてしているし、金をかければいいというものでも無いだろう」
「確かに。派手すぎて落ち着かなそうです」
「趣味がどうかはしらねえが、金は持ってそうだな、確かに。貰える品とやらも、期待できるんじゃねえか」
「そのような貴重な金品を持っているにしては兵も居らぬようだし、些か不用心だな」
「ここにも、どろぼうさんが来るの?」
「どうでしょう。立地の問題もありますし、これでなかなか安全なのかも知れません」


 城の中にも兵士はおらず、多いとは言えないまでも複数の旅人がおり、宿屋もあって広さの割には賑わっていた。

「こんな辺鄙(へんぴ)なとこでも、それなりにいるもんなんだな」
「周りに町があるわけでもないのにね。他人のことは言えないけど」
「そうねえ。みなさん、景品の交換が目当てなのかしら。あ、そこのお兄さん。ちょっと聞きたいんだけれど、いいかしら。」

 話の途中で、トルネコが通りすがった戦士を呼び止める。

「おお、ご婦人。なにか、ご用かな?」
「用というほどのことではないのだけれど。交通の便がいいというわけでもないのに、ずいぶん人が多いと思って。お兄さんも、メダルの交換にきましたの?」
「それも、あるにはあるが。そうそう見つかるものでも無いのでな、今日は交換とはいかず、預けた程度だな。それよりも、私は探しているものがあってな。そのついでのようなものだ」
「あら。なにを、お探しですの?」

 トルネコの問いに、戦士が声を潜める。

「ここだけの話だがな。天空の鎧という、伝説の防具だ」
「あら!まあ!」

 トルネコが小声ながら驚きを露にし、反応が良いことに気を良くした戦士が話を続ける。

「伝説の装備品など、実在するかどうかも怪しいと思うだろう?だがここだけの話、とある町に祀られていたものが、そうであったらしくてな。それがある時すり替えられて、いずこかに隠されたという噂がある」
「あら、あら!まあ、まあ!」
「本当にここだけの話だが、オレが集めた情報によれば、この辺りの洞窟が怪しいと思っている」
「あら、あら、あら!まあ、まあ、まあ!」
「すぐにも確認に向かいたいところなんだが、いかんせん洞窟の魔物が強すぎてな。なかなか奥に進めずに、じっくり攻略しようと構えているところなのだ。強い武具ならば是非とも欲しいが、命あってのものだねだからな」
「その通りですわね。……確実にあるとも、まだわからないんですわよね?」
「そうだな。かなり有力だとは思っているが、到底確実とは言えないな」
「やっぱり、そうなんですのね。あまりご無理をなさらないで、諦めも肝心かもしれませんわよ。苦労して進んでも、なにもないかもしれないんですから。」
「ご親切に、どうも。そうだな、程々のところで、あまりにも難しそうなら諦めるとするよ」

 外に出て行く戦士を見送り、姿が見えなくなったところでトルネコが口を開く。

「みなさん!聞きまして!?」
「おう、しっかり聞いたぜ。さすが姐御は、引きがいいな」
「出し抜くようで申し訳ないですが、背に腹は変えられませんからね。ここでの用が済み次第、向かうとしましょう」
「……良いのでしょうか、本当に」
「天空の装備は、身に着ける者を選ぶということですから。身のこなしを見ても、大した使い手であるようには見えませんでした。ユウ殿で無ければ装備出来ぬとも限りませんが、少なくともあの者では無理でしょう」
「うむ。我らに必要とわかっておるものを、みすみす持ち腐れさせてしまう輩に譲ることは無かろう」
「洞窟の魔物が手強いと言っていたな。あの戦士の言う手強いが、どの程度かはわからないが。前回は留守番だったからな、楽しみだ」
「……盗んだ、鎧を?……洞窟に、隠したの?どろぼうさんが?」
「あら、そうねえ。言われてみれば、おかしな話よねえ。」

 少女が漏らした疑問に、トルネコが首を傾げる。

「なんでもいいだろ。あるならあるし、無えなら無えんだ。とりあえず、行ってみりゃ」
「適当だけど、そうだね。全く当てが無かったところなんだから、少しでも手がかりがあるなら行ってみないと」
「事実がどうかはわからぬが。仮にそうであったとして、邪悪な手の者が盗み出したは良いが、破壊も出来ぬであろうし、海に沈めたところで何処ぞに流れつかぬとも限らぬでの。苦肉の策として、手強い魔物の蔓延(はびこ)る洞窟に隠したとか、理由ならばいくらでも付けられるでの。それはともかくやはり肝要なのは、ものがあるかどうかじゃて」
「そうですわね!それじゃ、メダル王さまに早くお会いして!洞窟に、向かいましょう!」


