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ゲルググSEED DESTINY

作者:BK201
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第十七話 すれ違う運命

「何なんだよ、あいつ等!!いきなり現れて引っ掻き回して、デイルを……ッ!!」

戦闘が終わり、ミネルバへと帰還したゲルググのパイロットであるショーンが涙を流し、ロッカーを叩きながら怒鳴る。その言葉はこの場にいる誰もが同意する言葉だった。かつてアークエンジェルクルーと共に戦ったアスランですら、同様のことを思う。
ミネルバが受けた被害は甚大だ。破壊されたタンホイザー並びにその際に爆発に巻き込まれた人員。戦死したデイル。大破、中破している多くのMS。
特に戦死したデイルやミネルバクルーに関してはショーンと同様に嘆き悲しむ人は多かった。

「ショーン―――ひとまず部屋に戻るといい。後のことは俺が報告しておく」

レイが気を遣いショーンに部屋に行くように促す。ショーンはそれに従ってそのままレイに部屋まで連れていかれていった。

「アンタ等、っていうかアスハはいったい何考えてんだよ!?」

シンはショーンが居なくなったのを確認してからアスランに問い詰める。アスランは苦い顔をするばかりで答えられない。

「戦争を止めようだとか、中立を保つだとか、そんな綺麗ごとばっか言っていざとなったらそんなことまで切り捨てて、やってる事と言ってることが全然違うじゃないか!!」

我慢できなくなったのかシンはアスランの胸倉を両腕でつかむ。

「止めとけってシン。アスランだって同じことを思ってるみたいだからな」

そう言ってシンの腕をつかみながらそれを止めるハイネ。渋々ながらもシンは腕を下ろす。

「ああ、俺も―――俺にも分からない……何でカガリやキラはあんなことをしたのか……」

「―――ッ、クソッ!?」

シンはやり場のない怒りを露わにしながらそのまま部屋を出ていった。

「……そう言えば、クラウやマーレはどうしたんだ?」

聞くことがない、というよりも話題を選んでアスランはここのロッカールームにいない二人のことをハイネに尋ねる。

「二人ともまだ格納庫みたいだぜ。色々とやられたからな。特にクラウの機体は酷いらしいな、下手すると直すより造りなおした方が良いって愚痴溢してたぜ」

「そうか――――――」

正直言えば、マーレあたりにでも叱ってもらいたかったのかもしれない。お前の仲間のせいでこんなことになったんだと。だがそれは甘えの一種に過ぎない。アスランはキラ達の真意を知りたいと思い、どうにか接触できないかと考える。

「そんなに責任感じるなよ。昔の戦友が敵に回ったからって、それはアスランのせいじゃないんだからな」

そう慰めの言葉を言ってハイネは部屋から出ていった。







「マーレ機のパージした奴に関してはデータだけ取れればいい。後は既存のこれまで通りの状態にしておいてくれ。ショーン機の損傷に関しては余剰パーツから組み合わせれるはずだ。俺の機体はもう放置しておけ。何ならデータ取った後は、ばらして部品だけ別の機体に使って――――――」

クラウは格納庫で忙しなくMSの修理を行っていた。ミネルバの整備士は人が良いのでこちらの指示を受け入れてくれて助かる。これが閉鎖的な人柄だったら、こちらの意見など受け入れず、建設的な意見を出し合えないまま派閥が出来たり、自分勝手に行動されたりするものだ。

「クラウ、お前はこれからどうするつもりなんだ?」

マーレが自分で行える分の自身の機体の修理を終わらせ、クラウに今後の状況を尋ねる。

「ああ、それに関してなんだが、本国から遅れて来ていた新造艦を呼んだ。ミネルバが移動する港に到着する予定だ。その後は指示待ちだな。機体に関しては俺の乗ってたシュトゥッツァーはもう使い物にならないと思うよ」

苦笑いしながら答えるクラウだが、その表情は浮かない。マーレにしてもいつものような覇気が欠けている。彼らも決してデイルやミネルバクルーの死に堪えていないわけではないのだ。

「場合によっては新しく来る新型艦と共に行動するか、機体だけ受け取ってミネルバに配属されたままかもね。どちらにしても何らかの変化はあるな、きっと」

溜息をつきながら答える。フリーダムを相手に真っ向から戦って見せたが、フライトユニットのせいで―――いや、これは言い訳に過ぎない。完成が間に合わなかったのは自身のせいでもあるのだし。結局は敗北するべくしてしたのだろう。

