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ゲルググSEED DESTINY

作者:BK201
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第二十話 覚醒の序曲

「やってくれやがったな、オーブ軍がッ!」

唇を噛みしめながらマーレはビームマシンガンを放ち牽制する。ムラサメやアストレイといったMSだけでなく敵艦隊の砲撃が襲い掛かることでミネルバはまともな行動を防がれていた。

『ちょっと!こんなのどうしろっていうのよ!?』

『クッ、数が多すぎる!』

レイやルナマリアも必死に敵が纏わりつくのを防ごうとするが、如何せん敵や砲撃の数が多すぎた。今のミネルバにまともな走行が不可能な以上、迎撃するしかないのだが止まっている的に攻撃を当てるなど容易い事と言えるだろう。
ミサイルやMSはまだ防ぎきれるが、砲弾の類に対して正確に狙いを定め迎撃するのは難しい。

『ルナマリア、後ろだ!』

『エッ、きゃあ!?』

砲弾を迎撃していたルナマリアをムラサメ部隊が背後から強襲する。幸い被害は大きくないようだが、後ろのビームキャノンが使えなくなったようだ。
強襲してきたムラサメ部隊はマーレが迎撃するが連携を取って防御してきた彼らを落とすことは出来なかった。

「クソ、厄介だな。相変わらず群れる事だけは得意だってか!」

ビームバズーカを放ち、ミサイルを迎撃する。徐々に追い込まれるように囲まれていくが、三機で正面と左右の防衛にあたることによって何とか持ちこたえていた。

『このォォ―――!!』

ルナマリアのビームライフルと三連装ミサイルが敵の弾丸やミサイル、MSを落としていくが、一向に減ったように思えることがない。
レイがスラスターを使って空中に跳び、ナギナタで敵を切り裂く。その隙を狙ったかのようにミサイルが襲い掛かるが、シールドで防ぎ、爆発の衝撃に吹き飛ばされながらも耐え忍ぶ。

『ぐ、グゥ……ッ!?』

「落ちろォッ!!」

ビームバズーカとビームキャノンを同時に放ち、ムラサメを数機、纏めて落とす。しかし、残った敵MS部隊が反撃とばかりにミサイルやマシンガン、ビームライフルを連射してくる。

「好き勝手してくれやがって!?」

回避行動を取りながら反撃していくマーレ。しかし、一機のムラサメが彼らの防衛戦線を突破する。

『しまった!?』

「撃たせるかッ!!」

ミネルバの艦橋に向かってビームライフルを構えるムラサメ。しかし、後ろからマーレがビームキャノンによって貫いたことで難を去る。だが―――

「グッ!?クソったれがァッ!」

隙を見せたマーレの機体を集中砲火する敵部隊。攻撃を何とか防御し続けるが流石のゲルググといえどもムラサメ部隊の連撃に耐え切ることは出来ない。レイやルナマリアが助けに入ろうにも周りから阻まれ、進むことは出来ず、絶体絶命かと思ったその時、

「――――――!?」

突如上空から降り注ぐ射撃。それは以前にも見たことのあるもので、そして何より目の前で戦った相手―――――

「フリーダムッ―――!?」

マーレの危機を救ったのはアークエンジェルの機体であるフリーダムだった。しかし、マーレは自らの命が助かったことよりも先に憤怒が湧き出る。

「貴様が、貴様のような輩が俺を助けただと……?敵にするにも値しないと……そう言いたいとでもいうのかッ、フリーダムッ!!!」

スラスターを全開にして一気にフリーダムに迫る。ビームナギナタを抜出、正面から叩き潰さんとする。

「貴様アァァァッッ――――――!!」

しかし、先程までムラサメ部隊からの攻撃を受けていたゲルググは損傷が激しく、その動きは以前戦った時と比べて著しく劣っていた。そんな状況ではフリーダムに対して相手になるはずもなく、あっさりと右腕のビームナギナタごと断たれ戦闘力を奪われる。

「畜生……畜生ッ―――!!」

マーレは己の無力さに嘆きながら水面に落下していく。幸い、武器は残っている。左腕も無事だ。しかし、フリーダムはこちらを無視するように別の方向に去っていく。マーレは憤怒の表情を顕にしながらもミネルバを守るためにムラサメに向かい攻撃を続けるしかなかった。







『オーブ軍戦闘を止めろ!オーブはこんな戦いをしてはいけない!これでは何も守れはしない!地球軍の言いなりになるな!オーブの理念を思い出せ!それ無くして何のための軍か!!』