 一行はメダル王に面会し、集めたメダルと引き換えに力の指輪と守りのルビーを入手してメダル王の城を離れ、洞窟に向かう。


 トルネコのタカの目と地図を頼りに洞窟に向かう途中で、小さな船が洞窟から引き返してくるのとすれ違う。

「あら。さっきの、戦士さまかしら。」
「だろうな。すいぶん、早かったみてえじゃねえか」
「今回も、駄目だったんだろうね。このまま諦めてくれるといいんだけど」
「そうだな。先を越されたかどうかはわからないだろうが、無駄死にされては寝覚めが悪いからな」
「己れの分を弁えず無茶をするならば、命を落としたとて我らには関わりないことでしょう」
「うう……なんだか良心が咎めます……」
「こればかりは、止むを得ぬでしょう。譲れる類いのことでも有りますまい」
「うん。世界を救うのに、必要なんだものね。……船で、洞窟に入るのね」


 一行の大きな船でも余裕を持って入れるほどの、大きな海の洞窟に侵入する。

 早速向かってくる魔物を、アリーナが嬉々として迎え撃つ。

「なかなか、強そうな魔物だな!あの戦士では苦労するのも、無理は無い!」
「この分であれば、彼が洞窟の奥に辿り着ける見込みはありませんな。遠慮は無用です」

 炎の爪で海獣の魔物を引き裂きつつ吹き飛ばすアリーナにライアンも続き、巨大な仮面のような魔物を斬り伏せる。

 仮面の魔物は斬られる直前に断末魔のような叫びを上げ、新たに仮面の魔物が集まってくる。

「む。新手か」
「増えるのか!退屈しないな!」
「ちんたらやってても仕方ねえだろ。まだ入り口だってのによ。吹っ飛ばすから退いてろ」

 マーニャの促しに応じて前衛のふたりが下がり、適度に引き付けたところでマーニャがベギラゴンを放つ。
 新たに仲間を呼び寄せる間も無く、仮面の魔物は一網打尽に焼き払われた。

「おし。今のうち、行こうぜ」
「まあ、先は長いからな」
「魔法とは、やはり便利なものだな」
「さあさあ!お宝のにおいは、あっちよ!行きましょう!」

 宝のにおいに向けてトルネコが船を動かし、宝箱を見付ける都度に仲間たちが船から降りて、中身を回収する。

「小さなメダルばっかりねえ。まあ、悪くはないのだけれど。」
「まだ、においはするのですか?」
「この階には、もう無いみたいね。次の階にあるといいんだけれど。」


 船旅の間に新たに習得した魔法の効果を戦闘中に確認しながら、次の階に進む。

「クリフトの、ザラキってったか。……地味だが、怖えな」
「そうでしょうか。魔物に苦痛の少ない死を与えられるということで、良い魔法だと思うのですが」
「そういう考え方もあるか」
「それよりも、ミネアさんの覚えられたフバーハは凄いものですね。全員を炎や吹雪から守ることができるとは。回復の手間も減りますし、助かりますわ」
「そうですね。装備品で軽減できる人も限られますし、アリーナのように簡単に避けるわけにもいきませんし。役に立てる場面は多そうです」
「ユウ殿のザメハには助かりました。気合いではどうにもならぬので、いっそ自分で自分を殴ろうかとも思っておりましたが」
「相当な強さで殴らないと効かなそうですよね……。よかったです、されなくて」
「お、来やがったな。あれ、使っていいか?」
「……船から降りたし。……いいんじゃないかな」
「うむ。今が良い機会じゃの」
「あれ。使うのね」
「おし!ドラゴラム!」

 呪文の詠唱とともにマーニャの姿が巨大な竜に変化し、激しい炎を吐いて押し寄せる魔物を焼き払う。
 焼け残って近付く魔物は、鋭い爪で切り裂き、さらに残った魔物を仲間たちが処理する。

 ミネアが魔物を倒しながら呟く。

「なんていうか……派手だね……」
「真っ赤な竜とはの。体色に決まったものは無かったはずじゃが、気性や適性が反映されでもするのかの。興味深いの」
「ほんとに、竜になるのね。すごいね」

 魔物たちが全滅し、近くに敵の姿が見えなくなったところで、マーニャの姿も元に戻る。

「好きなときに戻れるってわけじゃねえんだな。適当にゃ使えねえな」
「それはブライさんが言ってただろう……。あんなのを適当に使うとか、本当にやめてくれよ」
「なんにせよ、今ので要点は覚えたの。ならば、問題無かろう」
「あら!あれは!鎧じゃないかしら!」
「トルネコ殿。ひとりで先行しては危険です。共に参りましょう」
「あら、ごめんなさい。お願いしますわ。」

