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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第2章
戦闘校舎のフェニックス
  第33話 早朝特訓とブロンドのホームステイ

 
前書き
久々にドレイク登場です。 

 
『よう、明日夏』
「………」
朝から聞きたくない声を聞くはめになった。
何時もよりも早く目覚めて、時間まで走り込みでもしようかと思ったら、ドレイクの奴が話し掛けてきた。
「…たまには二度寝でもするか」
『おいッ!!』
「あー、あー、眠い、眠い」
『この野郎…』
二度寝はあまりしない主義だが、コイツと話すくらいなら、二度寝するか。
『………』
お、黙ったか…。
『龍の影を纏う~…』
いきなり大声で歌い出した。
『終わりの無い~戦いを~…』
「分かったッ!!話し相手になればいいんだろう!!」
喧しくて仕方がない。
『へへ、最初からそうすればいいんだよ。ちなみにさっきの歌は昔見た特撮番組の挿入歌だ』
「聞いてないし知ってる」
『そうかよ』
コイツは本当に…。
「…で何の用だ…」
『お前のダチ、とうとうドライグの力に目覚めたな』
「…ドライグ?」
聞き覚えの無い名前が出された。
『赤龍帝様のお名前だよ』
なるほどドライグって言う名前なのか。
「で?」
『ん?』
「何が言いたいんだ」
『ああ、何時力に溺れるのかなあってな』
「………」
『果たしてそうなった時にお前はアイツを助けてやれるのかなあ…何も守れない明日夏様に…』
「………れ…」
『あの時もあの時もあの時もお前は何か守れたのかなあ』
「……黙れ…」
俺は起き上がる。
『いっその事あの時みたいに諦めちまえば…』
「黙れェェェッッッ!!!!」
俺は拳を壁に打ち付けていた。
「はっきり言ったらどうだ!!お前の力を使えってな!!」
『悔しいのならウジウジしてねえで強くなりゃいいじゃねえか…たくっ、見ててイライラすんだよ…』
何か呟いていた。
「…何か言ったか」
『別に…俺も焼きが回ったもんだぜ…』
また何か呟いていた。
『じゃあな』
そう言ってもう話しかけて来なくなった。
(何だったんだアイツ…)
強くなれ何て初めて言われたぜ。
アイツは宿主の強さ何か気にしねえタイプだったはずだが。
「ちッ!!癪だがアイツの言う通り守れるように強くなるだけか」
アイツに言われた事なのが本当に癪だが。


俺は走り込みに行くためジャージに着替え、台所に行くと千秋が居た。
「何してんだお前?」
「ッッッ!?あ、明日夏兄!!」
そこまで驚くなよ。
俺は千秋の手元を見た。
「レモンのハチミチ漬け?」
運動なんかをした後に疲労回復によく食べられる物だった。
俺自身も自分で作って鍛練の後に食ってたしな。
他にもスポーツドリンクやタオルなんかも用意していた。
自分の分にしては多いな。
そもそもこんなに朝早く…ああ、なるほど。
(そう言えば…)
先日、部長がイッセーにこんな事を言っていた。


「早朝特訓?」
イッセーが部長に言われた事を口にしていた。
「堕天使との戦いで分かったの。貴方はもっと基礎体力を向上させる必要があるの」
「は、はあ」
「確かにお前の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)は元の能力が高いほど倍加した時の力の上昇が高いからな。分かりやすく言えば元の力が一の場合二回の倍加で四につまり二十秒掛かるのになるのに対して、元の力が二なら一回で四につまり十秒、強化に掛かる時間が半分で済む訳だ」
「なるほど」
「明日夏の言う通り、貴方の基礎が高ければ高いほど貴方の神器(セイクリッド・ギア)の力が生きるの。そう言う訳で朝五時前に迎えに行くから」
「分かりました」


何て事があった。
時間を見ると四時半前であった。
「イッセーにか?」
「…う、うん…」
顔を赤くしてうつむいた。
「んじゃ、俺もイッセーに付き合うか」
もともと走り込みに行く予定だったしな。