「ともかく、これからどうするかだな。全く……厄介ごとは増えるばかりだ―――――」

そう言いながら修理を続けるクラウ。マーレはその様子を、そして言葉を聞いて違和感を感じる。

「クラウ、そう思ってるなら何でそんな風に―――――」

笑ってられるんだ――――――

「どうした、何か言ったのか?」

「……いや、大したことじゃない。気にするな」

その言葉は告げられない。単なる自分の勘違いかもしれないし空元気の類なのかもしれない。もしかしたら、彼にとってはこうなる事こそを望んだ異端者なのかもしれない。だが、だとしてもマーレはそれを口にすることはしない。
自分だってナチュラルは滅びればいいと思ってる。それが間違ってるとは思わないが、その考えは今のプラントでは受け入れられないのだ。おそらくはそういったものと同じ類。なら掘り返してまで聞く必要はない。

「悪いが先に上がらせてもらう」

どちらにせよ、彼はクラウがどんな人間であろうとも関係ない。多少互いの立ち位置が変わるだけでお互いに敵対しあうような関係になることはないだろう。そう思い、マーレはそのまま格納庫から立ち去った。








港に到着してからの行動は忙しいの一言と言えるだろう。損傷した艦や兵器の修復作業、遺体の搬送、遺品の受け渡し、次の作戦行動の為の準備や話し合いなど、やることは様々である。
整備士やクラウは修理の為に奔走を、シンやレイ、ショーンは遺品を収集し、遺品の受け渡し場所まで運びに、タリアやアーサー、ハイネは後々のミネルバの行動を話し合いながら、マーレは先ほどクラウが言っていた新しく来るであろう艦についての情報と、敵であるアークエンジェルやオーブ軍のデータを纏めていた。
そんな中でアスランもキラ達の真意を確かめるために行動していた。運が良かったのもあるがミリアリアと接触して、その伝手でアークエンジェルのクルーと接触することが出来た。

「キラ……」

「あの機体に乗っていたのは、君だったんだね―――アスラン」

カガリとキラに直接出会うことが出来たアスラン。しかし、その表情は浮かない。

「アスラン……」

「何故あんなことをした?」

「え―――!?」

カガリが声を出すと同時に問いただすアスラン。カガリはあんなことと言われて思わず戸惑ってしまう。

「あそこで君が出て、オーブが撤退すると思ったか!」

思わず怒鳴りつけてしまうアスラン。彼も精神的に色々と思う所があるのだ。

「君がやったのはあの場を混乱させて、オーブとザフトの両方を危機に曝したということだぞ!」

「だったら君はザフトが生き残って、オーブは沈んだらよかったって言いたいの?」

「君が、いや俺達がそれを止めることが出来なかった時点でそうするしかないっていうことだ。それともキラ―――お前はあそこで仮に止めたとして、結果的にオーブが救われると本当にそう思ってるのか!」

アスランは考えて行動した結果この場にいる。だが、カガリはまるで場に流されてやってきただけに過ぎない。少し考えればわかることだ。彼女のしたことが結果的にオーブという国そのものを亡ぼす可能性があったということを。

「でも、カガリも僕も考えてここに来た。それに今はザフトだって信用できない」

「考えて……だって?だったらキラ!お前がしたことはオーブを亡ぼしかねないものだと気付かなかったのか!?」

「なら、君のいるザフトは正しいっていうの?あのデュランダル議長は正しいって言えるの?だとしたら、どうして彼女が―――ラクスの偽者がいるっていうんだ?」

話を逸らすなと言ってやりたい。だが、今はそんなことを言っても無駄なのだ。話している論点が根本的に間違っている。彼らにとってはザフトに対して不信しかないのだ。

「議長は自身でもこんなことをするのは間違っているといった。だが、たとえその名が偽りだとしても本当にその存在は認められないものなのか?だったら、俺やキラがこの二年間オーブに居た間はどうなる?偽りの名で偽りの存在として過ごしてきた日々は認められないものなのか?
確かに、他人の名を騙るのは間違いなのかもしれない。だが、それが悪だって言えるのか?」

自分たちとて、偽りの名を騙り日常を過ごしてきた人間だ。もし、それが悪だというのなら自分たちとて同様だ。大戦の英雄だ何だと言われているが、殺してきた罪も裏切ったことも変わりないのだから。