 ライアンと共に先行するトルネコに続き、仲間たちも鎧らしきものが置かれている場所に向かう。

 一足先にたどり着いたトルネコが、鎧を手に取り鑑定する。

「……これは!間違いないわ!やっぱりこれが、天空の鎧よ!」
「アネイルで見たものと、形は同じようですね。感じる力が全く違いますが」
「やっぱありゃ偽物だったのか。単純な魔力ってわけでも無えみてえだが、オレでもなんかの力は感じるな」
「とにかく、ユウちゃん!装備してみてちょうだい!」
「うん。……大きくないかな?」
「兜のように、大きさが変わるやも知れません。ともかく、試してみられると良いでしょう」
「うん。……あ」

 トルネコに差し出された鎧を少女が受け取った瞬間に鎧が光を放ち、光が消えた時には、身体にぴったりと合った神秘的な鎧を纏った少女が、その場に立っていた。

「……これは。……驚きましたな」
「兜の時以上だったな。鎧から、ユウを包み込んだようだ」
「鎧、なのに。すごく、軽いみたい。……これも。勇者の、装備なのね」
「あら、まあ。調整もいらないだなんて、便利ねえ。」
「便利とか、そういう問題ではない気がしますが。とにかく、目的の品が見付かってよかった。この洞窟の敵は手強いですし、用が済んだならもう戻りましょう」
「もう戻るのか。残念だが、仕方無いな」
「そうじゃの。船旅が続いたところじゃしの、あの城にでも戻って休むとしましょうぞ」
「……大丈夫でしょうか。先程の男性と、鉢合わせてしまうのでは」
「別に、鎧の見た目を知ってるわけでもねえだろ?嬢ちゃんに合った大きさになっちまったしよ、あの兄ちゃんじゃどう転んでももう着れねえだろ。じゃ、出るぜ」

 マーニャのリレミトで洞窟を脱出し、メダル王の城に戻って宿を取り、新たに入手したメダルをメダル王に預けて、一行は休息を取る。

 宿で顔を合わせた戦士は少女の鎧に気付くことも無く、消沈した様子で鎧を諦めることをトルネコに語り、慰められていた。



 翌朝、トルネコの慰めにすっかり元気を取り戻した戦士と別れ、一行はさらに南を目指して船旅を再開する。


 丸一日船を進めた翌朝、タカの目で辺りの様子を窺っていたトルネコが声を上げる。

「あら?なにか、あるわね。」
「女王様の言っていた、ロザリーヒルでしょうか?」
「どうかしらねえ。とにかく、近寄ってみましょう。」


 船を岸に付けて降り、馬車で目的の場所に近付いたところ、あったのは村ではなく洞窟だった。

 マーニャがげんなりした顔をする。

「また、洞窟かよ。地面の中は嫌いだってのに」
「馬車ごと入れる訳でも無いし、気が進まないなら待っていればいいだろう。俺は、出来れば行きたいが」
「ユウ殿が向かわれるなら、私もお供したいところですが。戦力配分の都合もありましょうから、無理にとは言いません。指示に従いましょう」
「お宝を、探すのよね!それなら、あたしは行かないとね!」
「ふむ。マーニャ殿が行かぬならば、わしがと思うたが。考えてみれば、これほどに前衛が揃っておれば、攻撃魔法もさほど必要無いかのう」
「ブライ様が残られるなら、私が向かいますわ!アリーナ様のお供として!攻撃魔法が必要になれば、ザラキもありますし!」
「クリフトさんには留守番を頼むことが多かったですから、丁度いいですね。それでは、今回の洞窟での回復役はお願いします」
「はい!」
「それじゃあ、アリーナとライアンと、トルネコとクリフトと、わたしが行くのね。留守番、おねがいね」
「おう。気を付けろよ、嬢ちゃん」


 ライアンとアリーナが先に立ち、少女とトルネコが続いて、殿(しんがり)にクリフトが付いた隊形で踏み込んだ洞窟の、最初の階にあった階段の先は水で満たされていた。

「これでは、進めませんな」
「そうだな。戻るしか無いか」
「待ってちょうだい!」

 階段の近くにしゃがみこみ、顔を見合わせて話し合うライアンとアリーナに対し、トルネコが大声を上げる。

「ここは、きっと、あれよ!海賊の、お宝の洞窟よ!」
「……あ!渇きの石ですね!」
「ええ!きっとね!」

 トルネコの発言にクリフトも閃いたように言葉を続け、力強く頷いたトルネコが道具袋を探る。

「あった、あった。投げ込めばいいのかしらね、よいしょっと。」

 水で満たされた階段に、トルネコが渇きの石を投げ込む。

 途端に水が渦を巻き、掻き消えるような勢いで、投げ込んだ石に吸い込まれて姿を消した。

「全部、なくなったね。すごいね」
「海岸にあって、海の水を吸い込み続ける程の物でしたものね。間違って水源に落としでもしてしまったら、大変ですね」
「あらやだ、ほんとね。気を付けなくっちゃ。」