外に出るとジャージ姿の部長が居た。
「あら、早いのね」
「まあ、何時もよりも早く目覚めてしまったのでイッセーに付き合おうかと」
「千秋は別の理由そうね」
「………」
千秋がまた顔を赤くしてうつむいた。
数分後、イッセーが慌てて家から出てきた。


チャリン。チャリン。
「ほら、だらしなく走らないの」
「は、はい…ハーレム王に俺はなる…」
走っているイッセーに自転車に乗った部長が気合いを入れていた。
何か体育会系だな。
「ハァ。ハァ。…悪魔って意外に体育会系…」
イッセーも思ってたらしい。
「ぼやかないの。明日夏と千秋は普通に走っているわよ」
それはまあ、昔から鍛えてますから。
ちなみに俺と千秋もイッセーに付き合って走っている。
千秋が用意した物は自転車のカゴの中に入れてもらっている。
「私の下僕が弱い何て許されないわ」
「…が、頑張ります…」
「…イッセー兄、ファイト」
「…お、おう…」
千秋、応援はいいが、バック走やりながらは精神的にダメージを与えてると思うぞ。


俺達は公園に着いたら今度は筋トレをやっていた。
今、イッセーは部長が背中に座っている状態で腕立て伏せをやっていた。
ちなみに俺は片腕立て伏せだ。
背中では千秋が逆立ち片腕立て伏せをやっている。
パン。
「ぐあっ!?」
「何だ?」
「?」
「邪念が入っているわ。腰の動きがイヤらしいわよ」
どうやらイッセーの奴が部長の尻の感触とかで反応したみたいだな。
「………」
心なしか千秋に力を入れられて押されてるような気がする。
てか、押してるな確実に…。
俺に八つ当たりするのはやめてくれないか。
「そろそろ来る頃なんだけど」
『?』
誰か来るのか?
「すみませーん」
この声は…。
「イッセーさん、部長さん遅れてしまって本当に…ヒャアッ!?」
ドサッ。
「…う~、何で転んでしまうんでしょうか…」
そこには盛大に転んでいたアーシアが居た。


「千秋ちゃん、準備がいいですね」
アーシアは千秋が用意したスポーツドリンクやタオル何かを俺達に渡していた。
アーシア自身も水筒やら持ってきていたが千秋ほど充実していなかった。
(まあ、コイツはイッセーの事に関しては妥協は一切しないからな)
もともと妥協はしないタイプだが。
その調子で告白とかもすりゃあいいのに…。
そっち方面になると一気に素直じゃなくなるからな。
ちなみに千秋は今、イッセーから少し距離を置いている。
汗の匂いを気にしているからだ。
イッセーは多分、そんなに気にしねえと思うがな。
「ところでアーシア、何でここに?」
俺はアーシアに聞いた。
「部長さんに来るようにと」
「部長が?」
俺は部長の方を見るが、部長は何か考え込んでいる様子だった。
「部長?」
イッセーが呼んだら、慌てて我に返った。
「それじゃあ、アーシアと一緒に行きましょうか」
「どこへ?」
「イッセーのお家よ」
「へ?」
「え?」
「は?」
イッセー、千秋、俺という順番ですっとんきょうな声を出した。


「こ、これは…」
「い、一体…」
「な、何だ…」
イッセーの家の玄関の前には、行く前は無かった段ボール箱の山があった。
まさか…。
「私の私物です。意外に多くなってしまって」
『ッ!?』
イッセーと千秋が驚愕していた。
やっぱりか…。
「つまりアーシアは…」
俺は部長に聞くと。
「そうよ。今日からアーシアはイッセーの家に住むのよ」
「はいぃぃぃ!?」
「よろしくお願いします」
おいおい…。
「……………」
案の定、千秋は固まっていた。
「希望を聞いたら、イッセーの家がいいって」
「そ、そんな急に言われても!!」
はあ、やっぱりアーシアもか…。
何となくアーシアがイッセーを見る目から想像出来たが、まさかイッセーの家に厄介になりたいと言うとわ。
「……………」
千秋は未だに固まったままだった。