「でも、僕たちはあのデュランダル議長っていう人を信用できない」

「ああ、わかってるさ。お前が議長を信用できないっていうなら信用しなくてもいい。だけど、議長はラクスが戻ってくることを望んでいる。それだけは伝えておきたい。
キラもカガリもザフトじゃないからな。でも、本当にオーブを救いたいって思うなら、あんな馬鹿な真似はもう止めろ。戦場に出てからじゃ何もかも遅すぎるんだ」

「馬鹿な真似って……アスラン!私は――――――」

「オーブを撃つのは嫌で、他国を撃つのは良いのか?」

「え?」

カガリは必死に反論しようとするが突然アスランが独り言のようにそんなこと言う。

「本当に守りたいと思うなら、もっと考えてから行動しろ。俺は、今だって考えて、それでザフトにいるんだから。カガリ、君はオーブの首相だ。だからこそ、オーブを撃たれるのは嫌だっていうことはわかる。でも、だったら本当にするべきことは何なのか、考えてほしいんだ――――――」

「アスランッ!!」

「理解は出来ても納得出来ないこともある、俺にだって……」

アスランはカガリが自分の送った指輪を手に付けていることを見ながらそう言う。そのままセイバーに乗り込みミネルバへと帰還していった。









帰還し、修理しているとはいえ戦場でなくともミネルバクルーに仕事はいくつもある。クラウは修理を終わらせた後はマーレを連れてようやく来た新しい艦に挨拶回り、というか色々と溜まっていた仕事をしている。タリアやハイネはミネルバに関して今後の顛末を含めたことを話し合ったりしていた。本来ならアスランも参加すべきだろうが、彼は辞退したためここにはいない。勿論、辞退したからと言って責任を問われるわけでもないし、元々参加自体は自由なのだが。
そして、シンやレイもまた元連合基地と思われる場所、ロドニアの研究所へ探索任務を依頼されていた。しかし、そこの光景は明らかに異常なものだった。

「何だ……これ!?」

カプセルと思わしきものの中にある人らしきもの。おぞましい光景を前にして思わずシンは口を押さえる。

「う、うぁあっぁ……ッ!?」

「オイ、レイ!?どうしたんだ、レイ!」

突然レイが塞ぎ込み嗚咽を漏らす。まるで何かに怯えるかのようにいつもの冷静さを失ったかのように取り乱し、気絶した。

「ああ、クソッ!」

シンはミネルバへの緊急連絡を行い、医療関係者も呼ぶように促す。シンは焦りを見せながらもレイの様子を見ながら待つしかなかった。







「何というか、用意してよかったというべきか、出さざる得ない状況を嘆くべきか……」

同じころにクラウはそう呟きながら届いていた新型機を見て溜息を吐く。シュトゥッツァーが破壊されてしまい、事前にテスト用というか未完成品といえる調整段階の機体を持ってくるように頼んでおいたのだが、試作型フライトユニット同様の出来事が起きないか不安だと思っていた。
機体名称はリファインドゲルググ―――略してリゲルグだ。
カラーもいつものように黒。どうせいつものように開発部の連中が有視界戦じゃ目立つ色は危険ですとでもいったのだろう。本来の色であるワインレッドは高いのだとか。逆に一番安いのは白や灰色系統だと聞いたような気がする。まあその辺はどうでもいい。
機体のスペックは理論上はシュトゥッツァーより上。ただし、フライトユニットは無し。スラスターユニットの装着による水上戦がメインになるだろう。或いはグゥルにでも乗るべきか?

「新型の開発は順調ねぇ……配備も少数ながら間に合ったと。あ、そう」

正直、ゲルググと関係ないので、その辺は詳しく聞かない。元々データだけは用意してあったのだし、ゲルググを造る片手間とまでは言わないまでも、一緒に造れる機体ではあるのだ。

「まあ、パイロットの選別はそっちに任せる。何なら先行機をよその部隊に送ってもいいし」

データを合わせながら忙しくクラウは動き続け、ミネルバへと運び込む様子を見ていたのだった。
 
 

 
後書き
原作アスランを見ると思うが、よくこんなことを言った後にアークエンジェルに戻る気になったと思う。俺だったら恥ずかしくて帰るに帰れずオーブあたりにでもひっそり亡命しようかなって考えるけど……。
まあ何にせよ新型機登場。本日の目玉はリゲルグです。これでゲルググシリーズは基本的なのは出そろったかな?ちなみにこのリゲルグ、ギレンの野望だと逆シャア編まで使えるエース用の機体ですが宇宙でしか使えないから地上戦が大変で……。
他の新型機に関しては感想でも言ってますが人気があれば検討。というか一部に関しては介入決定という状況ではあります。主に議長の機体とか……。 
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