「クソッ!キラ、カガリ……また来たのか―――」

アークエンジェルの登場に顔を顰めるアスラン。アスランはセイバーをMA形態に変形させ、キラに接近する。

「フリーダムは俺がやる!各機、連合、オーブとの戦闘を続けろ!」

『なッ、いきなり何を!?』

一方的に指示を言い放ち、彼はフリーダムと接敵する。MS携帯に変形しながら収束ビーム砲を放ち、フリーダムは海面すれすれの位置からそれを避ける。

「キラ、言ったはずだ!この戦いから手を引けと!!」

『アスラン……』

「お前たちのやってることはオーブを危機に曝しているんだぞ!?」

ビームライフルを構え、フリーダムに対して放つがフリーダムはそれを回避し続け、反転しレール砲を放つ。

『だけど……!』

「こんなこと、戦場を混乱させるだけだって―――分からないのか!」

レール砲を躱し、セイバーはそのままビームサーベルを抜いて横薙ぎに斬りかかる。フリーダムはバク転するようにビームサーベルを避け、そのまま収束ビーム砲で反撃する。
セイバーはそれをMAに変形することで一気に射線から離れ、回避するが二人の戦いの円舞曲は続いていく。








「落ちろ、落ちろ、落ちろォォォ―――!!」

ショーンはムラサメやアストレイ部隊を相手に真っ向から向かっていく。彼にとって最優先の目標は後方に待機しているであろう連合の母艦、或いはその艦にいるであろうMSアビスである。

『これ以上、好きにはやらせん!』

ビームライフルをムラサメ部隊が放ち、ショーンのゲルググは被弾していくがショーンはそんなことも気にせず逆にライフルとバズーカで反撃していく。

『ショーン、無茶するな!撃ち落とされっぞ!』

ハイネが制止をしようとするが、ショーンが止まることはなく、そのまま突き進んでいく。そして、そうやって敵陣深くまで切り込んだことによってゲルググにガタがくる。スラスターユニットも限度が近く、これ以上深くまで潜り込むにはエネルギーも足りない。

「チッ!?」

落とした戦果で見れば十分と言えるがショーンはまだデイルの仇を討っていない。しかし、損傷したゲルググでこれ以上の戦闘を行えば確実に撃破されてしまう。

『下がりな、ショーン!それ以上の戦闘は無茶ってもんだぜ!』

「くそぅ……シンのインパルスみたいに換装できるなら……」

悔しさに顔を歪ませながらもショーンは撤退していく。それを逃がすわけにはいかないとムラサメやアストレイが追いかけようとするが、目の前にオレンジカラーのグフが立ち塞がる。

『おっと、これ以上追おうっていうなら俺を斃してからにするんだな!』

ヒートソードを抜出、ガトリング砲でアストレイを撃ち抜きながら敵を牽制する。

『さあ、かかってきな!』







また来たか、とネオはそう思いながらアークエンジェルを見る。あれを見るたびに懐かしさというか、既視感を感じるのはファントムペインの母艦であるガーティ・ルーと同系統だからなのだろうかなどと、ふと線の無いことを考える。
ステラがいなくなったせいでこんな事でも考えて現実逃避でもしてるのかね、と思考を振り払いながら二人に出撃させるように命じる。

「いいか、目標はあくまでザフトの艦だ。それ以外の奴らは無視しても構わん」

『そりゃ良いけどよ、別に倒しちまっても構わねえんだろ?』

スティングは獰猛な獣のような顔つきをしながらそう尋ねる。

「ああ、あの介入してきた奴等も敵だ。好きにやっていいぞ」

ステラの事を忘れたアウルとスティングの二人。そんな様子を見てしまい、少し悲しくもなるがその悲痛さは隠しながらも彼は命じた。

『分かってるじゃねえの!ネオ、戦果期待してなよ!』

アウルとスティングも出撃していく。彼等の戦場の介入が何を齎す事になるのか。







「あいつ等、また訳の分からないことをしてッ!」

シンはブラストインパルスのミサイルを放ちカガリの乗るストライクルージュを討とうとする。しかし、

『おっと、それは流石に許せないかな』

他と違うカラーをしたムラサメが現れ、ミサイルを撃ちぬく。バルトフェルドの駆るムラサメだ。

「邪魔をするなッ!」

収束ビーム砲ケルベロスを構え、ムラサメごとストライクルージュを撃ちぬかんとする。

『俺はキラみたく巧くないんだ!落とされても知らんよ!』

バルトフェルドは一気に距離を詰め、ブラストインパルスの射撃を許そうとはしない。そしてそのまま斬りかかろうとするが、シンはシールドでそれを防ぐ。その時―――

『ハッ!落ちな!!』

突如横合いから介入したカオス。ビームライフルとミサイルの連撃。介入されたブラストインパルスとムラサメの二機はその攻撃を回避する。

「こいつらも!?」

ステラと同じエクステンデットではないのか。そう思い、あの基地での情景が思い出される。しかし、目の前にいるのは敵だ。更には状況的には三つ巴。ミネルバも危機的な状況にある。そんな中で止まるわけには行かない。
今度こそ収束ビーム砲を放つ。ムラサメはそれを躱すが動きを制約させることが目的だった。

