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ゲルググSEED DESTINY

作者:BK201
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第二十五話 前哨戦

 
前書き
更新が遅れ気味。歯医者行っていたとはいえ、間に合わないとは……。親知らず抜いて痛いです。明日の更新は痛くて無理かも……。 

 
一番最初にベルリンに辿り着けるのは新造艦であるラー・カイラムの筈だった。距離、速度、ルートの三つにおいてミネルバやアークエンジェルよりも近い位置にいたのだ。実際、何も起こらなければ一番最初に着くことが出来たのだろう。何も起きなければ―――

「くうゥッ!?被害状況を知らせろ!」

イタリア方面を移動中、突如敵の攻撃を受けた。ミサイル群とビームによる一斉射撃とMS部隊の登場。その数は二十機以上。しかもその内の二機は明らかに毛色が違う。

「ミサイルは殆ど撃墜。ビームに関しては直撃を貰いましたが幸い損害は軽微です。艦の装甲の厚さに救われましたね」

ラー・カイラムは新造艦だけあって装甲の硬さも一級品のようだ。完全な不意打ちを食らったが、すぐさま立て直すことに成功する。流石にこの艦の性能に不信感を懐いていたグラスゴーもこの艦の防御力の高さに感嘆する。

「MSは発進可能か?」

「既に二機は出撃準備が整っているとのことです。もう一機もじきに発進準備が整うと」

「他にまだMSはあっただろう?それはどうなっているんだ?」

「MSがあってもパイロットがいませんよ。それに調整も済んでないので、どちらにしても出撃は難しいかと」

二十機以上の相手に二機とは心細いが、艦の性能と同じようにMSの性能を信じるしかないと判断する。本来なら一騎当千などというような賭けは嫌いなのだが、状況が許さない。

「発進準備急げ!敵を近づけさせるなよ!」

イギリスの町を戦闘に巻き込むことになることを遺憾に思いながらも敵MSが接近してくる為、戦闘じゅんびを整える。ジェットストライカーを装備したウィンダムの部隊、ドッペルホルンを装備し、VTOLで運ばれている少数のダガーL部隊、緑と赤を基調にした砲撃系と思われるMS、黒を基調としたストライク系列と思われる機体。
数だけでなく、どうやら敵は精鋭のMSも用意しているようだ。

『ま、止む無しってことですね。発進しますよ?』

「チッ、いいからさっさと出ろ!」

『了解、っと』

おどけた調子で言ってくるクラウに益々苛立ちを募らせるグラスゴー。彼に小馬鹿にされているのは明らかだが状況が状況なので文句を言う暇もない。

『クラウ、艦長を馬鹿にするようなその発言は止めろ』

『そんな心算はないんですけどね?』

出撃するもう一人のパイロットであるアレック・ラッドがいさめる様にそう言ってくる。

『そうだよ、真に美しい存在はそういった細かいことに気をかけてはいけないものだぞ』

下手すれば余計に怒りを買いそうな忠告を同じくパイロットの一人、ルドルフ・ヴィトゲンシュタインもしてくる。

『お二人のその考えは素晴らしいですけど迷惑なんで、こっちに押し付けないでくださいね』

笑顔のままクラウはそう言って二人の忠告を無下にする。

『まあ、何にせよ―――僕の機体は間に合っていないようだからね。君達が先に出て行ってくれたまえ』

『金色の塗装をしてたせいで間に合わなかっただけだろうが』

ルドルフが髪を弄りながらそう言うが、アレックが呆れたように原因となっていたことを指摘する。金色に自費とはいえ機体を塗っていた為に他の作業が大幅に遅れ、機体が間に合わなかっただけなのだ。

『真に美しいこの僕に相応しい戦場というものがあるのさ。露払いは君達に任せるとするよ』

こいつら配属されたけど、本当に議長推薦なんだろうかとクラウは思ってしまう。少なくともグラスゴーはその筈だが、後の面子に関してはその辺の事は聞いてないので彼は知らない。
自分達で志願したのかもしれないし、議長以外の人事が勝手に選んだのかもしれない。少なくとも馬鹿と頑固な人間だということは確かだろう、とクラウは思っていた。
ついでに言えばグラスゴーのことも馬鹿にしているというよりは単に面倒だから相手にしてないだけである。艦長職についている人間に一々指示したりしてたら、向こうのプライドとか傷つけるだろうという、気遣いとも言えない様な扱いをしているだけに過ぎない。グラスゴーが知ったら余計に怒りを爆発させそうな理由だが。