 言いながら気にした様子も無く、トルネコが拾い上げた渇きの石を再び道具袋に仕舞い込む。

「さあ、行きましょう!あの村の伝承が本当なら、はぐれメタルの剣もあるはずなんですから!しっかり、探さなくっちゃね!」
「そうでしたな。伝説の剣を、この目で見られるやも知れぬとは。楽しみです」
「見るだけじゃなくて、せっかくなんだから使ってみていただかないとね!戦士さまほど前衛向きの方でなくても使えるものだというから、いずれ色々と手に入れば、また配分は考えないといけないけれど。ユウちゃんのドラゴンキラーに比べると、今お使いの破邪の剣は、あんまりにも弱いものね。」
「そうですな。それならば、もしも見付かれば。当面、使わせて貰うとしましょう」
「さあ、さあ!それじゃ、行きましょう!」


 さすがに慣れてきたトルネコは先走るようなことも無く、前衛のふたりに続いて先を促す。

「一本道だけれど、この階にはなにも無いわねえ。次に、期待ね!」
「階段の水は吸い込んでしまいましたけど、洞窟の中を滝が流れているのですね。素敵ですわ!」
「うん。きれいね」
「海と似た魔物が多いんだろうか。楽しみだな!」
「湿気が多いですな。後で武具の手入れをきちんとせねば。錆び付いてしまいそうです」
「天空の鎧も、錆びるかな?」
「それは、無いとは思いますが。手入れをするに越したことは無いかと」
「うん、そうね」


 真っ直ぐ進み、階段を下りた先で、宝箱を見付ける。

「あら、やっとあったわね。どれ、どれ……あら!これは、時の砂ね!」
「と、いうと。それもあの村で聞いた品ですね。戦闘中の時間を、少し戻すことが出来るという。それもここにあったのですね」
「そんな物を使って勝っても、楽しくは無さそうだな」
「結果が全てである時に、勝ち方など選んではおれぬものです。手段があるに、越したことは無いでしょう」
「たしか、一回の戦闘で、一回しか使えないのよね。考えて、使わないといけないね」
「そうねえ。あたし、考えるのは少し苦手だし。ユウちゃんに持っておいてもらったほうが、いいかもしれないわね。」
「それなら、俺もいい勝負だな。ユウ、任せた」
「私もですな。有るからと無理に使わねばならない物でも無いでしょうから、持つだけでも持っておいて頂ければ」
「私も……苦手ということは無いのですが、いざという時の判断となると、焦って誤ってしまいそうで……。ユウさん、お願いします」
「うん、わかった。あとで、ミネアとおばあちゃんにも相談してみるけど。今は、わたしが持ってるね」


 魔物を倒しながら更に進み、次の階では小さなメダルを、更に次の階ではゴールドと、邪神の面を見付ける。

「それは……防具なのか?面のようだが」
「なにか……禍々しい気配を感じます」
「強いようには見えぬが、どうなのでしょう」
「すごく……いやな感じが、する」
「これはねえ。強いことは強いのだけど、呪われてるのよね。装備すると呪われて、常に混乱した状態になってしまうのよ。教会で呪いを解いてもらうまで、外すこともできないし。強いみなさんが、間違って装備しちゃったら大変ね。間違っても、装備しないでね。」
「それは……。早く、処分してしまったほうが良いのでは……」
「そうねえ。一応、ふたつと無い貴重な品ではあるのだけれど。売ってもいくらにもならないし、捨ててしまいましょうか。宝箱に、戻しておけばいいわね!」


 邪神の面を宝箱に戻し、更に進んだ先ではぐれメタルの剣を見付ける。

 トルネコが剣を手に取り、喜色満面で声を上げる。

「あったわ!本当に、あったのね!さ、ライアンさん。持ってみてちょうだい!」

 トルネコに剣を手渡されたライアンが握って軽く振り、感触を確かめる。

「ふむ。これは。適度に重量があるのに振れば軽く、鋭い動きが出来ますな。手練れであれば相当な威力が出せましょうし、そうでなくともそれなりに強力な攻撃が繰り出せそうです。当面は使わせて頂きますが、いずれは他の方にお使い頂くのも、やはり良さそうですな」
「そうですわね。あたしやクリフトさんや、ミネアさんにも使えそうですものね。ユウちゃんも、もちろん使えるし。ともかく、もうお宝も無いようだから。ひとまず、戻りましょう!」
「うん。じゃあ、リレミトするね」


 究極の剣を手に入れた五人は少女の魔法で洞窟を脱出し、外の仲間と合流する。 
 

 
後書き
 隠された宝を手にして、一行は戦力を高める。
 秘境の村に隠されたものの前に、立ち塞がるものは。

 次回、『5-47隠されるもの、守るもの』。
 11/2(土)午前5:00更新。 
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