「今だッ!」

レールガンとビームライフルを放ち、一気に仕留めようとする。しかし、カオスがポッドを使い、攻撃を邪魔立てしてくる。
そうして彼等が戦い合っていると数機のムラサメ部隊がミネルバに向かって突撃していく。

「なッ!?させるか!」

ビームを放ち、突撃していく機体を撃ち落そうとするが、数が多く、更にカオスに邪魔されて狙いをまともに定めれずにいる。

『何故だ!何故、戦いを止めてくれない!私は……私はこんなことを……!?』

ストライクルージュがそのムラサメ部隊の正面に立ち、止めようとする。しかし、彼女の叫びは届かない。

『そこをどけ!これは命令なのだ!今のわが国の指導者、ユウナ・ロマ・セイランの!ならばそれが国の意思!なれば、我等オーブの軍人はそれに従うのが務め!その道、如何に違おうとも難くとも、我等それだけは守らねばならぬ!おわかりかぁー!!』

意識が違う。軍と政治では枠が違う。彼等の見てる視点では世界が違う。彼等オーブの主張も彼女達アークエンジェルの主張もどちらも互いに通じ合うことなど無いのだ。

『我等の涙と意地、とくと御覧あれ―――ッ!!』

神風特攻と呼べるような突撃。動けぬミネルバは的となる。

『撃たせない、これ以上絶対に撃たせない!!』

損傷し、撤退していたショーンがやってきたムラサメに立ち向かう。レイやルナマリアもムラサメ部隊を迎撃し、何とかしようと防衛に当たる。ミサイルとビーム、バズーカによって一機、また一機と撃ち落されていくムラサメ。
しかし、ムラサメ部隊の特攻は止まらない。いや、命を覚悟にするだけの相手を止めることなどできないのだ。

『ウオオオオォォォォォォ―――――――!!』

ミネルバに一機のムラサメが突撃し、爆発する。衝撃を受けるミネルバ。その姿は余りにも無残だ。続けてムラサメが突撃していく。ミネルバが、共に戦った戦友が……やられていくその姿を見て、シンの中で何かが弾ける。

「クソォォォ―――!!」

頭の中がクリアになる。敵の動きがまるで今までよりも緩慢に、そしてより鮮明に映る。彼はこのときをもって遂にSEEDへの覚醒を果たした。

『これでッ!』

カオスのサーベルとクローが襲い掛かるがブラストインパルスに乗ったシンは総てを躱し、逆にビームジャベリンを構え、突き抜く。
ポッドが貫かれ、そのままゼロ距離でミサイルを連打する。

『ぐ、クソッ!?』

そしてそのまま止めを刺そうとするが、バルトフェルドの乗るムラサメが邪魔をした。

「お前も、お前達も―――そんなことして戦争が、終わるわけないだろォォ―――!!」

ジャベリンを投げつけるシン。咄嗟に回避行動に移るが間に合わない。距離が多少遠かったこともあり、その持ち前の悪運の強さで直撃だけは避けた。しかし、機体の損傷は甚大で、中にいたバルトフェルドも被害を受ける。

『痛ッ―――やるじゃないか……砂漠の虎と呼ばれた俺が、こんな簡単に追い詰められるなんてな』

ヘルメットが割れ、額に傷が出来、流れる血のせいで視界が赤に染まる。これ以上の戦闘はパイロットとしても機体の状態としても不可能だと判断して撤退する。

『こんの、舐めやがってェ―――!』

ポッドを撃墜されようとも武器は残っている。ビームライフルを連射しつつ、格闘戦に移行しようと突撃をしかけるカオス。しかし、今のシンを相手にするには些か以上に役不足だった。
収束ビーム砲をほぼゼロ距離で放つシン。それはコックピットこそ貫かなかったがカオスに致命的なダメージを与えた。

「ツッ!?」

このまま放てば一気に仕留められるだろう。しかし、脳裏によぎるのはステラの姿。自分はあれと同じ被害者たる人間を撃ってもいいのか。その一瞬の躊躇いがカオスの窮地を救った。

『何あっさりやられてんだよ、スティング!』

アビスが海面から突如現れ、スティングのカオスを掴み、そのままスラスターを全開にして撤退する。

『済まねえアウル。アイツ等にやられちまった……』

『バーカ、何ドジ踏んでんだよ。そんなことするのはアイツだけで……アイツって誰だ?』

『俺が知るかよ……』

アイツ―――ステラの事を感覚的に思い出すかのように、いやそんな鮮明なものですらない名残のようなものを感じながら、そんな言葉を言い、そのまま二機は戦線から撤退していった。

 
 

 
後書き
シン遂にSEED覚醒。思えば成長フラグを折りまくって、このままだと本当に覚醒しないんじゃないのかと思いつつも無事覚醒しました。
クラウ?いないよそんな奴。ゲルググが思った以上に活躍できていない。今回だって馬場とかに邪魔されたし……。
リゲルグだ!リゲルグを完成させてステラを乗せれば勝てるに違いない!!そうに違いないんだ…… 
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