『さてさて、一体どうなることやら―――』

そう言って笑みを浮かべながらクラウは機体を出撃させた。







「敵MSの出撃を確認。敵は二機だ。各機、作戦通りに―――!?」

『死ね、死ね!ミューディーの仇だ!全員ぶっ殺してやる!!』

スウェンがMS部隊を指揮しているとシャムスの駆るヴェルデバスターが突出してMSを落とそうとする。

「出すぎだぞ、シャムス。お前は下がってダガー部隊と共に艦を―――」

『うるせぇッ、黙ってろ!俺がアイツ等を全員ぶっ殺してやる!』

指示に従うことなく、シャムスのヴェルデバスターはそのまま黒のMSに突撃していく。連続して放たれる砲撃。その射撃の弾幕は一機のMSをそのまま弾幕の網に捉え、食らいつくすかのように思えた。だが、

『遠距離用がわざわざ接近して来ちゃ駄目でしょ』

あっさりとその弾幕を掻い潜り、ヴェルデバスターの目の前に立つ。

『今乗ってるガルバルディβは装甲が薄いからね、躱すかシールドで防ぐしかないんだけど……まあ、じゃ早速お疲れ様っと』

『……クッ!』

シャムス・コーザーはコックピット内で目の前のMSに対して中指を立てる。近づいていたMSはそのままゼロ距離でビームライフルを放ち、ヴェルデバスターを容易く撃墜した。

「くそっ……!」

ストライクノワールを操縦していたスウェンはシャムスが死んだ様子を見て、拳を壁に叩き付ける。

「全機、聞こえるか。アレは俺がやる。ダガー部隊はそのまま艦を叩け。ウィンダム部隊、もう一機のMSを抑えろ!」

『『『了解!』』』

皮肉なことに味方が一瞬で撃破された様子を見たせいで、ファントムペインの面々は指示に従う。

『ストライクノワールか……連合最強クラスの兵器がこんな主戦場から離れたところによくもまあ』

二連装リニアガンを発射しながら接近するストライクノワール。ガルバルディβもその挑発に乗るかのように接近戦で相手をしようとスラスターを噴かしながら一気に近づく。
二機の黒い機体が空中を駆け巡り、まるで魔弾のようにぶつかっては離れるといった具合に交差していく。ビームライフルショーティーを連続して放っていくノワール。ガルバルディβはそれを巧みに回避し、ビームライフルで反撃していく。当然、スウェンはそれらを避ける。しかし、時間差で放ったシールドミサイルがストライクノワールを捉えた。

『落ちろッ!』

直撃と共に爆発する。その爆発によって発生した煙。そこからアンカーランチャーと呼ばれるワイヤーが伸びてくる。不意打ち気味に放たれたワイヤーをクラウは避けることが出来ず、捕らえられる。

「………」

『ッ!?』

煙が晴れると同時にストライクノワールの左手から伸びたワイヤーをスウェンは引っ張る。出力の差こそあまりないが、体勢を崩していた上に軽量なガルバルディβは引っ張られる。

「終わりだ―――」

『まだだッ!』

右腕にビームブレイドを持ち、切りかかるストライクノワールの攻撃をガルバルディβはシールドで防ぐ。シールドは断たれるが、それと同時にシールドを取り外し、後ろに下がったガルバルディβは左腕の装甲の一部を掠める程度に被害を収める。それどころかストライクノワールが絡み付けていたワイヤーを揺らし、ワイヤーを切らせ、距離を取る。
そのまま地上に自由落下しながらシールドに狙いを定め、ビームライフルを放つクラウ。スウェンはその狙いを理解したのか咄嗟にシールドから距離を離す。シールドに命中するビーム。ビーム自体はラミネート装甲のシールドを貫くことはない。しかし、シールドに取り付けられていたシールドミサイルが誘爆する。

「ツッ……!?」

『さあ、二回戦と行こうか』

スラスターを再び噴かし、体勢を立て直しながらスウェンのストライクノワールに向かうガルバルディβ。回転しながらショーティーを放ち、近づけさせないようにストライクノワールはビームを当てようとする。
クラウもガルバルディβの機動力を生かして回避しながらビームを放っており、二つの黒の魔弾は踊り狂うかのように戦いあっていた。