『!?!?!?!?!?』
父さんと母さんは開いた口が閉じないでいた。
そりゃあ、アーシアみたいな美少女が家に住みたいって言われたらそうなるよな。
「ア、ア、ア、アーシアさんだったかな…」
父さんがやっと言葉を発した。
「はい、お父様」
「ホ、ホ、ホームステイをするにしても、家より他の家の方がいいんじゃないかね…」
「イッセーさんは私の恩人なんです」
「恩人?」
「はい。海外から一人でやって来て、一番お世話になった方なんです。そんなイッセーさんのお宅なら私も安心して暮らせると」
「…アーシア…」
「でも、ご迷惑なら諦めます…」
「ああ、ダメっていってる訳じゃないのよ。部屋も空きがない訳じゃないし…ただ」
ん…。
「家には性欲の権化とでも言うような息子がいるからな…」
「そうそう」
「なあッ!?息子に向かって何て言いぐさだ!!」
事実だから否定しないけど…。
「おじさん、おばさん、さすがにイッセーでも人並みの良識はありますよ」
明日夏がフォローしてくれたけど、さすがにって何だよ。
「では、今回のホームステイは花嫁修業もかねて、と言うのはどうでしょう?」
『は、花嫁ッ!?』
俺と父さん、母さん、それと千秋が声を荒げた。
「か、母さん!!こんな息子だから一生孫の顔なんぞ拝めないと思ってたよ!!」
「父さん!!私もよ!!こんなダメ息子によくもまあ!!」
「こら、まてまて!!」
言いたい放題だな。
「お父様、お母様、イッセーさんはダメな方ではありません」
『ッ!!』
「な、何て良い子なんでしょ!!」
「ああ!!リアスさん、アーシアさんをお預かりします!!いえ、預からせてください!!」
「ありがとうございます、お父様、お母様」
「ええッ!?」
「これで決まりね」
「あの、花嫁修業と花嫁になるのは全然違うんですが…」
「……花嫁ね……」
「部長?」
急に遠くを見つめ出した。


「んぐ。んぐ。んぐ。ふう。…もう一杯…」
「………」
夜、千秋は飲んだくれていた。
ちなみに飲んでいるのは当然酒…ではなくスポーツドリンクである。
「…その辺にしたらどうだ…」
千秋はイッセーの事でとてつもないショックを受けるとこのようにやけ酒ならぬやけスポーツドリンクをする。
「…うるさい…注げ…」
それと何故か雰囲気的に酔ってる。
「…どうせアーシア先輩はかわいいよ…そりゃ、お嫁に来るのなら嬉しいでしょう…」
まあ、これも一種の暴走か…。
(やれやれ…)
そんな千秋の相手をしているとケータイが鳴った。
「…はい…」
『どうしたんだい明日夏?何か元気が無いよ?』
「って、兄貴!!」
そう、電話の相手は俺と千秋の兄である士騎冬夜であった。
『で、どうかしたのかい』
「…いろいろあるんだよ…」
『いろいろって?』
「…で、何の用だ…」
『鮮やかにスルーしたね。まあ、いいか。用って言うのは、実はあの子達がそっちに行くんだよ』
「ッ!?二人が!!」
その報告に俺は驚いた。
『駒王学園に転入する予定だよ』
「大丈夫なのか。二人がこの町を去ったのは…」
『あれからずいぶん経っているし、噂とかも聞かないだろ』
「まあ、確かに」
『用はそれだけ』
「そうか、じゃ」
『千秋を頼むよ』
「ああ」
『それから、イッセー君にもよろしく』
「ああ」
そこで通話が切れた。
「今のって、冬夜兄?」
「ああ」
「元気にしてた」
「ああ。それから…」
「?」
「あの二人が帰ってくる」
「ッ!?…そう…」
そう言うと千秋はリビングに戻って行った。
「………」
二人が帰ってくる、一波乱が起こりそうな予感がした。
その後、再び千秋はやけスポーツドリンクをしていた。  
 

 
後書き
冬夜の紹介は本格的な登場の後に書きます。
次回、新しいオリキャラ登場。 
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