「やはり正面切っての戦いの方が俺は好みだな。ダガーよりも先にウィンダムを倒させてもらうとしよう!」

クラウの乗る機体のベースとなった機体、ガルバルディαを操縦するアレックがウィンダム部隊に突撃する。ガルバルディβもそうだったが、このガルバルディシリーズは軽量化によって機動力を確保しており、更にゲルググシュトゥッツァーが使用した試作型フライトユニットのデータを参考にし、後部のスラスターを改良することによって空戦能力を手に入れていた。

「行くぞ!」

自らの正々堂々と戦う潔癖さを持つ彼の高潔な精神性を表すかのように、白に塗装されたガルバルディαはランスにも似たビームソードを堂々と抜きつつ、右手に持つビームライフルで敵を貫いていく。
しかし、高潔さや正々堂々などといった精神とはかけ離れたファントムペインはウィンダムを次々と移動させ、囲い込むように敵を倒そうとする。更には上から攻撃を仕掛けることで移動中に通ることとなった町にすら被害が及んでいく。

「貴様等ッ、自分達が守るべき町の住人すら撃つとはどういう了見だ!」

ビームソードで一機のウィンダムをコックピットごと刺し貫き、次々と敵を落としていく。

『宇宙の化物が高潔な精神なんてもん持ってるわけないだろ!』

『コーディネーター風情が人間の真似してるんじゃないよ!』

次々と攻撃してくるウィンダム部隊。そんな中、攻撃を躱していると突然地上からも攻撃を受ける。直前にシールドで防いだものの、攻撃を仕掛けてきたのはダガーLによるドッペルホルンによる砲撃だった。味方がいることにも構わず攻撃を続けるダガーL。

「こいつら、味方ごと攻撃しようというのか!?」

連合の余りの非道な行動の連続にアレックは思わず呻く。だが、それに気を取られてしまいウィンダムの一機が攻撃し、シールドを持った腕を切り裂いた。

「しまった!?」

『死ねッ―――!コーディネーターァッ!!』

そのままドッペルホルンの砲撃を受け、体勢を崩したガルバルディαを狙って斬りつけて来るウィンダム。回避は間に合わない。最早これまでか、そう思ったアレック。しかし―――

『私の様に美しい存在はこういった良いタイミングで現れるものなのだよ』

突如横合いから放たれたニードルミサイルによってウィンダムは撃墜される。そちらの方向を見てみると、ゴールデンカラーの機体が現れていた。

「ルドルフの奴か!」

『なんだ、あのMS?』

『金色だと?戦場に来ておいてふざけてやがるのか!』

連合側も突然の金色の機体の登場に呆れる様子を見せるがルドルフは余裕の表情を見せながら言い放つ。

『君達には戦いへの美学が欠けている。住民や味方ごと撃とうなど、やはりナチュラルは醜いな。本当に美しい戦い方というものを見せてあげよう』

一気に突撃する金色のMS。ウィンダムもビームサーベルを構え、切りかかるが、丸いシールドによってあっさりと防がれる。

『この僕のような美しい騎士に相応しいこのギャンを相手にして、その程度の攻撃が通じるはずもないだろう?』

大型の専用ビームサーベルを突き出し、一撃でウィンダムは撃破される。その様子を見て連合のMSは思わずたじろぐ。

「あんな奴に助けられるとは……」

溜息をつきつつもアレックは助けられたことの感謝を示すために後ろから狙っていたウィンダムを撃ち抜く。

『フム、助けてくれたことには感謝しようじゃないか。流石は僕の引き立て役だ』

「誰が引き立て役だ。まったく、何故俺がこんな奴と共に行動しないといけないんだ……」

『さあ、僕の美しさを示す糧となるがいい!』

二機はその後も連携を取りながら次々とMS部隊を撃破していった。
 
 

 
後書き
新型三機の登場!黒色のガルバルディβ、白色のガルバルディα、金色のギャン!
こいつら本当に戦争する気あるんだろうか?一応、ガルバルディの二機は試作型フライトユニットのデータを得ることによって空中戦が可能となっています。ギャンに関しては空中戦は艦から飛び降りてスラスター噴かしているだけです。長時間は浮けません。
一応ガルバルディは広義的にはゲルググの仲間なので大丈夫なはず。ギャンに関してはいないとガルバルディが造れないので一機だけ製造されました。 
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